介護・医療用語「け~こ」で始まる言葉の意味をまとめて解説!
病気を抱えた利用者さんも多い介護の現場では、医療的な専門用語が使われることもしばしば。利用者さんの状態にしっかりと寄り添うために、まずは専門用語を理解しておくことが大切です。そこで今回は、介護施設で働くなら知っておきたい介護・医療用語の中から、「け~こ」から始まるワードについて解説していきます。きちんと理解できていないかも!という方は、ぜひ参考にしてみてください。
「け」から始まる介護・医療用語一覧
まずは、「け」から始まる介護・医療用語について押さえていきましょう。
ケアハウス
家庭で生活するのが難しい60歳以上の配偶者のある高齢者が、自立した生活を継続するため、食事や洗濯などの介護サービスを低価格で受けることのできる施設。軽費老人ホームのひとつで、軽費老人ホームC型とも称されます。運営しているのは、社会福祉法人や地方自治体、民間事業者です。
ケアプラン
介護保険を使ったサービスを利用するために、ケアマネジャーを中心に作成される利用計画書のこと。利用者さんの状況や希望に基づき、サービスの種類や内容、時間配分、限度額を考慮して組み立てられます。
ケアマネジャー
介護が必要な方が介護保険サービスを受けられるよう、ケアプランを作成したり、保険や医療、福祉の各サービス事業者との調整をしたりする職業。別名、介護支援専門員ともいわれます。老人ホームや地域包括支援センターのほか、介護サービスを提供する民間企業でも活躍する職業です。
傾聴(けいちょう)
耳だけでなく、目や心を傾けて相手の話を聞くこと。話を掘り下げたり、話し方や表情、姿勢、仕草など、言葉以外の部分にも注意を払ったりすることにより、相手を理解するよう努力します。信頼関係が重要な介護の現場において、利用者さんとの信頼関係を築くために必要な力です。
経管栄養(けいかんえいよう)
流動食でも誤嚥の可能性がある、機能障害により口から食事が摂れないといった場合に、チューブやカテーテルなどを使い、消化器官に流動食を送ること。胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養といった方法があり、環境により適した経管栄養が選択されます。
軽費老人ホーム(けいひろうじんほーむ)
60歳以上で家族による援助は難しく、自立した生活に不安のある方に対し、無料もしくは低価格で、食事や日常生活に必要なサービスを提供する入居施設です。食事サービスのあるA型、食事は自炊するB型、食事と生活支援サービスのついたC型(ケアハウス)と、3つのタイプがあります。今後はケアハウスに一本化される予定。
傾眠(けいみん)
声かけなどの周囲からの軽い刺激で意識をとり戻すが、そのまましばらくすると意識が混濁する状態のこと。意識障害の程度のひとつ。ベッドで寝たきりの生活になりやすいといわれています。
下血(げけつ)
肛門から血が出ることの総称。排便に混じるケースが多いです。消化器官からの出血と考えられ、赤い血が出るなら血便と呼ばれる肛門近くでの出血、黒い血が出るなら黒色便と呼ばれる胃に近い場所からの出血と、色の違いで出血場所を推測することができます。
血糖値(けっとうち)
血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度を示す値のことです。英略語ではBSと表現。ブドウ糖は炭水化物により作られるため、基本的に空腹時には血糖値が下がり、食後には血糖値が上がります。
血尿(けつにょう)
尿に赤血球が異常に多く含まれていることです。一見してわかるくらい赤い肉眼的血尿と、淡く濁っているだけで見た目だけでは判断できない顕微鏡的血尿があります。もし利用者さんに血尿の兆候が見られたら、泌尿器科や内科にかかり、原因を調べてもらうようにしましょう。
幻覚(げんかく)
実際にないものをあるように知覚すること。誰もいない部屋で亡くなったはずの方に話しかけているなど、認知症の患者さんに多くみられる症状のひとつです。
健側(けんそく)
麻痺や障害を持つ方の、障害のない健康な側のこと。反対に、障害のある側は患側(かんそく)です。介護において、健側と患側を考慮しながら介助することが適切だといわれています。
倦怠感(けんたいかん)
身体的、また精神的に、疲労感を感じること。動きすぎたときに感じるだるさは、休息により自然と解消しますが、いつまでも続く場合は病気が潜んでいる可能性もあるため注意が必要です。
見当識(けんとうしき)
自分の置かれている状況をきちんと認識すること。認知症や意識障害により、人間関係、時間、地理など、日常生活を送るうえで必要な認識ができなくなることが…。自分の置かれている状況が認識できない状態は、見当識障害と呼ばれます。
「こ」から始まる介護・医療用語一覧
続いては、「こ」から始まる介護・医療用語を解説していきます。
誤嚥(ごえん)
飲食物や唾液などを飲み込んだときに、気管に入ってしまうことを指します。健康な方の場合、反射的にむせたり咳をしたりといった防御反応により喀出されますが、高齢者や嚥下障害がある方の場合、喀出する働きが弱くなることも。
後期高齢者(こうきこれいしゃ)
75歳以上の高齢者を指す言葉です。65~74歳は、前期高齢者と呼ばれます。
拘縮(こうしゅく)
長く体を動かさないでいたことにより、筋肉や皮膚などの関節周囲の軟部組織が伸縮性を失って硬くなり、関節の動きが悪くなること。関節を動かすときに痛みが出るため、本人も辛いうえに、介護する側の負担も増しやすいことが特徴です。
高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)
脳外傷、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害や農園・低酸素脳症などの病気により、脳が部分的に損傷を受け、行動・言語・認知・意識・見識などに障害が起こることです。外見からは障害がわかりづらく、本人や家族にかかる負担が大きいといわれています。
Kot(コート)
大便を意味する医療用語。由来はドイツ語です。
介護や医療の専門用語をきちんと理解!
今回ご紹介したのは、現場で使われることの多い「け~こ」の介護・医療用語です。介護施設では、体に何らかの不調を抱えた利用者さんがたくさん。そんな利用者さんをサポートするためには、医療機関との連携も必要になり、それと同時に医療用語に触れることもあるでしょう。介護により深く携われるよう、介護や医療の専門用語をきちんと理解してくことが大切です。