准看護師の資格の取り方や費用感は?働きながら資格取得を目指そう
今回は准看護師の資格について、看護師との違いや資格取得の方法までを解説します。准看護師は、介護現場でも必要とされる場合が多い資格です。介護職においての自分の仕事の幅を広げるために資格を取得したいという方は、准看護師の資格がおすすめ。働きながら資格取得を目指しやすいのが特徴です。准看護師の資格取得に関しての知識を発信しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【簡単に解説】准看護師の仕事内容とは?
准看護師の仕事内容は、正看護師と違いがありません。
具体的には、血圧や体温、脈拍の測定・点滴や注射・採血・食事や排せつ、入浴の介助など。さらに入院患者さんの体位変換・夜勤での巡回・カルテの記載・手術や診察の補助など、看護師と同じようなシフト体制で病院に勤めることが可能です。
介護の現場で准看護師は必要?
介護現場では、看護師または准看護師の配置基準が設けられています。そのため、准看護師も看護師と同じように介護現場でのニーズが高いのが特徴です。介護福祉士とは違って、医療行為が行える点でも求められる人材といえます。
厚生労働省の「平成 30 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2018年の准看護師の人数は約30万人います。そのうちの約8万5,000人が、訪問看護ステーションや社会福祉施設、介護保険施設等の介護現場で活躍中です。介護の現場での准看護師の需要の高さを鑑みて、介護施設ですでに働いている方でも、資格取得を目指す方が多くいます。
介護現場での准看護師の仕事内容は?
介護現場での准看護師の主な仕事内容は、利用者さんの健康管理・バイタルチェック・看護記録・服薬管理など。介護福祉士が、利用者さんの生活面に対する機能向上のサポートを行うのに対して、准看護師の立ち位置は健康面のサポートをします。介護現場には、医師の常勤はない場合が多く、准看護師が利用者さんの健康面での不安や気づきを医師に報告する必要があるため、健康管理を徹底して行うことが必要です。
准看護師と看護師の違いは?介護現場における准看護師の立ち位置
看護師と准看護師はそれぞれ、看護師が国家資格、准看護師が都道府県知事発行の免許という違いがあります。准看護師は都道府県知事発行の免許ですが、資格を取得した都道府県以外でも働くことが可能です。また、看護師と准看護師の仕事内容に違いはありませんが、准看護師は「医師や歯科医、看護師からの指示のもとで業務を行う」という点が異なります。准看護師は自らの判断での医療行為はできないということです。
介護現場における人員配置の基準は、「看護師または准看護師」とされているケースが多く、看護師と准看護師の給与にも大きな差がない点が嬉しいポイントです。
さらに、看護師は夜勤が多い病院での勤務を想像しますが、介護現場では、デイサービスのように日勤が中心の施設も多くあります。そのため、産休や育休からの復帰後も、子育てをしながら働きやすいのが特徴です。
働きながらの准看護師資格の取り方について|通学と通信どちらも可能?
准看護師資格の取得に年齢制限はありませんが、全日制または、半日制の准看護師養成所への通学が必須になります。残念ながら通信での取得はできません。
准看護師養成所の主な通学スタイルは次の通りです。働きながら試験合格を目指して勉強するには、どれくらいの学習時間が必要なのか、どのような勉強方法が適しているのかも確認してみましょう。
全日制
全日制は基本的に朝から夕方までの授業、週3~5日の通学日数が養成所により設定されていて、通学期間は2年間。2年目には病院での看護実習があります。通学日以外は働きながら資格取得を目指している方も多いです。
半日制
半日制の場合は平日の週5日で、午後・夜間の授業が多い傾向にあります。通学期間は全日制と同じく2年間で、2年目には看護実習も行うのが一般的です。通学前の午前~夕方にかけて働きながら通学することができます。
勉強法や学習時間
養成所での履修時間は、1,890時間です。そのうち看護実習が735時間あり、2年目は実習の割合が多くなります。そのため、試験対策として自宅学習もしっかり行う必要があるでしょう。働きながらの自己学習は、過去問を解いたり、基礎知識を何度も復習したりすることがおすすめです。要点をしっかりと頭に入れるためにも、通勤時間や休憩時間に参考書やアプリを活用して学習すると良いでしょう。
准看護師試験の合格率や難易度は?
「准看護師は、看護師と仕事内容が変わらない」と聞くと、試験が難しそうだなと思いませんか?そこで、合格率や難易度をチェックしてみましょう。
合格率
厚生労働省の「令和2年度准看護師試験の実施状況」によると、約1万5,200人が受験し、1万5,000人もの人が合格しています。その割合は99%と高い合格率です。
難易度
合格率の高さからわかるように、難易度はそれほど高いものではありません。養成所できちんと授業を受け看護実習をクリアし、基本的な知識をしっかりと身につけてから試験に挑めば合格へと進むことができるでしょう。
准看護師養成所の通学費用は?補助金制度はある?
准看護師養成所の2年間の通学費用は、約100~200万円です。これは、養成所の形態によって異なりますが、入学金や実習費用などを含めた金額となります。さらに働きながら資格取得を目指すのにぴったりな補助金制度も用意されているので安心です。補助金制度について、詳しくご紹介しましょう。
病院付属の准看護師養成所の奨学金
卒業後、付属の病院に勤務することを条件として奨学金を受けることができる制度です。病院によっては、卒業後の勤務に関する条件が設定されていない場合もあります。
自治体の奨学金
毎月の授業料程度の支給があるのが特徴で、多くの方が利用している奨学金制度です。卒業後に指定の病院で一定期間勤務すると、返済が免除されるケースがあります。
病院による学生支援
多くの病院で用意されている福利厚生のような制度です。病院で看護助手として働きながら、准看護師養成所に通うことができます。卒業後の就職がほぼ約束される場合が多く、働きながら取得を目指す方にぴったりです。
准看護師試験の内容や日程について
准看護師の資格取得を考えている方にとって、試験内容は気になるポイントでしょう。さらに、受験会場や日程なども確認しておけば、今後の資格取得の計画に役立つのでぜひ参考にしてみてください。
試験内容
試験内容は、以下の14科目から150問の出題です。
- 人体の仕組みと働き
- 食生活と栄養
- 薬物と看護
- 疾病の成り立ち
- 感染と予防
- 看護と倫理
- 患者の心理
- 保健医療福祉の仕組み
- 看護と法律
- 基礎看護
- 成人看護
- 老年看護
- 母子看護
- 精神看護
准看護師の試験内容は、基礎的な部分の出題が中心となっています。
受験会場と試験日程
受験会場は全国47都道府県に設置されます。試験会場として使用される施設は、各地域の大学キャンパス内やホテルなどです。試験を受けるための提出書類は、准看護師養成所からの配布・インターネット・郵送での請求で手に入れることができます。各都道府県によって異なりますが、2月の中旬頃に試験が行われる場合が多いようです。
働きながらの資格取得が目指せる准看護師
病院だけではなく、介護現場での需要が高い准看護師。働きながら資格を取得したい方のための補助制度や通学体制が整っているので、おすすめの資格です。さらに、介護現場では家庭と両立しながら働きやすい点もメリットと言えますね。介護の現場で、自分のできる業務を増やしたい方や、医療行為を通して利用者さんの役に立ちたいと望む方はぜひ検討してみてください。