介護職の夜勤、何してる?施設ごとの仕事内容とタイムスケジュール

介護が必要な利用者さんをサポートするため、介護の入所型施設は夜勤のスタッフが欠かせません。「介護施設の夜勤は未経験」「夜勤は実際何してるの?」など、仕事の流れのイメージがつかず、夜勤に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、介護職の夜勤について解説していきます。施設ごとの仕事内容やタイムスケジュールもご紹介するので、参考にしてみてください。

入居型施設では24時間見守りが必要!

入居型の施設の働き方を確認していきましょう。

入居型施設の勤務体制

入居型施設では24時間体制で利用者さんを見守る必要があり、2交代制もしくは3交代制でシフトが組まれています。夜勤の勤務時間は事業所により異なりますが、多くの介護施設では2交代制を採用しているところが多いよう。一例として、2交代制の夜勤の勤務時間は16時~翌日9時までとなっており、勤務時間が長いことが特徴です。3交代制の夜勤は21時~翌日7時までと、2交代制と比べて勤務時間が短くなっています。

夜勤の休憩時間

8時間以上の勤務の場合、休憩時間は1時間以上と労働基準法で定められているため、ほとんどの場合1時間以上の休憩があるでしょう。施設により、休憩時間とは別に仮眠時間が設けられていることもあります。ただし、ナースコールが集中した・緊急対応があった・担当が1人だけだったなどの状況によっては、休憩があまり取れない可能性もあるかもしれません。

夜勤にあたるスタッフの人数

夜勤にあたる介護職員の人数は、介護施設や利用者さんの人数に応じて定められています。施設の規模にもよって異なりますが、1~4人ほどと日勤よりは少ない人数で対応するのが基本。そのため、夜勤はある程度経験を積んだスタッフでないと任せてもらえないケースが多いようです。

介護夜勤の仕事内容は?タイムスケジュールを紹介

介護施設の夜勤が対応する仕事内容とタイムスケジュールをチェックしていきましょう。

介護職の夜勤は何してる?仕事内容をチェック

介護職の夜勤は、利用者さんの就寝前後の時間帯のため、以下の仕事がメインになります。

  • 安否確認
  • 緊急時対応
  • 食事介助
  • 服薬介助
  • 排泄介助
  • 就寝介助
  • 起床介助
  • 介護記録

就寝中の呼吸や表情、体勢などから利用者さんの安否確認をするのが、夜勤にあたるスタッフの主な仕事です。何かあればナースコールで利用者さんからの呼び出しがあるため、すぐ対応できるよう待機しておきます。呼び出しの理由は、体調不良・トイレなどが多いようです。なかには自分でコールを押せない利用者さんもいるため、定期的に巡回して異常がないか確認します。

体調が悪化した場合の救急対応も夜勤スタッフの役目です。用意されている緊急時のマニュアルの内容を把握し、何かあったときに対処できるよう備えておく必要があります。

また、夕方から勤務に入るケースが多いため、利用者さんの食事は夕食と朝食の2回。食事の準備や食事介助と併せて、服薬介助・排泄介助も行います。

介護夜勤のタイムスケジュール

実際はどんなスケジュールで働いていくのか、2交代制で多い16時間夜勤の場合のタイムスケジュールの一例をご紹介します。

16:00~出勤 申し送り確認
18:00~食事介助(夕食)
服薬介助
19:00~

歯磨き介助
排泄介助
20:00~就寝介助
21:00~片付け
介護記録
22:00~巡回し安否確認
23:00~巡回し安否確認
体位変換
1:00~休憩もしくは仮眠
3:00~巡回し安否確認
5:00~起床介助
7:00~食事介助(朝食)
~9:00申し送り
介護記録
退勤

介護施設による夜勤の仕事内容の違い

介護施設の種類によっても、夜勤の仕事内容には差があります。それぞれの特色をおさえていきましょう。

特別養護老人ホーム

要介護3以上の方が入居対象となる公的な施設、特別養護老人ホーム(特養)。重度の認知症など介護度が高い利用者さんが多いため、複数人で夜勤にあたることがほとんどです。多くの施設では仮眠室が設けられており、しっかり休むこともできるでしょう。

介護老人保健施設

ケガや病気の回復期で在宅復帰を目指す方が短期間入居する、介護老人保健施設。緊急体制がきちんと整っていれば40人に対し1人以上の夜勤スタッフの配置が基本ですが、複数人で夜勤にあたるケースが多いよう。看護師が夜間に常駐している施設が多く、急変時に対応をお願いできるメリットがあります。

有料老人ホーム

介護を提供する有料老人ホームは、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームに分類され、それぞれ提供するサービスが異なります。利用者さんの要介護度もさまざま。介護付有料老人ホームは介護サービスの提供が主で介助業務も多いため、複数のスタッフで夜勤に対応するケースが多いでしょう。

住宅型有料老人ホームは比較的自立した利用者さんが多いため、介助よりは安否確認や見守りが主な業務。その分夜勤の配置人数が少ないケースもあるでしょう。

小規模多機能型居住介護

要介護度の低い利用者さんが利用する小規模多機能型居宅介護。宿泊の場合は施設と同様の介助が必要になりますが、要介護度が低いため介助よりは安否確認や見守りが主な業務になるでしょう。夜勤の介護職員の配置基準は1人以上となっており、1人で夜勤に対応するケースも多いようです。

サービス付き高齢者住宅(サ高住)

サービス付き高齢者住宅(サ高住)は、バリアフリー環境が整った賃貸住宅。ほかの介護施設と比べると介護度の低い利用者さんが多い傾向にあります。スタッフを夜間に配置する義務はないものの、24時間常駐としている施設も多いよう。夜勤がある場合は安否確認や見守りが主な仕事となり、1人で対応するケースが多いでしょう。

介護職の夜勤には日中とは異なる業務がある

「介護職の夜勤、何してる?」という疑問を解決することはできましたか?就寝、起床介助や見守りなど、日中とは違った業務のある介護の夜勤業務。日勤よりもスタッフの数が少ない分、責任感や介護職員同士の連携も重要になります。決して楽ではないですが、夜勤手当がつき収入が増やせるというメリットもあるでしょう。夜勤の有無や仕事内容を踏まえて、働く施設を検討するのもひとつの方法です。

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