【デイサービス】2024年度から利用者さんの“共同送迎”が可能に!

要介護状態の高齢者の方に、通所で食事や入浴、機能訓練などのサービスを提供する“デイサービス”。利用者さんがデイサービスに通う際は、施設側が送迎を行います。今回のテーマはデイサービスの“共同送迎”について。2024年度から、複数のデイサービスが共同で送迎業務を行うことが正式に認められました。記事内では、デイサービスの送迎業務に焦点を当て、共同送迎の詳細やサービス事例を解説していきます。

デイサービスの送迎業務をチェック

まずはデイサービスの送迎業務を掘り下げていきましょう。関連記事も参考にしてください。

業務内容は?

デイサービスの送迎業務とは、利用者さんを自宅から施設まで送迎する仕事のことを指します。身体が不自由な方やデイサービスまでの交通手段がない方など、高齢の利用者さんが安全に通うためのものです。

また、送迎に関連して以下のような業務も発生します。
・ 送迎ルートの提案、決定
・ 走行データ作成
・福祉車両の管理、清掃
・乗降時の利用者さんを介助する
・利用者さんの家族とコミュニケーションを取る
・緊急時の連絡・対応

デイサービスの送迎業務は、利用者さんの負担軽減も目的のひとつです。そのため、施設別に送迎範囲を区切り、移動距離が長くならないように設定されています。
福祉車両の運転だけでなく、利用者さんの介助やそのご家族とコミュニケーションを取ることも含まれる送迎業務。送迎後は走行データを作成したり、福祉車両を清掃したりします。

デイサービスの送迎は必須?

デイサービスの送迎に義務はありませんが、送迎を行わないと“送迎減算”が発生します。事業所の報酬が減る、介護スタッフの給与が下がる可能性があるなど、収益面にマイナスの影響が出る要素なので、デイサービスの送迎は報酬面の重要業務と言えるでしょう。

送迎業務の注意点は?

送迎業務には普通自動車第一種運転免許が必須です。送迎にバスを使う施設もあるので、中型・大型の免許が必要な場合もあります。送迎業務に利用者さんの介助が含まれることを考えると、介護資格を持っている方が重宝されるでしょう。
その他の注意点は、福祉車両の操作確認、時間に余裕を持った行動、コミュニケーションの取り方など。送迎業務をスムーズに行うために、それぞれ意識して取り組むことが大切です。

デイサービス利用者の共同送迎とは?

2024年4月から、複数のデイサービスが共同で送迎業務を外注化(委託)することが正式に認められました。これまで共同送迎が禁止されていたわけではありませんが、制度の曖昧さと、解釈や対応の仕方が自治体によって異なることへの意見が上がっており、ルールの明確化に至ったのです。
共同送迎の目的は、現状の仕組みをより効率的に、利便性の高いものへと変える“環境の整備”。送迎業務を行うドライバーの確保が難しいという現状も考慮されています。

<共同送迎のケース>

・ 他の事業所スタッフと雇用契約を結び、自身の事業所のスタッフとして送迎業務を行う
・委託契約にもとづいて送迎業務を委託する

デイサービス以外に、地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護、通所リハビリテーションなども対象サービスに含まれます。また、これらの共同送迎には送迎減算が適用されません。

共同送迎サービスの事例

共同送迎サービスの事例として、ダイハツの福祉介護・共同送迎サービス『ゴイッショ』を見てみましょう。
ゴイッショは、“効率的な送迎”と“事業所の負担軽減”を目的に、地域のデイサービス送迎を外部団体が行うサービスです。ダイハツと自治体とが連携し、デイサービスの送迎業務の課題を把握。マニュアル構築や調整面をサポートします。
複数の事業者で共同送迎を行うと、送迎計画や運行管理が複雑化するものです。しかし、ダイハツの管理システムを活用すれば、遅延やキャンセル情報の共有がスピーディーになる、常に最新の運行状況をチェックできるなど、複雑化の解消を図れます。
ダイハツ発表のデータによると、2020年に行った実証実験では送迎時間の短縮と使用車両の削減が実現したそう。また、多くの施設で業務負担の軽減を実感する結果となりました。

送迎業務の質を高めるために

共同送迎の解禁により、他のデイサービスとの同乗ができるようになりました。利用者さんの利便性を保ちつつ、事業所側の“効率化”や“負担軽減”を図れることが共同送迎のメリットです。人手不足が深刻化する介護業界では、デイサービスの送迎ドライバーも不足しているのが現状。共同送迎の事例や外部のサービス提供先が増えることで、これからのデイサービス送迎の“業務の質の向上”が期待されます。

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