夜勤専従看護師の業務とは?得られるメリットとデメリットを紹介

夜勤専従看護師は、夜勤の時間帯のみ勤務する看護師のことです。昼夜逆転する夜勤業務には、体力的にも精神的にもきつい業務というネガティブなイメージがあるのではないでしょうか。しかし、夜勤専従で働くメリットも多くあるのです。この記事では、夜勤専従看護師の役割や仕事内容についてわかりやすく解説します。また、得られるメリットや起こり得るデメリットも紹介するので、夜勤専従看護師について知りたい方はぜひ参考にしてください。

夜勤専従看護師の役割っていったい何?

夜勤専従看護師には、一定の看護技術と経験が求められます。ほとんどの場合、夜勤時は日勤時と比べて少数の配置人数となり、少数精鋭で患者さんの対応をしなければならないため基本的なスキルと優れた判断力が不可欠です。

さらに大切なのが夜間専従看護師としての責任感。夜間に患者さんの容体が急変した場合には、適切な処置や医師への連絡など、的確で素早い判断と行動が求められます。また、患者さんの日中の様子を見られないため、日勤の看護師と比べて判断と対応が難しくなりがちです。しっかりと責任を持つという心構えが必要な役割と言えるでしょう。

夜勤専従看護師の仕事内容とは?

夜勤専従看護師の仕事には、日中の業務と同じようにナースコールの対応や点滴交換、バイタルチェックなどの通常の看護業務があります。また、夜勤ならではの巡視業務があるのが特徴です。主な仕事内容を以下の表にまとめました。

<主な仕事内容>

  • ナースコールの対応
  • 点滴、採血、検査出しなど
  • バイタルチェック
  • 寝たきりの患者さんの体位交換
  • トイレ介助やおむつ交換、排泄量チェック、尿破棄
  • 緊急入院の対応
  • 容体が急変した場合の対応
  • 患者さんの無断外出や徘徊、点滴などの自己抜去などのトラブル対応
  • 病棟巡視
  • 事務処理やカルテ整理

夜勤専従の場合の仕事内容は、患者さんの容体の急変などがない限り、ほとんどがルーティンワークです。基本的な看護スキルを持っていれば、産休や育休などのブランクがある方も働きやすい仕事内容と言えます。

夜勤専従看護師として働くメリット

夜勤専従看護師として働くメリットを見ていきましょう。

高収入が得られる

夜勤専従看護師は、日勤よりも手取りが高くなる点が最大のメリットと言えます。夜勤手当が付くので、日勤の業務と比べると大幅に高い収入が期待できるのが特徴です。日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると、2交代制の場合の1回あたりの夜勤平均手当額は約1万円となっています。

また、少ない日数の勤務でも高い給与を受け取ることができるため、非常勤の求人でもしっかり稼ぐことができるでしょう。

日中に自由な時間が取れ連休を取りやすい

夜勤専従看護師は、勤務時間にバラつきがなく一定のリズムが保てるため、一般の人が働く日中に趣味などの自由な時間が確保しやすいのが特徴です。夜勤明けは連休となるシフトが組まれることが多く、休日にしっかりリフレッシュすることが可能。仕事とプライベートを両立しやすいのがポイントです。

緊急時の対応能力が向上する

夜勤の時間帯は日中と比べて配置人員が少ないことから、当然、一人ひとりが担う業務の幅が広くなります。日勤だと複数人で手分けして行う業務も夜勤だと少人数で行うため、一通りの業務をこなせるスキルを身につけることが可能です。

夜勤専従看護師として働くデメリット

夜勤千十看護師として働く際に、起こり得るデメリットについても見ていきましょう。

体調管理が難しい

昼夜逆転の生活が続くため、体調を崩しやすいことがデメリットになるでしょう。体が慣れるまでは疲労が溜まりやすくなるため、十分な体調管理が必要です。

家族や友人と生活時間帯が合わない

日中は夜間の勤務に備えて体を休める必要があるため、家族や友人とともに過ごす時間を多くとることができません。夜勤専従看護師として働く場合は、周りの理解や十分な話し合いが必要になるでしょう。

患者さんの日中の状態を把握しにくい

夜間は眠っている患者さんも多く、患者さんと触れ合う機会が少ないため、日中の状態を把握しづらいという点もデメリットと言えます。しっかり情報収集しようという意思を持って仕事に向かうことが大切です。

夜勤専従看護師にはどんな雇用形態がある?

夜勤専従看護師の働き方は、働く施設によって常勤・非常勤・アルバイトとさまざまです。しかし、非常勤しか求人がない場合も多いため、希望通りの職場に巡りあえない恐れもあります。

通常の日勤業務に加えて月に数回の夜勤専従アルバイトをしたり、慣れて体力に余裕が出てきたらパートや常勤の勤務形態に変更したりしても良いでしょう。無理なシフトで健康を損ねないよう、生活と仕事のバランスを見ながら働くことが大事です。

ちなみに、厚生労働省は、看護師の月平均夜勤時間を72時間までと定めている一方、夜勤専従看護師については夜勤上限時間を設けていません。夜勤ができる看護師の不足を補い、質を落とさずに必要な業務を行い続けるためにも、夜勤専従看護師は需要の高い働き方と言えるでしょう。

夜勤専従看護師はメリットとデメリットを踏まえて勤務できるか考えよう

夜勤専従看護師は、高い収入を得られるというメリットがある一方、健康管理の難しさなどのデメリットもあります。それらを踏まえたうえで、しっかり稼いで仕事とプライベートのメリハリをつけたい、という方におすすめの働き方と言えるでしょう。

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