どうしてる?介護職同士の世代間ギャップとその対策
介護施設は利用者さんとの世代間ギャップだけでなく、スタッフ同士の世代間ギャップも大きい職場です。ときには、世代間の意識のズレが原因でトラブルが起きたり職場の雰囲気が悪くなったりすることも。すべての方が気持ち良く働けるために、ギャップが起きる原因を知っておきましょう。今回は、介護職同士で起きやすい世代間ギャップの具体例やトラブルに発展させないための方法などを紹介します。
なぜ世代間ギャップが起こるの?
そもそもなぜ世代間ギャップが起きるのでしょうか?それは生まれ育った年代によって価値観や文化などが違うためです。生まれ育った年代が近ければ近いほど、ギャップは生じにくいでしょう。
「昭和とはこういうものだ」というわけではありませんが、一般的に、昭和の時代だと年長者を敬い、上司の命令や仕事なら残業も当たり前という考え方が多くありました。平成~令和にかけては年上を敬いつつも成果主義に変わっていき、仕事とプライベートをきっちり分けるような考え方になっているように感じます。
このように時代とともに価値観が変化するため、以前の価値観に執着してしまうと世代間ギャップが大きくなりやすいでしょう。
世代間ギャップの具体例
最近よく話題になる世代間ギャップの具体例を紹介します。
<電話対応>
メールやSNSの普及で、電話対応が苦手な方が増えています。とくに10代や20代に多く、電話の応対がわからないというのです。近頃は固定電話が減っているため、他の家に電話をかけるという経験が少ないことが原因と言われています。
<報告の方法>
報告の方法でも世代間ギャップが生まれることも。メールやメッセージアプリが身近にある10代~20代は、「メールのほうが早い」や「確実に伝わる」と思っていることもあります。しかし年配の方ほど、報告は「口頭ですべきもの」と考えているケースも。
<ワークライフバランス>
健康を意識して、仕事を効率的に行うためにもワークライフバランスの推進が進んでいます。そのため若い世代ほど、仕事とプライベートを区切りプライベートを充実させたい考える傾向があるでしょう。一方、年配の方は「仕事を優先させることが当たり前」という環境で仕事をしてきた方が多いため、仕事への取り組み方に対してギャップが生じやすいのです。
以上のように、世代間ギャップが起きることは仕方ありません。しかし、世代間で自分の意見を曲げずに働くと、さまざまなところで支障が起きる可能性があるでしょう。
世代別に苦手と感じる部分をフォローする勉強会を開いたり、連絡方法を統一したりするなど対策を考えるのもおすすめです。
世代間ギャップでトラブルを起こさないためにできること
では、どうすれば世代間ギャップを埋めて、トラブルを起こさず働けるようになるのでしょうか?ここでは、世代間ギャップを防ぐための対策方法について紹介します。
相手を否定しない
まずは相手を否定しないことです。誰でも否定されると心を閉ざしてしまうもの。世代に関係なく考え方は人それぞれであることを意識し、「そういう考え方もあるのか」と共感してみましょう。
相手の気持ちを考える
人は相手が何を考えているのかわからないと不安になるものです。また、自分の考え方と違うと、「相手が間違っている」と感じるケースもあります。
そういったときは一旦冷静になり、どうして相手がそのような行動(発言)をしたのか考えてみると良いでしょう。
対応の仕方を工夫する
普段、仕事の指示や同僚と会話をするときはどのような話し方をしていますか?早口で話したり、目を合わせず会話したりしているケースもあるかもしれません。これでは相手を思いやっているようには感じにくいです。
話している方の目を見る、または目線の高さを合わせるなどの工夫をすると良いでしょう。また話しやすい雰囲気を演出するために、落ち着いて穏やかなトーンで話すようにすると良いです。
「報・連・相」をしっかり行う
どんな職場でも同じですが、とくに介護施設では「報・連・相」を意識しましょう。介護スタッフが困るだけでなく、利用者さんに迷惑をかけてしまう可能性があるためです。
また、こまめに「報・連・相」をすることで自然と会話が生まれ、世代間の垣根が崩れる良いきっかけになることも。継続することで、コミュニケーション能力アップにもつながるかもしれません。
共感して思いやる気持ちが大切!
世代間ギャップはどうしても生じるものです。しかし、年代に関わらず相手を敬い、共感して思いやる気持ちを持って接すれば、世代間ギャップによるトラブルは防げます。また当たり前ですが、挨拶をする・悪口を言わないなど社会人としての基本的なマナーも忘れないようにしましょう。