徳島県の介護の求人の現状とは!高齢者事情とともにおさえよう

本記事では徳島県の高齢者事情や、介護に関する仕事の離職率や有効求人倍率についての情報をお届けしていきます。徳島県は、人口に対しての高齢者の割合(高齢化率)が全国的にみて高い傾向がある県です。したがって介護施設の需要も高く、介護関係の仕事の求人も比較的安定しています。求人サイトのデータでは、徳島県内の市町村によっては給与面で条件が良い求人が多いケースもありました。徳島県で介護の仕事を探している方にご覧いただきたい内容です。

徳島県の高齢者事情

まずは徳島県の高齢者の状況をみていきましょう。

徳島県と全国の高齢化率を比較

徳島県と全国の高齢化率から、徳島県の状況をひも解きます。高齢化率とは、全人口に対する65歳以上の高齢者の人口の割合を示すものです。

総務省統計局発表の数値によると、2020年の全国の高齢化率は28.7%でした。これに対して徳島県の高齢化率は34.5%です。徳島県の高齢化率は2020年において、全国の値よりも5.8ポイント高くなっています。

2020年から1年データを遡りますが、徳島県が発表している資料「徳島県の高齢化等の状況」によると、2019年の調査における徳島県の高齢化率は全国5位という高さでした。徳島県は全国的にみて高齢者の割合が高い県であることが分かります。高齢化率が高い市町村は、上勝町54.9%を筆頭に、神山町54.1%、牟岐町53.5%、那賀町51.4%と続きます。ちなみに徳島市の高齢化率は29.6%でした。

徳島県の高齢者の推移

徳島県が発表している「とくしま高齢者いきいきプラン2021~2023」の「第二章高齢者等の状況」によると、徳島県の人口は1995年の83万2,427人をピークに減少傾向にあります。一方、高齢者の割合に関しては、徳島県は大正時代の1920年からすでに高齢化率が7%を超え、「高齢化社会」となっていた点が興味深いポイントです。このころから全国の高齢化率を上回っていました。高齢化率は2000年には21%を上回り、全国に先駆けて「超高齢社会」を迎えています。

高齢者人口は2020年頃をピークに下がると想定されていますが、若い年代の人口も減少していくため、高齢化率に関しては上昇が続く見込みです。2025年には35%台、2040年には40%台に到達すると言われています。これは、高齢者1人を15歳から64歳までの生産年齢人口1.3人で支えていく計算です。

徳島県の介護職員数と離職率

厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」をもとに、徳島県の介護職員数をみていきましょう。これによると、徳島県の2019年度の介護職員数は、1万5,419人でした。ちなみに全国の介護職員数は211万人。徳島県の介護職員数は、全国の介護職員数の約0.7%にあたります。

次は、介護労働安定センターの「令和2年度介護労働実態調査結果(都道府県版)」をもとに、離職率をご紹介しましょう。同データによると、徳島県の介護職の離職率は「訪問介護員」・「介護職員」・「サービス提供責任者」3職種計で16.2%です。全国の同じ条件での離職率は14.9%なので、徳島県は介護職の離職率が高めであることが分かります。

徳島県の介護職の有効求人倍率

徳島県の介護職の有効求人倍率も解説していきましょう。全国の有効求人倍率と比較して、徳島県がどのような水準にあるのか考えていきます。社会保障審議会の2018年公表資料「介護人材の処遇改善について」によると、2018年8月における介護職の全国平均有効求人倍率は3.97倍でした。これに対して徳島県の介護職の有効求人倍率は3.26倍となっています。

ちなみに、介護職に限らず全職業における全国の平均有効求人倍率は1.46倍でした。介護職の全国平均有効求人倍率の半分以下です。こうしてみると、介護関係の職種は求人が多く、需要が高いことが分かります。また、徳島県の介護職の有効求人倍率も全職業における全国の平均有効求人倍率と比較すると高い水準です。

徳島県の介護職の平均給与・時給など

求人会社「Indeed(インディード)」の情報(2022年3月時点)によると、徳島県の介護職員の平均給与は月収で23万3,583円でした。時給では1,100円です。同社のデータによると、東京都の介護職員の平均給与は月収で30万6,275円、時給では1,443円でした。ちなみに、大阪府では月収で26万7,863円、時給で1,262円、広島県では月収で21万673円、時給で990円です。

少しでも給与面の条件が良い職場を探したい方は、パートやバイトではなく正社員を目指したり、夜勤がある求人を探したりしてもよいでしょう。市町村別にみて給与水準が高いエリアを探す方法もあります。ここでは参考に、同求人会社の情報をもとに介護職員の月給が高い市町村をご紹介していきましょう。

徳島県内で介護職員の月給が高い市町村は上から順に、三好市(約29万円)、美馬市(約28万8,000円)、板野郡板野町(約27万1,000円)、鳴門市(約26万1,000円)、板野郡藍住町(25万3,000円)、阿南市(24万5,000円)と続きます。特に三好市、美馬市、板野郡板野町、鳴門市は月収25万円以上と高い水準にあり、県内でも介護職員の給与が高い傾向のエリアと言えそうです。

徳島県内の介護施設数と市町村ごとの割合

徳島県内の介護施設の数や、市町村ごとの介護施設の割合もご紹介します。日本医師会の地域医療情報システムによる地域内介護施設情報の集計値では、徳島県内の介護施設は2,253です。

市町村別にみると、徳島市の介護施設数が圧倒的に多く、833施設あります。これは県内の約40%を占める割合です。次いで阿南市186施設(約8.3%)、鳴門市167施設(約7.4%)、吉野川市127施設(約5.6%)、三好市108施設(約4.8%)と続きます。徳島県内で確実に就職したい方は、介護施設が多い徳島市に絞って求人を探すのもよいでしょう。

【徳島県内の介護職】給与重視なら三好市・施設数重視なら徳島市

徳島県の高齢化率は2019年において全国5位という高さです。徳島県は1920年代から高齢者の割合が全国と比較して高い水準にあり、今後についても高齢化率は上昇が続く予想がされています。市町村別に給与面をみると、三好市・美馬市・板野郡板野町・鳴門市は月収25万円以上を望める場合があり、介護施設は徳島市に集中していることが分かりました。徳島県内のハローワークなどで求人を探す際は、これらの市町村を中心に探してみてもいいかもしれません。

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