介護福祉士会とは?加入するメリットやデメリットを知ろう

介護福祉士の資格を持っている、取得を検討している方であれば、1度は介護福祉士会という言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、どんな協会で、どういった活動を行っているのかはわからないという方もいるでしょう。そこで今回は、介護福祉士会の概要や加入率や入会方法、メリット・デメリットなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護福祉士会とは?

介護福祉士会とは、介護福祉士で構成される職能団体のことです。公益社団法人日本介護福祉士会や都道府県単位の介護福祉士会があります。たとえば、日本介護福祉士会は以下の目的で作られました。

  • 介護福祉士の職業倫理の向上
  • 介護の専門性を高める
  • 介護福祉士の資質の向上
  • 介護に関する知識や技術の普及
  • 国民の福祉の増進に寄与

主な取り組みは以下の通りです。

  • 介護福祉士の職業倫理や専門的知識、技術向上に関する事業
  • 介護福祉に関する調査研究事業
  • 介護福祉士教育機関その他関係団体との連携や協力に関する事業
  • 介護福祉の普及啓発事業や介護福祉士の相互福祉に関する事業
  • その他、日本介護福祉士会の目的を達成するために必要な事業

具体的には、全国大会や研修会の開催・国際介護人材支援・ファーストステップ研修・災害救援活動・介護の魅力プロジェクトなどを実施。未来の介護福祉士を養成するために、介護福祉士試験の研究や分析を行って模擬試験を開発したり、都道府県の介護福祉士会と連携し事前学習や解説をしたりしています。

介護福祉士会の加入率は?

介護福祉士会への入会は任意のため、介護福祉士になったら必ず入会しなければならないというわけではありません。以前厚生労働省が公表した「論点等説明資料」によると、日本介護福祉士会の加入率は約5%でした。

日本社会福祉士会は25%ほど、日本医師会では約60%、日本看護協会では50%ほどとなっています。そのため、現役介護福祉士のニーズに合うような取り組みを行うべきではないかが論点に挙がっていました。

しかし、入会することでさまざまなメリットもあります。介護福祉士の資格を取得したら、介護福祉士会への入会を検討すると良いでしょう。

介護福祉士会に入会するメリット・デメリット

次に介護福祉士会に入会するメリットやデメリットについて見ていきましょう。

メリット

介護福祉士会に入会する主なメリットは以下の4つです。

  • 会報で最新情報が得られる
  • 研修会に参加できる
  • 他の介護福祉士の方と交流できる
  • 会員専用の福利厚生制度がある

各介護福祉士会では、会報や情報誌を発行しており、学術研究の論文や政策の動向など最新の情報を会員に提供しています。また介護基礎技術向上テーマ別研修やリーダー研修会など各種研修を実施。

こういった研修を通じて他事業所の介護福祉士の方と交流でき、情報交換もできます。その他には、個人賠償責任保険や傷害総合保険、所得補償保険に対応した「安心三重奏」という保険や、会員専用のがん保険・医療保険に加入可能です。これらは福利厚生の一環で、集団割引が適用されます。

デメリット

介護福祉士会に入会するデメリットについて考えていきましょう。主なデメリットは以下の3つです。

  • 同時入会しなければならない
  • 年間コストがかかる
  • 途中入会や退会で返金がない

日本介護福祉士会で入会手続きを行うと、居住地または勤務地の都道府県介護福祉士会への入会も同時に行われます。そのため、両団体に入会金や年会費を支払わなければなりません。

都道府県によって違いますが、日本介護福祉士会と合わせて年間6,000円~1万円のコストがかかります。さらに、入会方法でも説明しましたが、年度期間中の途中入会や退会でも日割計算は行われないため、返金や割引がありません。

たしかにデメリットもいくつかありますが、入会による特典や研修、最新情報の取得などメリットもあります。自分にメリットがあるのか、デメリットの方が大きいのかを考えて、入会を検討してみてください。

介護福祉士会への入会方法は?

介護福祉士の資格を取得したら、各介護福祉士会の入会登録が完了するわけではありません。入会希望者は、日本介護福祉士会へ入会申し込みをする必要があります。入会資格は、介護福祉士の資格を持ち、介護福祉士会の倫理網領や目的に賛同する方。

また、日本介護福祉士会に入会することで、希望の都道府県介護福祉士会にも入会となります。ここでは、日本介護福祉士会の入会の方法を簡単に見ていきましょう。

  1. 入会申込書の請求
  2. 入会申込書や必要書類を送付
  3. 会員登録
  4. 会費の入金確認、会員証の送付

日本介護福祉士会の入会金は5,000円、年会費は3,000円です。介護福祉士養成施設や福祉系高等学校を卒業し、翌年度中に入会した方は入会金が免除されます。

年会費は4月から翌年3月末までの1年間で、年度途中の入会でも日割計算はなく全額納入となるため、注意してください。

都道府県介護福祉士会に関しては、各都道府県によって手続きや会費などが違います。おおよその相場は、入会金が0~5,000円、年会費が3,000円~7,000円です。

介護福祉士会で受けられる研修

2021年度に実施された介護福祉士会での研修について紹介します。日本介護福祉士会では、「リーダー研修会」や「サービス提供責任者研修講師養成研修」、「ファーストステップ研修講師養成研修」、「介護福祉士基本研修講師養成研修」などを実施。

各都道府県介護福祉士会では、「介護オンラインバスツアー」や「フォローアップ研修」、「高齢者虐待防止オンライン研修」、「介護福祉士実習指導者講習会」、「外国人介護職のための基本研修」などの研修が行われています。

どの研修も自分のスキルアップや利用者さんへのサービス向上につながるものばかりなので、受講するメリットは大きいでしょう。これらの研修は、会員はもちろん非会員も受講できるものがあります

介護福祉士会の入会を迷っている方で、研修の必要性を感じている方は、1度利用してみると良いでしょう。実際に体感することで、入会を検討するきっかけとなるかもしれません。

会員番号がわからない!どうしたら良い?

日本介護福祉士会に入会すると会員番号やパスワードが発行されます。これは各都道府県介護福祉士会でも利用する会員番号です。しかし中には「会員番号がわからなくなった」という方もいるでしょう。

その場合は、日本介護福祉士会まで問い合わせることで、手続きをしてくれます。自分にとってわかりやすいパスワードに変更したい方は、メールアドレスの登録をすることで、インターネット上でパスワードの変更も可能です。

介護福祉士会の目的や活動を知って入会を検討しよう

年会費を考えると、介護福祉士会の入会を躊躇する方もいるかもしれません。しかし、介護福祉士会に入会すると、各種研修をお得に受講でき、業界の最新情報も得られます。そこで得た知識や技術を日頃の仕事に活かせるため、結果的に利用者さんのサービス向上へとつながるでしょう。メリットやデメリットなどを総合的に考えて入会を検討してみてください。

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