雪の日のデイサービス送迎で考えられるリスクと安全対策

冬に気になることと言えば雪です。普段から雪が降る地域の方は、比較的雪に対する対策を理解しているでしょう。また利用者さんも雪に慣れていることから、雪道の歩き方なども注意しているはずです。しかし、雪があまり降らない地域の方の場合、介護スタッフも利用者さんも慌てふためくことに。慌てるだけならまだしも、転倒によって大ケガにつながることもあります。そこで今回は、雪の日のデイサービス送迎で考えられるリスクや安全対策について見ていきましょう。

雪の日の送迎で考えられるリスク

どういった危険があるのかがわかれば、対策につなげられます。まずは、雪の日のデイサービス送迎で考えられるリスクについて考えていきましょう。

転倒

雪の日は、雪が氷のようになって滑りやすくなります。また、雪が深いことで思うように足を動かせないケースも。こういった状況では転倒しやすくなるため注意が必要です。転んだ拍子に手をついたり、お尻を強く打ったりすることで骨折してしまうこともあります。

凍結

一見すると凍っていないようでも、実際は凍っており滑りやすくなっていることも。道路の凍結は、歩行だけでなく車の運転も気をつけなければなりません。

  • 例えば以下のような場所に注意しましょう。
  • 横断歩道やマンホール
  • 家やビルの日陰となっている場所
  • 歩道の脇
  • 歩道橋
  • バスやタクシーの乗降場所
  • 駐車場
  • 家や施設の入り口

横断歩道の白い線の部分やマンホールは滑りやすくなっています。日陰は太陽が当たりにくいため、凍結しやすいです。また、歩道の脇や歩道橋、乗降場所などは「人が歩いているので大丈夫」と感じやすいですが、実は滑りやすい場所。

氷と水が混ざったような状態だったり、溶けた水がまた凍って氷になっていたりすることがあるためです。

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積もった雪の崩落

高く積もった雪にも注意しなければなりません。降ったばかりの雪はやわらかく、ちょっとした衝撃で崩落することも。特に軒先は、屋根に積もった雪が落ちてくる可能性もあります。

送迎時の安全対策

雪のデイサービス送迎ではどういった安全対策ができるでしょうか。

介護スタッフを増員

まず考えられる方法は、介護スタッフの増員です。できれば利用者さん1人に対して介護スタッフ2人という状態にして、利用者さんの安全確保をしながら移動できると安心でしょう。

介護スタッフの増員が難しい場合は、施設内のスタッフに手伝ってもらうと良いかもしれません。

事前に除雪

基本的にはデイサービス送迎の前に除雪してから移動するとは思いますが、利用者さん宅へ迎えに行って戻ってきたらまた施設前に雪が積もっている、または凍っているということがあります。

そのため、車から降りて移動する前に再度除雪作業や点検をして、安全を確保してから利用者さんの移動を行うのもおすすめです。

スコップ携帯

雪がたくさん降る場合、あっという間に雪が積もることも。いつでも雪かきができるようにスコップを携帯しておくと良いでしょう。

利用者さんにも共有したいこと

介護スタッフだけが気をつければ安全確保できるのかというと、そうではありません。日頃から利用者さんにも共有しておきたいことがあります。ここでは、雪の日のデイサービス送迎で利用者さんにも守ってほしい注意点について見ていきましょう。

服装や靴

服装は、暖かく動きやすいもの。長靴や滑り止めなどがついた滑りにくい靴の着用を促しましょう。両手を自由にするために手袋の着用は必須です。

もし荷物がある場合には肩掛けや手で持つことはせず、リュックサックを利用するように伝えてください。

足元に気をつける場所

前述した凍結しやすい場所について共有することも大切です。凍結しやすい場所は雨の日に滑りやすい場所でもあります。しかし日頃から伝えていても、忘れてしまうことも。雪の日に送迎する前に改めて確認するなど、しっかり注意喚起しましょう。

歩き方

雪が降る、道路が凍結しているときの歩き方はペンギン歩きです。歩幅を小さく足裏全体を地面につけるイメージ。しっかり踏みしめることで滑りにくくなるでしょう。寒さから急いで向かおうとする利用者さんもいるかもしれませんが、「安全のためにゆっくり歩きましょう」と伝えてください。

どんなに対策してもし過ぎることはない

慣れない雪の日は不安なことも多いでしょう。利用者さんも介護スタッフもケガなく過ごすには、事前の対策が大切です。雪の日のデイサービス送迎を安全に行えるように、気をつける場所や雪の日の歩き方など、日頃から利用者さんや介護スタッフで共有しておきましょう。

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