【あと会グループ】真空低温調理法を介護施設に導入!利用者さん感動の「くにくさの味」ヒストリー

広島市を中心に介護施設を運営する「あと会グループ」。食・住・ケアに関して、利用者さん第一かつ先進的な多数の取り組みを実践されています。そこで今回は、【食】へのこだわりの中でも施設で提供する食事に革命を起こしたといわれる“真空低温調理法”について詳しくご紹介。

真空低温調理法の導入の経緯やそのメリット、「あと会グループ」の食に関わるスタッフさんのインタビューなど、情報満載でお届けします。最後に求人・採用情報もご紹介するので要チェックです。

【あと会グループ】法人理念は「3つのY」。利用者さん・ご家族・スタッフをつなぐ

画像出典:あと会グループ公式サイト

「あと会グループ」は、広島市安芸区にある「くにくさ苑」をはじめ、広島市内に37もの介護事業所を展開しています。法人理念は、やすらぎ・喜び・豊かさ「3Yのこころ」。利用者さん第一であることはもちろん、そのご家族、スタッフともに生きがいのある豊かな人生を送るための施設づくり・職場づくりを目指し、【住】【ケア】【食】に力を入れています。

【住】へのこだわりは、あと会の建物すべてが“ドキドキわくわく”をコンセプトに設計されていること。最先端かつ利用者さんにとって居心地のよい住環境が提供されています。

また、利用者さんへの【ケア】には、福祉先進国スウェーデンの考え方や手法などを導入。タクティール・タッチ療法やコンタクトマン制度、スウェーデンベッドの導入など、最先端の高齢者ケアが実践されています。

そして、利用者さんへ食べることの喜びを提供し、こころ豊かに過ごしてもらうため、【食】にもとことんこだわっています。真空低温調理法や凍結含浸法といった最先端の食品加工技術を導入しているのが特徴です。

ここからは、「あと会グループ」の“食の改革”の第一歩となった真空低温調理法について詳しく解説していきましょう。

▽「あと会グループ」の概要をまとめた記事はこちら

「真空低温調理法」とは?安心・美味しい・食べやすい食事で喜びと感動を!

まずは、真空低温調理法とはどのような技術なのか、そして「あと会グループ」がなぜ真空低温調理法を導入するに至ったのかについてご紹介します。

食の改革!「真空低温調理法」との出会い

真空低温調理法で調理した煮物

真空低温調理法とは、栄養分を壊すことなく食材の味や香りを保ちながら、軟らかく調理することができる食品加工技術のひとつです。

真空低温調理法の基本的な調理の手順は以下のとおり。

1.鍋の代わりに使用するフィルムの中に食材と調理液を入れる
2.フィルム内の空気を抜き、食材に合わせた温度帯で一定時間加熱調理する
3.90分以内に急速冷却し、冷凍または冷蔵保存する
4.提供時に最終調理を行う

「あと会グループ」がこの真空低温調理法という技術を知ることになったのは、2001年4月のこと。先進的な調理システムを導入していた秋田県にある在宅複合型福祉施設にて、真空低温調理法をはじめとする調理技術を見学する機会を得たのだそう。このとき、画期的な最新技術を目の当たりにした「あと会グループ」の管理栄養士の方は、「これこそ21世紀の調理法!と、体が震えるほど感動した」といいます。

真空包装器実演研修の様子

その2週間後には、真空低温調理法を導入すべく動き出したそう。技術を導入する際は、真空低温調理法の先駆者である谷孝之氏から直々に実技指導を受け、調理技術を習得すると共に、真空低温調理法の理論を学ぶ機会を設けて調理スタッフの育成を進めたそうです。

真空低温調理法の理論を学ぶ研修の様子

スタッフの育成と同時に、真空低温調理法を可能にするための厨房の大幅な改装工事も実施し、2001年12月より真空低温調理法を用いた介護食の提供をスタート。新厨房オープンの祝賀会では、真空低温調理法で作ったローストビーフがふるまわれたそう。

祝賀会でふるまわれたローストビーフ

軟らかく食べやすいだけでなく、従来の施設で提供する食事とは一線を画す美しい見た目と美味しさは、利用者さんからも大変好評だったといいます。

「真空低温調理法」の6つの魅力

仕込みの様子

真空低温調理法を導入したことによるメリットをまとめました。

1.活性酸素の発生が少ない
2.薄味調理が可能
3.盛り付け時間が確保できる
4.レシピ化により、いつも変わらない「くにくさの味」を提供できる
5.食材の形を崩さず軟らかく仕上げられる
6.コストダウン

