【介護スタッフ向け】寝たきりの方も楽しめるレクリエーション14選
気晴らしや癒しになるレクリエーション。利用者さんの認知能力や身体機能に良い影響を与えられるため、多くの介護施設で取り入れられています。楽しみながら脳や身体を活性化させることができるレクリエーションは、要介護状態の方も楽しむことが可能です。この記事では、寝たきりの方でも楽しめるレクリエーションを11例ピックアップ。介護度の高い方も楽しめるよう、ベッド上でできるものをメインにご紹介します。寝たきりの方でも楽しめるレクリエーションをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
要介護4~5の利用者さんを想定したレクリエーション
今回ご紹介するレクリエーションは、寝たきりに該当する要介護4~5の方に適しています。そのため、要介護3以上の方を受け入れている特別養護老人ホームや、要介護5の方まで受け入れている介護施設での導入がおすすめです。要介護5まで受け入れている介護施設は、介護老人保健施設・介護医療院・ケアハウス(介護型)・介護付き有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームなどが挙げられます。
それでは、おすすめのレクリエーションを紹介していきましょう。
おすすめ1:カラオケ大会
カラオケは、寝たきりであっても会話ができる方であれば参加できるレクリエーションです。要介護度の高い方は寝たままでもOK。ハッキリと話すことができない方は鼻歌での参加も可能です。DVDやCDを活用すれば、より本格的になります。懐かしい歌を歌って青春時代を回想すれば、その後の会話も盛り上がることでしょう。
おすすめ2:アロマセラピー
ディフューザーなどを準備し、アロマオイルの香りを楽しむレクリエーションです。好みの香りを選んでもらい、マッサージオイルに数滴混ぜて手足をマッサージするというレクリエーションもおすすめ。香りによる脳への刺激は、認知機能の低下を予防する効果も期待できると言われています。ベッド上でできるレクリエーションのため、要介護5の方でも無理なく楽しんでいただけるでしょう。
おすすめ3:歌や曲に合わせた手遊び
身体は動かせなくても手が動かせる方なら、手遊びのレクリエーションはいかがでしょうか。手を動かす作業は脳を活性化させます。歌や曲に合わせて左右の手指を交互に動かす体操が効果的です。YouTubeなどに歌や曲に合わせた手遊び動画が多数紹介されているので、ぜひ検索してみてください。
おすすめ4:楽器の演奏
楽器の演奏は、片手だけ動かせる方も参加できるレクリエーションです。鈴やタンバリン、ベルなど、音が出やすく軽いものがおすすめ。握る力がなくても、バンドなどで固定すれば少し振るだけで音を出すことができます。利用者さんの年代を考慮した曲を選んで、介護スタッフも一緒に演奏をして楽しみましょう。
おすすめ5:手足の体操
音楽に合わせて行う体操もおすすめです。YouTubeには、歌手・千昌夫さんの「北国の春」など、高齢者に人気の高い楽曲に合わせた体操の動画が数多くアップされています。高齢者の方にも認知されている名曲のため、口ずさみながら楽しめる体操です。上半身だけでもできるため、ベッド上でギャッジアップ保持が可能な方、短時間でも車椅子に座れる方にも楽しんでいただけます。
おすすめ6:手品や楽器の演奏などの催し物
手足が動かせない寝たきりの方も、見るだけ、聴くだけといった催し物なら問題なく参加できます。手品や楽器の演奏、歌など、地域との交流イベントとして取り入れられることも多く、歌や演奏、ダンスなどを高齢者施設で披露しているボランティアの方々もいます。施設での生活は刺激が少なくなりがちなため、喜ばれるレクリエーションのひとつです。
おすすめ7:ネイルケア
女性の高齢者に喜ばれるレクリエーションにネイルケアがあります。何歳になっても女性はおしゃれをしたいもの。爪をキレイにするだけで、心が明るくなります。また、高齢者は巻き爪や肥厚爪といったトラブルを抱えている方も多く、定期的なネイルケアはとても大切です。ネイルケア関連の資格を保有している方は、ぜひレクリエーションに取り入れてみてください。
おすすめ8:アニマルセラピー
