日本の介護職は海外で「国際介護士」として働ける?必要性や問題点とは
日本で得た介護技術を糧に、海外で活躍する国際介護士という働き方をご存じですか?EPA協定により、世界中で活躍する外国人介護人材は増加傾向にあります。介護業界もグローバル化が進んでいるといっても過言ではありません。そこで今回は、国際介護士とはなにか、海外で働くうえでの問題点、実際に海外で働く方法について解説しました。手厚い日本の介護技術は、今後海外でも注目される可能性があります。世界で活躍する国際介護士に興味のある方は、ぜひ一読ください。
国際介護士とは?
国際介護士とは、海外の介護現場で働く介護士を指します。明確な定義や資格はありませんが、海外で日本の介護を広めたり、介護に携わる人材を育成したりしている方たちも国際介護士と呼ぶようです。
国際介護士の必要性
高齢化が進む日本はもちろん、介護業界の人手不足は世界中で問題になっています。日本でも、EPA協定(経済連携協定)により、外国人(ベトナムやフィリピンなど)の看護師や介護士を受け入れてきました。今後は、海外の介護人材を増やすことを目的に、日本の介護職が国際介護士として海外へ出向き、日本の高い介護技術を伝える動きが活発化すると予想されています。グローバルに高齢化を支える担い手として、国際介護士の必要性は十分にあると考えられるでしょう。
海外で国際介護士として働くうえでの問題点
今後求められる人材と見込める国際介護士ですが、海外で働くゆえの問題点もあります。では、どのような問題があるのかチェックしていきましょう。
外国人労働者の受け入れは制限されやすい
言語はもちろん、文化も異なる海外では、外国人労働者の受け入れが制限されやすい傾向にあります。不法就労や移住問題への警戒なども相まって、介護職に限らずどの職種もこの問題に直面することが多いようです。
ビザ問題
どの国も自国民の雇用が最優先のため、外国人の労働者を受け入れることに後ろ向きです。実際に国際介護士を目指そうとビザの取得を試みる日本人も多くいます。しかし、ビザ取得の手続きに手間や時間がかかりすぎ、結局日本で働くことを選ぶケースも少なくないようです。
日本の資格は海外では通用しない
これまでにご紹介した問題はありますが、少しずつ外国人の介護職雇用を進めている先進国もあります。しかし、日本の介護資格は海外では通用しません。介護福祉士資格を持っていたとしても、海外で日本同様に認められるわけではないことを認識しておきましょう。
国際介護士として海外の介護福祉に携わる方法
ビザを取得して海外の介護福祉施設で働くルート以外にも、国際介護士として活躍できる方法があります。
海外のインターンシップやボランティアに参加する
海外でのインターンシップやボランティアに参加すると、介護士として海外で働くことが可能です。実際には、国際的なNGOのオフィス(赤十字や難民支援団体など)や、介護福祉施設、高齢者病院などのインターンシップがあります。期間は限られますが、自分で働く期間を選択できるので、そのときの自分の状況に合わせられるのも魅力のひとつです。
日本の介護事業者が海外で事業を始めるときに応募する
国際介護士になりたい方は、日本の介護事業者が海外で介護事業を始めるときに募集している求人もチェックしておきましょう。このケースでは、日本から現地へ介護職を派遣するために介護福祉士を募集していることがあります。この機会を活用できれば、日本の介護事業者のサポートを受けながら海外で働くことが可能になるので、非常に心強いでしょう。
日本の介護技術を海外へ広めよう
ビザ問題や外国人労働者の受け入れ制限など、海外で働くハードルはまだまだ高いのが現状です。しかし、世界中で介護に携わる人材が不足している現状を考えると、国際介護士が多く活躍する未来も近いのかもしれません。ひとまず短期間でも海外で働いてみたい!という方は、海外のインターンシップやボランティアへの参加を検討してみてくださいね。