教育訓練給付金制度ってなに?要件から対象講座・期間まで詳しくご紹介
一定の条件を満たした方が受給できる教育訓練給付金制度。再就職時や現職のスキルアップに必要な資格を取得する際にかかる費用を、雇用保険から一部受け取れる制度です。この記事では、教育訓練給付金制度の種類から要件、給付金額まで詳しく解説。介護職に役立つ資格の取得もこの制度を利用すれば費用負担を少なくすることができます。スキルアップしたい方、介護職に転職したい方は、この記事を参考に教育訓練給付金制度の利用を検討してみてください。
教育訓練給付金とは?
教育訓練給付金制度とは、国民の雇用安定を目的とし、現職のスキルアップや再就職に役立つ資格取得を促進するために設けられているものです。厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講した場合に、資格取得費用における一定割合額を雇用保険から受け取ることができます。
給付金の種類、給付の対象条件とは?
教育訓練給付金制度の種類は全部で3つ。一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金があります。それぞれの給付額や納付対象者、対象講座、注意点なども合わせてご紹介しましょう。
給付金名称 | 一般教育訓練給付金 | 専門実践教育訓練給付金 | 特定一般教育訓練給付金 |
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給付額 | 費用の20%(年間上限10万円) | 費用の50~70%(年間上限40~56万円) | 費用の40%(上限20万円) |
給付期間 | 最長1年 | 最長4年 | 最長1年 |
給付対象者 | 在職中の場合 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している 退職者の場合 ・退職翌日から受講開始日が1年以内 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している(※1) | 在職中の場合 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している 退職者の場合 ・退職翌日から受講開始日が1年以内 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している(※1) | 在職中の場合 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している 退職者の場合 ・退職翌日から受講開始日が1年以内 ・雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上で可) ・受講開始日が前回の受給日から3年以上経過している(※1) |
対象講座 | 介護職員初任者研修 実務者研修 介護福祉士 ケアマネジャー 福祉用具専門相談員など | 介護職員初任者研修 実務者研修 介護福祉士 社会福祉士など | 介護職員初任者研修 実務者研修 介護福祉士 ケアマネジャーなど |
注意点 | ・同時に複数講座の申し込みは不可 ・費用が4,000円を超えない場合は支給なし | ・同時に複数講座の申し込みは不可 ・受講開始日前に、訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要あり | ・同時に複数講座の申し込みは不可 ・費用が4,000円を超えない場合は支給なし |
(※1)2014年10月1日以降に教育訓練給付の支給を受けている場合のみ
個人事業主や公務員などは教育訓練給付金の給付対象にはならないため注意が必要です。専門実践教育訓練給付金については、受講終了後に目的としていた資格を取得し、資格を活かした職場で働くことで、さらに教育訓練経費の20%が追加支給されます。したがって、すでに給付された50%の給付金に20%が加わり、最大で70%相当の給付率となることが特徴です。
支給要件期間とは?
支給要件期間とは、受講を開始する日まで雇用保険の被保険者として働いていた期間を指します。被保険者ではない期間(次の就職先が決まるまでの期間)が1年を超えなければ、ほかの事業所などで働いていた期間と合算することが可能です。
今の職場で1年、その前の職場で2年働いていたという場合、再就職までの期間が1年未満なら支給要件期間は3年と計算できます。退職後も妊娠や出産・育児・疾病といった理由であれば最長20年まで適用対象期間の延長が可能。子育てが落ち着いたら資格を取得して働きたい!と考えている方も利用できるので、とても有益な制度です。
併せて活用しよう!教育訓練支援給付金
専門実践教育訓練給付金が受給可能な方を対象に、一定条件を満たすことで受給できる教育訓練支援給付金があります。受給額は退職前6ヶ月間に貰っていた給料を日額で算出し、最大80%が支給される制度です。専門性を高めてキャリアアップするためには、長期間講座を受ける必要があります。
また、専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している場合にかぎり、訓練期間が終了するまで教育訓練支援給付金を受給することが可能です。退職後は収入がなくなってしまうため、生活資金の不安を抱える方にはうれしい制度となっています。
給付金をもらって介護の資格取得を目指そう!
介護に活かせる資格は数多くあります。これから介護職を目指す方、すでに介護業界に従事しているがスキルアップをしたい方、どちらにとっても資格取得はメリットが多いといえるでしょう。雇用保険に加入していた期間がある方は、ぜひ教育訓練給付金制度の活用を検討してみてください。
しかし、給付金を受け取るには、細かい条件や申請期限といった決まり事があるため、注意が必要です。給付金対象に当てはまるか不安な方はハローワークで受給資格の確認ができるので、申請前に支給要件を照会してみましょう。
申請期限は、一般教育訓練給付金なら受講修了日の翌日から1ヶ月以内。専門実践教育訓練の受講中は、受講を開始した日から6ヶ月ごとに支給申請をする必要があります。確実に給付金を貰うためには要件があることも念頭に置いておきましょう。申請期限を過ぎた場合も2年の時効期限が設けられています。期限内であればさかのぼって申請ができるため、焦らず確実に給付金を受け取りましょう。
教育訓練給付金制度を活用してスキルアップ!
介護職の資格取得に役立つ教育訓練給付金制度は、スキルアップを望む方にとって、強い味方になります。資格取得にかかる費用面だけでなく、場合によっては生活費にもなる給付を受けることができるため、安心して勉強に励むことができるでしょう。優秀な人材を育成するために設けられた制度なので、ぜひ利用してください。