介護事務管理士とはどんな資格?取得のメリットや合格率も紹介
介護事務管理士という資格をご存知ですか?介護の現場にはさまざまな資格が存在しますが、介護事務管理士は主に、介護の事務部門での勤務を考えている方におすすめの資格です。資格を取得することで、自身のスキルアップにもつながるでしょう。そこで今回は、介護事務管理士の概要や資格取得のメリット、受験資格、合格率などを詳しく解説します。
目次
【簡単に解説】介護事務管理士とはどんな資格?
介護事務管理士とは、技能認定振興協会(JSMA)が認定する介護事務の資格。介護事務管理士の主な仕事内容は以下の通りです。
- 介護報酬請求業務
- ケアマネジャーのサポート
- 施設の受付業務
- 勤怠管理 など
介護サービスを行った場合、介護報酬の計算や請求書の作成を行わなければなりません。専門的な知識が必要なため、介護事務管理士の資格を持っているとスムーズに業務をこなせるでしょう。
また、施設の窓口業務を担うケースもあるため、施設利用者さんやその家族からの問い合わせへの対応やケアマネジャーの業務のサポートを引き受けることもあります。正確にケアプランを理解するための知識とスキルも必要です。
この他にも各事業者とスタッフの連絡調整や書類のとりまとめなど、一般的な事務作業を行ったり、スタッフの勤怠管理をしたりすることもあります。
介護事務管理士は医療報酬明細を作成するスキルも備えているため、介護現場だけではなく、民間のクリニックや国保連合会、損害保険会社などでも活かせる資格と言えるでしょう。
介護事務管理士の資格を取得するメリット
次に、介護事務管理士の資格を取得するメリットについて紹介します。主なメリットは以下の4つです。
将来性の高い資格
内閣府が発表した「令和2年版高齢社会白書」によると、2019年10月時点での高齢化率は28.4%。少子化も加速しているため、今後高齢化率の上昇に拍車がかかることが予測されています。
介護施設などの高齢者に関わる施設が新設されることが考えられ、さらに少子化で労働力不足になる可能性を含めると、介護事務管理士の活躍の場は増えていくでしょう。
介護事務管理士は介護事務現場のエキスパートです。施設内の仕事や経営を円滑に進めようと思えば、介護事務管理士は必要不可欠な存在と言えます。
また、介護保険の法改正が行われることも考慮して知識向上に努めることも大切です。
どこでも働きやすい
介護事務管理士の資格を持っていれば、全国の介護施設やクリニック、保険請求審査機関で働くことができるため、家族の転勤などがあっても仕事がしやすいとい言えます。
勤務地だけでなく、希望に合った勤務スタイルを選びやすいのも特徴です。たとえば、事務の仕事だけではなく、「利用者さんと直接関わる仕事もしたい」と思っている方は、介護実務を一緒に行うこともできます。介護スタッフの人数が少なく、事務との兼務ができる方を探しているような施設で重宝されるでしょう。
就職や転職に有利
介護事務管理士の資格を持っていれば自身のスキルを証明できるため、就職や転職・再就職で有利になることが考えられます。持っていて損はない資格と言えるでしょう。介護事務管理士資格があることで、給料に違いが出ることもあるかもしれません。
自身のスキルアップにつながる
介護事務管理士の仕事内容は、資格がなくてもできます。しかし、介護事務管理士の資格を取得すれば、より専門的な知識を学ぶことができ、自身のスキルアップにつながるでしょう。
介護保険にまつわる知識を持っていれば、将来自分や家族が介護保険を利用する際にも役立つはずです。
介護事務管理士の受験資格や試験の内容は?
介護事務管理士の受験資格は特に設定されていません。年齢制限もないため、誰でも受験できます[/btp_line]。
技能認定振興協会では従来一般会場での受験を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、在宅で受験できる在宅受験を実施中です。
試験日は、奇数月の第4土曜日翌日(日曜日)。試験は、テキストや資料を使って解答可能です。出題形式には学科と実技があり、詳細は以下の通りとなります。
<学科>
- マークシート形式10問(択一式)
- 共通問題と選択問題がある
<実技>
- レセプト点検問題で全6問中2問を選択
特定の契約団体の受験では、別の出題形式となります。特定の契約団体受験を行う方は、契約団体にお問い合わせください。
出題内容に関しては、以下の通りです。
- 介護給付費明細書作成に必要な知識(居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス)
- 法規(介護保険制度、介護報酬の請求に関する知識)
- 介護請求事務(介護給付費単位数の算定、介護給付費明細書の作成、介護用語についての知識)
技能認定振興協会では、合格の秘訣を「問題文をしっかり読むこと」と紹介しています。選択問題があるため、自分が得意とする分野を集中的に勉強するのも合格への近道と言えるでしょう。
介護事務管理士資格の合格率や難易度は?
最後に、介護事務管理士資格の合格基準や合格率、難易度について紹介しましょう。合格基準の点数は、学科試験と実技試験ともに60%以上の得点で、全問題の得点の合計が約80%以上に達することで合格となります。
技能認定振興協会が発表している介護事務管理士の合格率は約70%。難易度はそれほど高くなく、これから介護業界で働くことを目指している方でも勉強しやすい資格と言えます。
株式会社ソラストの通信教育講座を利用したり、独学で資格取得を目指したりする方もいます。ただし通信教育の場合は、介護事務が学べる講座であっても、「介護事務管理士以外」の資格取得となる場合もあるため、受講前によく確認しましょう。
試験問題集は、技能認定振興協会ホームページにリンクがあり、そちらから購入することも可能です。
https://www.ginou.co.jp/qualifications/kaigo-jimu.html
介護事務管理士を取得して介護事務のスペシャリストに
介護事務管理士を取得すれば、自分に自信が持てるだけでなく即戦力として活躍できます。介護事務管理士は、介護や医療現場での求人も多いため、希望する職場で働きやすくなるはず。興味のある方は、ぜひ過去問などもチェックして、介護事務管理士の勉強を始めてみてくださいね。