介護・医療用語「た~つ」で始まる用語を一覧にして紹介!
介護や医療の現場では、専門的な用語や略語が多く飛び交っています。未経験者だけでなく、介護に携わっていても、分野が違うと聞き慣れない用語はたくさんあるはず。ここでは介護や医療に携わる際に知っておきたい用語を紹介します。今回紹介するのは「た~つ」で始まる用語まとめです。これから介護や医療の現場で働こうと思っている方や、改めて介護・医療用語について学びたいという方は、参考にしてみてくださいね。
「た」から始まる介護・医療用語
まずは、「た~つ」のうち「た」で始まる介護・医療用語を紹介します。
ターミナルケア
終末期における介護的・医療的ケアのことです。ターミナルケアは、基本的に延命治療は実施せず、精神的・身体的苦痛を緩和し、生活の質の維持または向上を目指した処置を行います。
体位変換(たいいへんかん)
自力で体の向きを変えられない方の体位を変えることです。寝たきりの方が長時間同じ姿勢でいると、血流が妨げられ、床ずれ(褥瘡/じょくそう)や血行障害を引き起こしてしまう可能性があります。これらの症状を防ぐために、定期的に体位を変えて血流を滞らせないようにすることが体位変換の目的です。
体験入居(たいけんにゅうきょ)
老人ホームやグループホームなどの介護施設に、数日間入居してそこでの生活を体験してみること。施設の雰囲気や設備など、パンフレットや見学だけではわからないことが確認できます。
対症療法(たいしょうりょうほう)
病気によって引き起こされる症状を和らげるための治療。病原そのものを消すという根治を目指した治療ではなく、痛みや不快な症状を取り除くために行う治療です。
第一号被保険者(だいいちごうひほけんしゃ)
介護保険における加入者の分類の一種。介護保険では、65歳以上の方が第一号被保険者に分類されます。
第三者評価制度(だいさんしゃひょうかせいど)
質の高いサービスを提供するために、介護事業者に対し、事業者や利用者さん以外の公正かつ中立の立場にある第三者機関が、専門的・客観的に評価する制度のこと。
第二号被保険者(だいにごうひほけんしゃ)
介護保険における加入者の分類の一種。介護保険では、40歳から64歳までの方で、特定疾病の認定を受けた場合、第二号被保険者に分類されます。
宅老所(たくろうしょ)
高齢者が住み慣れた地域で生活ができるよう、介護保険では手が届かない部分にも細かく対応する施設のこと。一般的に、法令に定義がなく、民間で独自のサービスを提供している地域密着型の小規模な高齢者施設を指します。
脱水(だっすい)
人間の体内に必要な水分量が不足している状態のこと。摂取水分の減少や、発汗・下痢・嘔吐などで水分喪失量が増加したときに起こりやすい症状です。
短期入所(たんきにゅうしょ)
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設や医療機関に、数日~1週間程度の短期間入所すること。ショートステイともいいます。
端座位(たんざい)
ベッドなどの端に腰かけて、両足を下ろしている状態のこと。
「ち」から始まる介護・医療用語
続いて、「た~つ」のうち「ち」で始まる介護・医療用語を紹介します。
チームケア
医師や看護師、社会福祉士、保健師、理学療法士、ホームヘルパー、民生委員など、介護関係者・医療関係者に関わらずさまざまな専門家がひとつのチームを組んで介護を要する方のケアを行うこと。それぞれの知識を持ち寄ることで、幅広い視点からケアに取り組めるというメリットがあります。
チアノーゼ
皮膚や粘膜が青紫色に変色すること。血中の酸素不足が原因で起こります。表皮が薄く毛細血管の多い、口唇や爪・指先でよくみられる症状です。
地域支援事業(ちいきしえんじぎょう)
地域の高齢者が、要支援・要介護状態になることを予防し、要支援・要介護状態になっても、可能な限り自立した日常生活を送れるように、市区町村が行う支援事業のこと。
地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)
2006年の介護保険法改正に伴い設置された、介護に関する問い合わせや相談などに対応する総合相談窓口のような機関。市区町村が設置主体となり、住民の健康維持や生活の安定などに必要な援助を行い、地域住民を包括的に支援することを目的としています。保健師や社会福祉士など専門知識を持った職員が配置され、介護・医療・福祉などさまざまな側面から高齢者を支える機関です。
地域密着型サービス(ちいきみっちゃくがたサービス)
寝たきりや認知症になっても、可能な限り高齢者が住み慣れた地域において生活を継続できるように提供される介護保険サービスのこと。その地域の住民の方が対象で、市区町村が指定した事業者が提供します。
窒息(ちっそく)
呼吸ができなくなることにより、血中の酸素濃度が低下し、二酸化炭素の濃度が上昇することで、脳や内臓組織に機能障害を起こした状態のこと。飲み込む力が弱い高齢者は、餅などの食べ物をのどに詰まらせる可能性もあるため、窒息状態にならないよう注意する必要があります。
中心静脈栄養(ちゅうしんじょうみゃくえいよう)
食べ物や飲み物を口から摂取できない場合に、静脈から細いチューブを通して栄養補給を行うこと。中心静脈(鎖骨下部や頸部あたり)からカテーテルを挿入して、糖質やアミノ酸・ビタミンなどを含んだ栄養液を投与し、必要な栄養を摂取します。
聴能訓練士(ちょうのうくんれんし)
国家資格である言語聴覚士の業務のうち、聴覚の分野に特化した部分を受け持っている専門職のこと。難聴など聴覚に障害がある方に対し、聴力検査や聴覚回復のための治療・リハビリ、補聴器の選択・使い方の指導などを行います。
「つ」から始まる介護・医療用語
最後に、「た~つ」のうち「つ」で始まる介護・医療用語を紹介しましょう。
通所介護(つうしょかいご)
在宅で生活している高齢者が、日中に通所介護施設に通って、機能訓練や食事・入浴・排泄などの介護、日常生活上の支援などのサービス提供を日帰りで受けること。デイサービスともいい、提供するのは生活サービスが中心です。
通所リハビリテーション(つうしょリハビリテーション)
要介護認定を受けている在宅の高齢者に対し、介護老人保健施設や病院などリハビリ専門職のいる施設で、主治医の指示に従った機能訓練や入浴・食事などリハビリに特化したサービスを日帰りで提供すること。デイケアともいい、リハビリ中心のサービスを提供します。
介護・医療用語をしっかり身に付け現場で活かそう!
今回は、「た~つ」で始まる介護・医療用語をご紹介しました。介護の現場において、業務の効率化やスピード感はとても重要です。知らない言葉で指示を出される場合や、聞き返せない雰囲気の場合もあるでしょう。自主的に用語を調べて学んでおけば、現場でも役に立ち、スキルアップにもつながります。未経験者の方も、介護業界にいる方も、今一度用語まとめを確認して、これからの現場で活かしてみてはいかがでしょうか。