動物アレルギーの利用者さんがいない場合は、アニマルセラピーのレクリエーションもおすすめです。トラブルを避けるため、しつけされた動物を管理している外部の団体に依頼すると良いでしょう。介護スタッフが抱きかかえることで、寝たきりの方でも動物とのふれあいが可能です。愛らしい動物とのふれあいは、心の癒しになります。特に自宅で動物を飼っていたという利用者さんには、非常に喜ばれるレクリエーションです。
おすすめ9:会話
日常に取り入れることができるレクリエーションに会話があります。「レクリエーションになるの?」と思う方も多いかもしれませんが、忙しい介護の現場では、利用者さんと向き合って話す時間を作ることはなかなか難しいものです。ゆっくりと向き合う時間を作ることで、反応が少ない利用者さんの変化に気づくきっかけになることも。隙間時間ができたときは、寝たきりの利用者さんと会話をするというレクリエーションを行ってみてはいかがでしょうか。
おすすめ10:タクティールケア
スウェーデン発祥のタッチケアを「タクティールケア」といいます。タクティールとは、ラテン語を由来とする「触れる」という意味をもつ言葉。タクティールケアは相手の手や背中をやさしく包み込むように触れることで、精神的な不安の軽減や、痛みの軽減につながるとされています。場所や時間をかけずに取り入れられるレクリエーションであり、利用者さんの要介護度も関係ないため、日頃からタクティールケアを心掛けてみるのも良いかもしれません。
おすすめ11:絵本の読み聞かせ
認知症予防として取り入れられるレクリエーションに、絵本の読み聞かせがあります。ポイントは利用者さんが幼いころに読んだことのある絵本・ストーリーであること。印象に残っていることを回想すると、認知症の予防に役立つと言われています。聞いてもらうだけなので、寝たきりの方も参加しやすいレクリエーションです。読むときは、大きな声で感情を込めましょう。話せる方なら朗読してもらうのも効果的なため、促してみるのもおすすめです。
おすすめ12:映画鑑賞
映画好きの利用者さんなら、映画鑑賞もおすすめのレクリエーションです。昔好きだったり流行ったりした映画や、最近のヒット作で分かりやすい内容の作品であれば、きっと楽しんでもらえるでしょう。あらかじめ利用者さんにみたい映画を聞いておくのも良いかもしれません。ただし、高齢者の方にとって長く集中力を保つことは難しいと言われています。そのため、60~90分程度の短編映画を選ぶことがおすすめです。映画鑑賞は、感動したりやる気が出たり、好奇心が湧き出たりと、見た方の心を動かします。利用者さん同士で鑑賞後に感想を聞いたり、映画の内容について話し合ったりすることで、コミュニケーションを深めることもできるでしょう。
おすすめ13:クイズ
クイズは高齢者施設で人気のあるレクリエーションです。寝たきりの方でも参加することができ、脳の活性化や認知機能向上の効果が期待できます。さまざまな利用者さんが楽しめるように、いくつか難易度を用意しておくとよいでしょう。話すことができる利用者さんには会話をしながら答えてもらいます。会話が難しい利用者さんには○×式や選択式のクイズにして、正解だと思う方を指差ししてもらうという方法を取り入れるとよいでしょう。
おすすめ14:季節湯
季節湯とは、旬の植物をお湯に入れて季節を感じながら入浴を楽しむ方法のこと。寝たきりの利用者さんの入浴で行う寝浴でも可能です。季節湯として一般的によく知られているのが柚子湯や菖蒲湯ですが、1月は松湯、2月は大根湯、3月はよもぎ湯と、月ごとに12種類あります。それぞれ作り方や効能が異なるので、利用者さんに説明して入浴してもらうと、知識も増えてより入浴を楽しんでもらえるのではないでしょうか。施設内に寝浴の設備がない場合は、短時間でも座位が保てる方には足湯にしたり、難しい場合は手湯にしたりして、季節湯を楽しんでもらうのもおすすめです。
寝たきりの方も楽しめるレクリエーションを行おう
寝たきりの方も楽しめるレクリエーションを14例ご紹介しました。介護スタッフとして、利用者さんの日々の楽しみを考えることも大切な仕事です。施設という環境は利用者さんにとって安全な反面、刺激が少ないというデメリットもあります。ストレス発散や、気分転換になるレクリエーションを行って、利用者さんに心も身体も健康的に生活してもらいましょう。