歩行介助のためのアイテムについて解説!選び方や注意点とは?

歩行介助とは、自分の足で歩くのが困難な方を支えることです。加齢により身体機能が徐々に衰えると、介助が必要なケースも増えるため、介護施設では歩行介助を行うことも多々あるでしょう。歩行介助には、寄り添いや手引きなど介護スタッフが行う場合や、杖や歩行器など歩行補助具を使用する場合などいろいろな方法があります。ここでは、歩行介助のためのアイテムについて解説。介護スタッフの方はぜひ参考にして現場で活かしてください。

歩行介助のアイテムとは?

歩行介助のためのサポート器具には、さまざまな種類のものがあり、機能も異なるため、利用する方に合ったものを選ぶことが重要です。まずは、それぞれのアイテムについてみていきましょう。

杖は、歩く際のバランスを補い、安定感をプラスしてくれます。自立して歩けるけれど、外出時など長時間歩く際に不安を感じる方に向いているアイテムです。杖には、一本杖の他に、先が複数に分かれてより安定感のある多点杖があります。
杖を選ぶ際に重要なのは、杖の長さです。真っすぐ立ち、腕を垂直に下げたときの手首くらいの長さ、あるいは肘の屈曲が30度ほどにある長さがベストとされています。最適な高さでない杖を使用すると、予期せぬケガにつながる可能性も。杖を選ぶ際には、利用者さんに合った長さに調整することが大切です。

シルバーカー

シルバーカーとは、座ったり荷物を入れたりできる手押し車のこと。ハンドルを握り押しながら歩けるため、安定した姿勢がとりやすく、杖での歩行に不安がある方や、疲れた際に少し休みたいという方に向いています。荷物を入れる収納スペースがついているため、買い物の際などにも便利です。

歩行器(屋内用)

杖より安定感がある歩行器(屋内用)は、歩行が不安定で、室内を安全に移動したい方に向いているアイテムです。屋内用の歩行器には、身体状況に合わせてさまざまな種類の中から選ぶことができます。本体を持ち上げてゆっくり1歩ずつ進む「ウォーカータイプ(ピックアップ型)」は、姿勢は安定しているけれど、痛みがあって連続した歩行が難しい方向きのアイテム。キャスターつきのものもあります。
ハンドルが胸の高さまで調節でき、肘を置いて使用する「前腕支持タイプ」は、握力が弱い方、手首に痛みがある方も使用しやすい歩行器です。おぼんやトレイなどがついているタイプも。

歩行器(外出用)

外出用の歩行器は、シルバーカーより安定感があり、支えがなければ歩行が困難な方に向いています。買い物かごを本体の上に乗せることが可能なタイプは買い物の際に便利です。軽くて折りたたみ可能なタイプ、スピード調整ができ転倒リスクを軽減してくれるタイプなど、使用用途に合わせて選択可能となっています。

アイテムの選び方のコツは?

歩行介助のためのアイテム選びは、身体状態に合わせて適切なものを選ぶことがもっとも重要です。合っていないものを使用していると、症状が悪化したり、転倒などの事故につながったりする可能性もあります。
選ぶ際には、利用する場所や目的を明確にし、体格に合ったサイズのものを選びましょう。

介助の際の立ち位置は?注意すべき点は?

介助者の基本の立ち位置は、歩行介助を必要とする方の斜め後ろです。右利きの方を介助する場合には左側、麻痺がある方の介助は麻痺のある側、杖を使用する方の場合は、杖を持っていない側に立つようにしましょう。

歩行は重心移動を繰り返しながら進みます。介助する場合には、相手の動きに合わせて「イチ、ニ、イチ、ニ」と同じ動きになるよう意識しながら、一緒に進むとスムーズにいくでしょう。

歩行介助を行う際には、介助者のポジションが重要です。サポートするために密着しすぎると、重心移動を妨げ、かえって歩行しづらくなってしまうことも。相手の動きを妨げず、何があっても対応できる範囲で介助するよう心がけましょう。歩くペースが介助者主体にならないよう注意することも大切です。

歩行介助アイテムを活用し、適切な介護を行おう

足腰は、うまく歩けないからといって使わなければ、どんどん機能が低下してしまいます。機能低下を防ぐためにも、歩行支援用具などを使って歩行介助を行うことはとても重要なことです。介護スタッフは、利用者さんの歩行状態をしっかりチェックしながら、最適なアイテムを用いて、安全・安心な歩行介助を心がけましょう。

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