高齢者に喜ばれる梅を使ったレシピ3選!美味しく疲労回復しよう
6月6日は梅の日です。食欲不振やだるさを感じる高齢者が増えてくる6月からの季節におすすめなのが、梅を使ったメニュー。梅に含まれる成分が、蒸し暑い時期を元気に乗り越える力となるかもしれません。今回は、梅を食べることで期待できる健康効果をはじめ、旬の梅の味わいが楽しめるおすすめレシピをご紹介します。施設の食事メニューに取り入れるのはもちろん、利用者さんの調理レクリエーションのヒントとしてもお役立てください。
疲労回復にも!梅の効果とは
まずは梅が持つとされる健康効果について見ていきましょう。
食糧難の時代にも日本人の栄養源となった梅
古くから健康維持や疲労回復に役立つと言い伝えられてきた梅。戦国時代には、激しい合戦で息切れを起こした際に、唾液の分泌を促し呼吸を整える薬として梅干しが用いられたといわれています。さらに戦時中には、ご飯の真ん中に梅干しをのせた「日の丸弁当」で、食糧難の時代を乗り越えたといわれるほどです。
梅は日本人が誇るソウルフードの1つと言っていいでしょう。
梅のすっぱさのもとである酸が疲れに効く
梅のすっぱさは主にクエン酸という成分によるものです。クエン酸は、疲労物質である乳酸の分解を早めて老廃物の蓄積を防ぐ働きがあります。疲れた体を回復させるのに、梅が持つクエン酸のパワーを取り入れることは効果的です。
さらに梅には、高齢者にうれしい効果も。高齢者は、飲み込む力が低下し食欲不振になりがちですが、梅の酸味によって唾液が増えると食べ物を飲み込みやすくなります。さらに、梅の強烈な酸味は、梅を見ただけでも味わったときの記憶を呼び起こすほど。梅の視覚的な刺激も、食欲をアップさせる効果が期待できるでしょう。
梅を使った高齢者に喜ばれるレシピ3選
ここでは梅を使ったレシピを3つご紹介しましょう。香り高い梅の風味を楽しみながら、疲労回復効果が期待できるレシピばかりです。
【梅を使ったレシピ1】梅干し
完成を待つ間もワクワクできる梅干し作り。利用者さんとスタッフが協力して梅干し作りを行っている高齢者施設もあります。
<材料(作りやすい分量)>
- 完熟梅…2キロ
- 焼酎(アルコール35度以上)…大さじ2
- 塩(梅の塩漬け用)…300グラム
- 赤じそ…300グラム
- 塩(赤じそ用)…45グラム
<作り方>
- たっぷりの水に梅を半日浸してアクを抜いてください。
- 竹串で梅の黒いヘタを取り除き、ふきんを使って1個ずつしっかりと水気を拭き取ります。
- 2の梅を入れたポリ袋に、焼酎・塩200グラムを入れてなじませましょう。
- 漬物容器の中を焼酎(分量外)で拭いて消毒し、3を入れて塩100グラムを加えます。
- 熱湯消毒をした落としぶたをのせて、さらに4キログラムの重石をのせてください。
- 冷暗所に10日ほど置き、梅酢が上がって梅全体が浸かったら、重石を2キログラムのものに替えます。
- 赤じその汚れを水で落として水気を切り、ポリ袋に入れて塩の半量を加え、よく揉み込みましょう。
- 赤じそを絞ってアクを捨てます。さらに残りの塩をすべて加えて、再び揉み込んで絞り、アクを捨ててください。
- 赤じそを別の容器に移し、6の梅酢をお玉1杯分加えてほぐすと赤く染まります。
- 6の梅に9の赤じそを梅酢ごと加え、熱湯消毒をした落としぶたをのせて20日以上漬けたら完成です。
【梅を使ったレシピ2】梅酢ちらし寿司
梅干しを作ったときに出る梅酢を有効活用するちらし寿司です。さっぱりとした梅酢の味わいが引き立ち、食欲増進が期待できますよ。
<材料(4人分)>
- 米…2合
- 梅酢…大さじ2
- 枝豆…50グラム
- コーン…20グラム
- 釜揚げしらす…30グラム
- 千切り紅しょうが…20グラム
- 大葉…適量
- 白ごま…適量
<作り方>
- 洗った米を、通常の水加減から大さじ2程度少なくした水で浸水し炊きます。
- 炊きあがったら寿司桶やボウルにご飯を移し、梅酢をかけてしゃもじで切るように混ぜましょう。
- 枝豆・コーン・千切り紅しょうがを加えて混ぜ込み、千切りした大葉・釜揚げしらす・白ごまを盛り付けて完成です。
【梅を使ったレシピ3】梅ジュース
爽やかな香りの梅ジュースは、電子レンジを使って抽出した梅エキスを利用して作ります。青梅を使うとえぐみが出てしまうため、黄色い完熟梅を使うのがおすすめです。市販のジュースとは一味違う美味しさが堪能できますよ。
<材料(約5杯分)>
梅エキス(約80ミリリットル分)
- 黄色い完熟梅…200グラム
ジュース(1人分)
- 砂糖…大さじ1
- 水…150ミリリットル
<作り方>
- 梅をやさしく洗い、竹串でヘタを取り除いたあと、しっかり水気を切ってください。
- 1を耐熱容器に入れてラップし、電子レンジ600ワット・1分40秒加熱します。
- 加熱後、ラップの片側を少しめくり、梅から出たエキスを別の容器に移しましょう。
- 再びラップをかけ直し、2~3の作業を梅エキスが出なくなるまで5~6回繰り返します。
- 梅エキスをクッキングペーパーで濾してください。
- 砂糖を加えた水に、5の梅エキス大さじ1を混ぜたら1人分の梅ジュースが完成。水を焼酎に代えるとドライな飲み口の梅酒も楽しめます。
梅を使ったレシピで美味しく元気に!
施設利用者の方の中には、梅干しや梅ジュース作りの経験者も多くいらっしゃるでしょう。梅のヘタを一つひとつ取る工程などを皆で行うと、いつもとは違う真剣な表情が見られるかもしれません。梅の爽やかな酸味を楽しみながら、暑くなり始める季節を元気に過ごしましょう。