高齢者向け歯ブラシのおすすめは?介護職が知っておくべき口腔ケアの基礎知識
高齢者の方にとって口腔ケアは、健康維持に欠かせない大切な習慣のひとつです。間違ったケアを続けていると、虫歯や歯周病、誤嚥性肺炎のリスクを高めてしまうことも。介護の現場においても、正しい知識を持って利用者さんの口腔ケアをしてあげたいものです。そこで今回は高齢者向け歯ブラシの選び方を解説。口腔ケアにおすすめのスポンジブラシや義歯用ブラシ、電動歯ブラシについても紹介しています。ぜひ、歯ブラシ選びの参考になさってくださいね。
目次
高齢者の口腔ケアが欠かせない理由
口腔ケアの主な目的は、口の中の清潔を保つこと。そして、歯周病や虫歯を予防し、食事や発音といった口腔機能を正常に維持することにあります。
しかし、年齢を重ねるにつれて自力でのケアが難しくなると、口の中がだんだんと不衛生な状態に。次第に口腔内の機能が低下し、誤嚥性肺炎や感染症を引き起こしやすくなることもあります。
高齢者の方にとって正しい口腔ケアを継続することは、健康に長生きできる秘訣ともいえるでしょう。
高齢者向け歯ブラシでおすすめしたい選び方
高齢者の方の歯ブラシとしておすすめしたいのは、次のような特徴を備えているもの。購入する際にはぜひチェックしてみましょう。
毛の硬さが「やわらかめ」のもの
高齢者向け歯ブラシの毛は「やわらかめ」がおすすめ。年齢を重ねると歯のエナメル質が減退して傷つきやすくなるため、優しく歯磨きできるものを使いましょう。
ヘッドがコンパクトなもの
年齢を重ねると口を大きく開けづらくなる方もいます。そのため、高齢者向け歯ブラシではヘッド部分が小さい歯ブラシがおすすめ。ただし、ヘッドが小さいということは一度に磨ける範囲が狭くなりやすいということ。磨き残しのないように、一本一本の歯を裏側まで丁寧に磨いてあげる必要があります。
柄の形状がストレートなもの
高齢者の方の歯ブラシには、柄がまっすぐなものがおすすめ。市販の歯ブラシの中には柄がカーブしているものや、指に沿うように突起があるものもありますが、高齢者の方にとってはかえって掴みにくいことも。柄がストレートなものだとしっかりと磨きやすいようです。
また、握力が弱まっている方でも持ちやすいように柄が太めなものを選びましょう。
義歯の口腔ケアには「スポンジブラシ」や「義歯用ブラシ」を
義歯を使っている方の場合には、外した後の口腔ケアも大切。歯茎や舌、頬の内側にはブラシ部分がスポンジ状になっているスポンジブラシが便利です。
また、高齢者の方は口の中が乾燥しやすく、汚れがこびりついて落ちにくくなることも。そんなときにも歯ブラシではなく、スポンジブラシがおすすめ。スポンジブラシに保湿剤を含ませて優しくなでると、汚れが浮きやすくなるだけでなく口の粘膜を保護できます。
そして、外した後の義歯の方も義歯用ブラシでしっかりと汚れを落としましょう。義歯用ブラシは通常の歯ブラシよりも硬い毛で作られており、2ヶ所に植毛されているタイプが一般的です。柄が太いものが多いので、しっかりと力を込めて義歯の汚れを落とせます。
自力でのケアが難しい方には「電動歯ブラシ」がおすすめ
自力でのケアが難しい高齢者の方には電動歯ブラシもおすすめ。握力が弱まっていても電動歯ブラシの振動がサポートしてくれます。
パワーの強さやサイズなどたくさんの種類があるため、選ぶ際には歯科医などの専門家に相談してから購入するといいでしょう。
高齢者向け歯ブラシは口の中を傷つけにくいものがおすすめ
高齢者の方の歯ブラシを選ぶなら、とにかく口腔内を傷つけにくいことが必須条件。場合によってはスポンジブラシなども使いながら、優しく念入りに磨くことが大切です。また、年齢を重ねると義歯の方も増えてくるので、義歯用ブラシも必須アイテム。一人ひとりの口の状態に合わせて、ぴったりの歯ブラシを選んであげましょう。