サービス提供責任者とは?資格や役割、仕事内容など分かりやすく解説

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所において質の良いサービスを提供するために、利用者さんとヘルパー・ケアマネジャーをつなぐ役割を担う人を指します。その業務内容は多岐にわたり、責任とやりがいのある職種です。ここでは、サービス提供責任者の役割や仕事内容、働くメリットなどを解説します。介護職についてくわしく知りたい方や介護業界でキャリアアップを目指したい方は、ぜひご一読ください。

サービス提供責任者(サ責)のおもな役割

サービス提供責任者は、名称を略して「サ責」と呼ばれることもあり、資格や研修名ではなく、訪問介護業務上の役割・ポジション名のことです。

おもな役割は、ケアマネジャーや介護福祉士、ヘルパーと利用者さんとの連絡・調整、訪問介護計画書などの書類作成、ヘルパーへの指示や指導、利用者さんやご家族へのサービス説明など多岐にわたります。

厚生労働省は、サービス提供責任者の配置基準を、訪問介護事業所の利用者40人に対し1人以上と定めており、介護サービスを提供する上で欠かせない大切な役割です。

サービス提供責任者(サ責)の仕事内容とは?

続いて、サービス提供責任者の仕事内容についてくわしく解説します。

訪問介護計画書の作成

訪問介護計画書とは、ケアマネジャーが立てたケアプランをベースに、サービスの内容や援助目標、リスク管理など具体的なことを記載した書類のことです。訪問介護計画書を作成したら、利用者さんに提示し同意を得て、サービスの提供を開始します。

サービス提供開始後に、利用者さんの様子を見ながら定期的に訪問介護計画書を見直すことも仕事のうちです。

利用者さんやご家族との面談・サービス内容の説明

サービス提供責任者は、訪問介護計画書を作るにあたって、利用者さんの状況を知っておく必要があります。そのため、利用者さんやご家族との面談を通じて、要望や問題などを聞き取る業務も、サービス提供責任者の大切な仕事のひとつです。また、サービス提供責任者は利用希望の方の相談や申し込みの手続きなど窓口としての役割もこなします。

ヘルパーへの指示や指導

ヘルパーへの技術指導や介護サービスの指示、研修計画の調整、勤怠管理などを行います。ときには相談に乗ったり、情報交換をしたり、ヘルパーのリーダー役としてサポートすることも。

同行訪問

初めて利用者さん宅を訪れる際や新人のヘルパーなどには、サービス提供責任者が同行してサポートします。

サービス担当者会議の出席

サービス担当者会議とは、ケアプランを基に、利用者さんやご家族、ケアマネジャー、ヘルパーなどサービス関係者が集まって話し合う場のことです。介護サービスに対して意見を出し合い、よりよいケアプランを作成していきます。

サービス提供責任者(サ責)になるには?

サービス提供責任者は、経験を積めば誰でもなれるポジションではなく、以下の条件を満たしていることが必要です。

  • 介護福祉士の資格を持っている
  • 実務者研修修了者である

介護福祉士は、国家資格です。試験を受けるには、福祉系の学校を卒業する、実務者研修修了者となり実務経験を3年以上積む、どちらかの受験要件を満たす必要があります。

実務者研修は、講座があるスクールに通って必要なカリキュラムを修了することで、修了者と認定されます。

サービス提供責任者(サ責)として働くメリット

サービス提供責任者は、常勤で配置基準が設けられているため、正社員として雇用されやすく、高収入が得られる点が魅力のひとつ。また、デスクワークが多く、ヘルパーなどに比べると身体への負担が少ないため、年齢を重ねても比較的働きやすいポジションです。

サービス提供責任者の仕事は、やるべきことが多く責任も伴いますが、利用者さんとの関わりも強く、やりがいのある業務です。職員やご家族だけでなく、介護サービスに関わるさまざまな職種の方と出会う機会も多く、介護に対する考え方や理解を深めながら仕事と向き合うことができるでしょう。

サービス提供責任者(サ責)は兼務や夜勤は可能?

サービス提供責任者は、兼務や夜勤も可能です。

サービス提供責任者が常勤している訪問介護事業所であれば、管理者やヘルパーとの兼務が可能になります。管理者は、人材や介護サービスの品質、収支など事業所全体の管理業務がおもな仕事内容。資格要件はなく、事業所に1人以上の配置が義務付けられているポジションです。

また、夜間の時間帯に訪問介護を提供する事業所での職務も可能です。こちらに勤務する場合は夜勤扱いとなります。

兼務に関しては、条件があったり、各都道府県によって要件が異なったりするので、きちんと確認することが重要です。

サービス提供責任者(サ責)の働き方とは?

サービス提供責任者は、常勤で1人以上の配置基準が設けられているポジションです。パートや派遣社員など、非常勤でもなることは可能ですが、やはり正社員として常勤できる人の方が有利となるでしょう。

また、夜勤も可能ですが、基本的には日勤の職場が多いです。そのため、他の介護職員に比べると生活リズムを整えやすく、安定した働き方ができると言えます。

サービス提供責任者ならやりがいを感じながら働ける

サービス提供責任者は、書類作成などの事務作業から利用者さんとの面談、ヘルパーやケアマネジャーとの連携など、多くの業務を担う重要なポジションです。大変な面もある分、大きなやりがいを感じることもできるでしょう。介護業界でキャリアアップを図りたいと思っている方は、ぜひサービス提供責任者を検討してみてはいかがでしょうか。

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