寝たきりの方におすすめ!筋力低下を防ぐリハビリ方法をご紹介

介護度や医療依存度が高い寝たきりの方。自分で思うように身動きがとれない利用者さんと関わっていると、完全な寝たきりになってしまわないか心配ですよね。しかし、全身を自在に動かせなくても、気軽にできるリハビリを取り入れることは可能です。今回は、寝たきりの方にもリハビリが必要な理由と、筋力低下を防ぐ8つのリハビリ方法をご紹介しましょう。

寝たきりの方にリハビリが必要な理由は?

寝たきりの方にもリハビリが不可欠である2つの理由について解説します。

廃用症候群のリスクがある

「廃用症候群」は、体を動かさないことによって体や精神に起こる異常の総称です。異常をきたす部位は、筋肉や骨格、内分泌系や代謝、精神・神経系、循環・呼吸器系など多岐にわたります。これは、体を動かさないことでさまざまな臓器の機能低下を招くためです。臓器の機能低下によってますます体が動かしにくくなり、さらなる廃用症候群の悪影響を招きます。
病気やケガで一時的に体を動かせなくなっている方は、廃用症候群に陥る前に対策が必要です。健康な部位まで必要以上に安静を保ち続けることで、思わぬ弊害を招く可能性があるでしょう。

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サルコペニアが進行しやすい

高齢者であれば、寝たきりになることでサルコペニアが進行するリスクもあります。サルコペニアは、加齢に伴う筋力低下により、日常生活にさまざまな支障をきたしている状態のこと。歩行速度が遅くなる、杖や手すりに頼らなければいけなくなるといった状況こそサルコペニアの証です。
通常、サルコペニアは加齢に伴い罹患しますが、運動量が少ないことで早期に症状を発症しやすくなります。病気やケガをして動きにくくなったことをきっかけに体を動かす機会が減っている高齢の方には、適度な運動をおすすめしてください。

寝たきりによる筋力低下のリスクを防ぐ8つのリハビリ方法

病気やケガによって寝たきりとなっている方には、筋力低下を防ぐためのリハビリが必要です。しっかりと全身を動かすことが難しい利用者さんには、日常生活を過ごす中で少しでも負傷した部位以外の筋肉を使うように促します。
それでは、寝たきりによる筋力低下のリスクを防ぐ8つのリハビリ方法をご紹介しましょう。

マッサージ

寝たきりの方の筋力低下を防ぐ効果的なリハビリ方法の1つは、マッサージです。マッサージすることによって血行不良が起きにくくなり、新陳代謝が促されます
マッサージする際には、あらかじめ体を温めておきましょう。筋肉の緊張がほぐれた状態をつくり、動かせる部位を手でやさしくさすります。筋力低下の予防だけでなく身体機能の改善にも効果的です。

ストレッチ

寝たきりの方におすすめする、2つ目の筋力低下を防ぐリハビリ方法はストレッチです。
足を動かせる方であれば、お尻の筋肉を伸ばすストレッチを試しましょう。寝転んだ状態で片足の膝を抱えて気持ち良いと感じるところで20秒キープします。目安として左右それぞれ3回ずつ、2セット行うと良いです。
足全体を動かすことが難しい場合は、足首を伸ばすだけでも問題ありません。少しでも動かせる部位の筋肉を伸ばしましょう。

手足の筋力トレーニング

寝たきりでも手や足が動かせる方であれば、手足の筋力トレーニングも筋力低下を防ぐリハビリ方法として有効です。
手や足の指を開く動作と握る動作を繰り返す、足を上げるといった手軽にできる動きを試しましょう。それぞれ1回10セットが目安です。無理のない程度に行うことで、日常生活に必要な動作の改善につながります。

関節の曲げ伸ばし

寝たきりの状態で手や足の関節を曲げ伸ばしする運動も、筋力低下を防止するリハビリ方法の1つです。長時間同じ体勢になっている方には、定期的に手足を曲げ伸ばしして関節を動かすように促しましょう。

踏みしめ運動

寝たきりの利用者さんの中でも上半身を起こせる方には、踏みしめ運動も筋力低下を防ぐリハビリ方法としておすすめです。
足元に板や台などを設置し、その上をゆっくりと踏みます。足や足裏への刺激となるだけでなく、立ち姿勢を保つための筋肉にも効果的です。

立ち座りの運動

踏みしめ運動までできる寝たきりの利用者さんには、筋力低下を防ぐための立ち座り運動もリハビリ方法として取り入れてみましょう。
しっかりと床に足をつけた状態で立つ・座るという動作を繰り返します。ひとりで訓練するのが難しい方は、上半身や腕を支えてサポートしましょう。

歩く

寝たきりの状態が続いている利用者さんの中でも、歩ける方には少しでも歩行を促しましょう。歩くことは、日常生活を営むための筋肉の筋力低下を防ぐリハビリ方法として有効です。
歩行運動を試す際には、歩行器を使う、車いすで外へ出てみるといった方法もおすすめ。リハビリに対する意欲が湧き、リラックスした気持ちで取り組めるでしょう。

寝返りを打つ

立つ・歩くといった運動が難しい寝たきりの方には、寝返りを打つことだけでもおすすめしましょう。寝返りも筋力低下の抑止につながるリハビリ方法です。
日々過ごしていく中で、少しでも体を動かす意識を持つように促しましょう。

リハビリを行うときのポイント

寝たきりの方のリハビリを行うときに押さえておきたいポイントをチェックしておきましょう。

リハビリするための環境を整える

寝たきりの利用者さんとリハビリを行う際には、あらかじめ周囲に危険がないか十分に確認しておく必要があります。転倒したときにケガをする恐れがあるものは遠ざけておきましょう。
また、効率良くアプローチするために、介護用品を活用してみることもおすすめです。車いすや電動ベッドを用意しておくことで、外への移動や立ち座りをサポートできます。歩行運動を行う際には、手すりやスロープのある場所を選ぶと良いでしょう。
取り組むリハビリ方法に合った環境を整えておくことが大切です。

運動に対して前向きになれるようサポートする

寝たきりになっている方は、体を動かしたほうが良いと認識できていてもリハビリに対して前向きになれていないこともあります。
訓練開始前に、まずはリハビリする利用者さん自身が前向きに取り組めるような声かけを行いましょう。リハビリの目的やメリットを伝える、自由に体を動かせるようになったあとにやりたいことを尋ねてみるといった方法を試すと良いかもしれません。

寝たきりの方の健康をサポートしよう

寝たきりの方におすすめの筋力低下を防ぐリハビリ方法をご紹介しました。寝たきりの方であっても、気軽にできる運動を日々の生活に少しでも取り入れることで、廃用症候群やサルコペニアの発症リスクを軽減できます。利用者さんの状態に合わせながら、無理のない範囲でリハビリできるようサポートしましょう。

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