真空低温調理法では、酸素が少ない状態で加熱調理を行うため、老化を促進するといわれる活性酸素の発生が少ないことが特徴です。また、真空状態にすることで食材に含まれていた空気が抜け、その空間に調味液が浸透するため、通常の1/2~1/3程度の調味液で味付けすることができます。つまり、塩分や糖分の摂取を極力抑えられるため、生活習慣病の予防食にもなるのです。そのうえ、食材の形を崩さずに軟らかく調理できるので、高齢者が安心して食べられるメニューが増えたことは、介護事業所にとってこれ以上ない大きな魅力といえるでしょう。

さらに、計画的に調理し保存しておけることとレシピ化の確立により、盛り付け時間の確保や味の安定化が叶います。

また、計画的に厨房を運営することにより、施設のイベントにおいて、業務を事前に分散できるので、イベントに応じた特別な料理も提供することができます。

バイキングの様子

真空低温調理法は、食事を提供する施設にとって魅力満載の技術なのです。

利用者さんにとっての「真空低温調理法」のメリット

真空低温調理法で調理をした食事は、軟らかく食べやすい形態のため、利用者さんの摂取量も多くなったそうです。また、栄養分を壊すことなく調理できるためか、血液検査の結果が良好な方も多いといいます。利用者さんのご家族や施設訪問者からは、

  • 利用者さんの肌がつるつるして、きれいになったね!
  • 若返ったね
  • 爪や肌の色が良いね

といった声もあるそう。

「あと会グループ」総料理長 新フード開発プロジェクトスーパーバイザー 佐藤俊郎氏

真空低温調理法の導入に携わった、「あと会グループ」で総料理長を務める佐藤俊郎氏に、真空低温調理法について聞きました。

佐藤総料理長「あと会では、介護食を超える介護食を目指し、活性酸素や細菌類が発生しにくく、ビタミン・ミネラルなどの人の体に必要な栄養素が壊れにくい調理法でもある、真空低温調理法を導入しています。レシピを確立し、スタッフ育成にも力を入れたことにより、今では誰もが『くにくさの味』を作れるようになりました」

「あと会グループ」では、「健康に生きるためには、食は何よりも重要である」という信念のもと、“従来の施設で提供する食事を超える食事”を目指し、真空低温調理法で安心・美味しい・食べやすい食事を提供しています。

【求人情報】「あと会グループ」で利用者さんに喜びと感動を!

【住】【ケア】だけでなく、【食】によっても利用者さんへやすらぎ・喜び・豊かさを提供できることが「あと会グループ」で働く魅力です。実際に働くスタッフさんの声を聞いてみましょう。

「あと会グループ」で活躍するスタッフさんインタビュー

実際に勤務するスタッフさんへ、「あと会グループ」の【食】への取り組みについての感想を伺いました。

特別養護老人ホーム くにくさ苑 介護職員Hさん

Hさん「食事は、人間にとって一番の楽しみですよね。私は以前、食品メーカーに勤めていたこともあり、食事には興味がありました。あと会への入社を決めたのは、食事への情熱を感じたことがきっかけです。食に対して情熱のある職員も多く、刺激になります」

老人保健施設りは・くにくさ 介護職員Kさん

Kさん「ご利用者さんが食事を『美味しい』と笑顔で召し上がっている姿を見られることが、仕事のやりがいになっています」

「あと会グループ」の食へのこだわりは、入社のきっかけになったり、仕事へのやりがいにつながったりと、スタッフの心をも動かしているようです。

【求人】現在の採用職種はこちらをチェック!

「あと会グループ」では、新卒・中途いずれも各職種を募集しています。募集中の職種は、利用者さんの食事の提供に直接関わる介護職員をはじめ、社会福祉士や看護職員などさまざまです。

募集している職種は時期やエリア、施設によって異なります。詳細は「あと会グループ採用サイト」をチェックしてください。

「あと会グループ」の求人情報はこちら

利用者さんへ食べることの幸せと喜びを提供し続ける「あと会グループ」

真空低温調理法という先進的な技術を厨房に取り入れ、従来の介護食のイメージを刷新した「あと会グループ」。この【食】への熱意と行動力から、利用者さんの食べる喜びを第一に考える理念が伺えます。住環境やケア方法だけでなく、食を通じて利用者さんに貢献できる「あと会グループ」で、あなたも一緒に働いてみませんか?

次回は、「あと会グループ」が導入するもう一つの食品加工技術、「凍結含浸法」についてご紹介します。

【医療法人社団あと会グループ本部】

所在地広島市安芸区阿戸町418-1
電話番号082-856-0222(代表)
公式サイトhttps://www.kunikusa.or.jp/
公式Instagram@atokai_saiyo(あと会 採用担当)
@atokai_eiyo (あと会 食事関連)
この記事をシェアする