認知症予防レクインストラクターとは?資格取得のメリットや受講方法

介護・福祉施設で行うレクリエーションは、利用者さんに楽しんでもらえる時間の1つです。しかし、これらの施設で働く方の中には、レクリエーションの企画や運営が苦手…と感じている場合もあるのではないでしょうか。こうした背景から、レクリエーションを体系的に学べる資格は少しずつ増えてきています。そこでこの記事では、そんなレク系資格の1つである「認知症予防レクインストラクター」についてくわしく見ていきましょう。

【簡単に解説】認知症予防レクインストラクターとは?

認知症予防レクインストラクターとは、認知症の予防や進行を遅らせるレクリエーションが行えることを証明する民間資格です。この資格を取得すると、高齢者の心と体の変化や認知症の基本的な知識をはじめ、認知症予防レクリエーションの企画・実践力を身に付けられます。認定を行っているのは、一般財団法人日本能力開発推進協会です。同協会は、介護や福祉、医療などに携わる方の技能や社会的地位の向上を目指すことを目的に資格認定事業を行っています。

介護現場で働く方はすでに感じていることと思いますが、高齢化が進む日本において、認知症の増加を防ぐ取り組みは重要な課題の1つです。厚生労働省の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)によると、2025年に認知症患者数は約700万人に達すると推定されています。これらを背景に、認知症予防レクインストラクターなど、認知症を予防するプロフェッショナルは今後ますます求められるでしょう。

認知症予防レクインストラクターになるには?

認知症予防レクインストラクターになるにはまず、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定するl[/btp_line]「介護レクインストラクター」の資格を取得[/btp_line]する必要があります。次に、同協会が開催する認知症予防レクインストラクターの全カリキュラムを修了し、認定試験を受けましょう。なお、認定試験は在宅にて受験できます。

注意点としては前述のとおり、介護レクインストラクターの資格がないと、認知症予防レクインストラクターにはなれないということです。しかし、この2つを同時に取得できる講座があるため、介護レクインストラクターの資格がない場合はこちらを活用するとスムーズでしょう。

認知症予防レクインストラクターが提供できる内容とは?

認知症予防レクインストラクターのカリキュラムでは、介護レクリエーションの企画や運営方法が体系的に学べます。レクリエーションのアレンジ方法や利用者さんへの声かけについても学べるため、レク業務が行いやすくなるでしょう。また、次のようなレクリエーションの実施方法も身に付くため、提供できる内容の幅も広がります。

認知症予防レクリエーション

資格を取得すると、認知症の発症を防いだり遅らせたりすることを目的とした、認知症予防レクリエーションが提供できます。高齢者の心身の変化や認知症に対する専門知識も習得しているため、より質の高いレクリエーションが提案できるでしょう。認知症予防の取り組みは、介護・福祉施設はもちろん、自治体でも重視しているところが増えています。そのため、地域によっては資格取得者の活動の幅を広げていくことにもつながりやすいでしょう。

軽度・中等度認知症のリハビリレクリエーション

すでに軽度~中等度の認知症を発症している方の進行を遅らせることを目的とした、リハビリレクリエーションも提供できます。認知症の方向けのレクリエーションは、一人ひとりの興味に合った活動や自信の持てる難易度設定をするなど、工夫する点も多いことが特徴です。資格を取得すると、これらの知識や実施方法も身に付くため、認知症の方のレクリエーションにも自信をもって臨みやすいでしょう。

片麻痺リハビリレクリエーション

脳梗塞の後遺症としても起こりやすい、片麻痺(へんまひ)や半身麻痺のリハビリレクリエーションも提供できます。こちらは、介護レクインストラクターの資格取得の際に身に付けられる内容です。実際に片麻痺の利用者さんの介護をされている方はイメージがつきやすいと思いますが、症状の軽減には早い段階からのリハビリが重視されています。レクリエーションはこれらの疾患のリハビリとしても有益なため、理解を深めておくと重宝されるでしょう。

認知症予防レクインストラクターはどういった施設で活躍できる?

認知症予防レクインストラクターの活躍の場所は、民間会社が運営する有料老人ホームや、公的機関が運営する特別養護老人ホーム、デイケアといった通所リハビリテーション施設などがあります。また、認知症予防に力を入れる自治体が主催する、啓もう活動などにも参画できるでしょう。

認知症予防レクインストラクター取得で待遇は変わる?

介護職の求人の中には、レクリエーション資格をもっている方を優遇したいと考える施設もあります。こうした施設であれば、認知症予防レクインストラクターの資格を取得していることが有利になるでしょう。また、資格取得に実務経験を問わないため、これから介護職に就きたい方でもチャレンジできます。別業界からの転職を検討している方は、チェックしておきたい資格の1つです。

認知症予防レクインストラクター講座の受講方法

認知症予防レクインストラクターの講座は、一般財団法人日本能力開発推進協会の認定教育機関にて受講ができます。受講を希望する方は、同協会の公式ホームページから認定講座について確認しましょう。協会がおすすめする講座の1つには、通信教育で学べる教育機関もあります。こちらを上手く活用すれば、仕事や家事と両立しながら資格取得を目指したい方でも無理なく続けやすいでしょう。

なお、教育機関で全カリキュラムを修了した後、一般財団法人日本能力開発推進協会の公式ホームページから検定試験の申し込みが必要です。「認定教育機関でのカリキュラム修了確認」「検定試験申込」「受験料5,600円(税込)」の3つが確認できると、試験問題が発送されます。得点率70%以上が合格基準で、合否結果は約1ヶ月後に送付されますが、万が一不合格でも何度でもチャレンジ可能です。

認知症予防レクインストラクターを取得して専門性を高めよう!

認知症予防レクインストラクターは、認知症に対する知識をもちながら、質の高いレクリエーションを提供できる存在です。介護レクインストラクターの資格取得が前提ですが、W取得が可能な講座もあるため、取得を目指す方は活用しましょう。また、未経験でも資格取得にチャレンジできるため、これから介護職に就きたい方も取得してみてはいかがでしょうか。

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