介護福祉士実務者研修とはどんな資格?無料で受講する方法もチェック

介護福祉士実務者研修は介護の仕事をするうえで取得を検討する方が多い資格のひとつでしょう。介護の仕事は特別な資格がなくても従事できます。しかし、より専門的な知識を得たい方や、スキルアップやステップアップを望む方は、介護職員初任者研修を経て介護福祉士実務者研修を受講するケースが多いです。この記事では、介護福祉士実務者研修の概要とともに、受講費用の相場や無料で受講する方法をご紹介していきます。

介護福祉士実務者研修とは?

介護福祉士実務者研修とは、介護職に従事するうえで必要となる実践的な技術や知識を学べる講座(研修)です。介護の知識・スキルから、社会保障制度の知識、利用者さんとのコミュニケーション技術など、幅広く知識を深めることができる内容となっています。痰吸引や経管栄養といった専門的な医療知識を学べる点もメリットです。

かつての介護職員基礎研修とホームヘルパー1級の資格は、2013年度からこの介護福祉士実務者研修へ一本化されました。国家資格である「介護福祉士」の受験資格として、介護福祉士実務者研修の修了と実務経験3年間が義務付けられています。自身のキャリアアップや介護職のエキスパートを目指している方は受講がマストです。

訪問介護事業所でサービス提供責任者を目指す場合も、介護福祉士実務者研修の修了、または介護福祉士の資格取得が必要となっています。

介護福祉士実務者研修を受ける際にかかる費用の相場は?

介護福祉士実務者研修は、スクールや通信学習の講座などを通して受講可能です。実務者研修は座学だけでなく、通学して演習に参加することなども必要となります。所定の受験科目の受講が必要ですが、保有している資格によっては免除となる科目もあるので、介護系の資格を持っている方は確認しておきましょう。

介護系の資格を保有していない方の場合は、450時間の講習受講が必要となります。介護職員初任者研修の資格保有者の場合は免除となる科目があるため、受講時間が短縮されるのが特徴です。

介護福祉士実務者研修の受講費用についても、ほかの資格の取得状況により異なります。介護系の資格をなにも保有していない場合の相場は10万円から20万円。介護職員初任者研修をすでに修了している方は5万円から15万円、ホームヘルパー1級を取得している場合は5万円から10万円が目安です。

介護福祉士実務者研修を無料で受ける方法がある

介護福祉士実務者研修の受講にはまとまった費用が必要です。そこがネックとなり、受講を迷っている方もいるかもしれません。しかし、介護福祉士実務者研修を無料で受講する方法があります。無料で受講するには4つの選択肢があるのでご紹介していきましょう。

方法1:スクールのキャンペーンを利用する

介護福祉士実務者研修は、スクールによっては受講費用が無料となるキャンペーンを実施していることがあります

たとえば、転職サイトを運営している会社が母体のスクールでは、介護福祉士実務者研修受講後に、自社の転職サイトを通して介護施設や医療系企業に就職することを条件に、無料で介護福祉士実務者研修を受けられる場合があります。

介護施設を運営している会社が母体のスクールでは、介護福祉士実務者研修修了後に自社が運営する介護施設での就労が条件ということもあります。

スクールのキャンペーンを利用する場合は、スクールが勧める転職サイトを通して就職したり、グループ企業に就職したりする必要があるケースがほとんど。必然的に求職中であることが条件のひとつとなります。

方法2:自治体などが実施する助成金制度を活用する

自治体が行っている、介護福祉士実務者研修の受講費用助成制度を活用する方法です。たとえば広島県には「広島県介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業」というものがあります。

この制度は、介護職員として実際に働きながら,介護福祉士実務者研修施設に在学している方が対象です。受講資金について20万円を限度に貸し付けており、実務者研修施設を卒業したのちに介護福祉士の資格を取得し、広島県において返還免除対象業務に2年間以上従事すると全額返還免除となります。

広島県には「広島市訪問系サービス事業所介護従事者等資格取得支援事業」もあり、上限7万円として、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の受講費用が補助される制度です。

こういった制度では、自治体が設定する条件をクリアすることで助成金制度を利用できます。助成金制度を受けるための条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域で確認することが必要です。

方法3:ハローワークの制度を利用する

求職中の場合は、ハローワークの制度を利用する方法もあります。雇用保険の受給資格がある場合は公共職業訓練、雇用保険受給資格がない場合は求職者支援制度が適用となるので覚えておくと良いでしょう。

公共職業訓練の対象となる方は、介護福祉士実務者研修を無料で受講できます。求職者支援制度の対象となる方は、介護福祉士実務者研修を無料で受講することと、一定要件を満たせば訓練期間中に職業訓練受講給付金の支給を受けることが可能です。職業訓練受講給付金は月10万円となっています。

たとえば、ベネッセスタイルケアの介護福祉士実務者研修(通信形式)は教育訓練給付金支給の対象講座のため、条件を満たせば給付金を受けながら受講が可能です。

こういった制度の利用についての詳細は、最寄りのハローワークへ問い合わせてご確認ください。

方法4:自分が働いている施設や法人の補助制度を活用する
介護施設や事業所によっては、介護福祉士実務者研修が無料で受講できるよう制度を整えているケースもあります。働きながら資格の取得を目指している方は、まずは職場に相談してみると良いでしょう。

介護福祉士実務者研修で確実にキャリアアップを

介護福祉士実務者研修は、介護福祉士のキャリアパスにもなっている介護職従事者にとって重要な講座です。受講にはまとまった費用が必要ですが、ほかの資格の取得状況により低いコストで受講できる場合もあります。また、休職中など条件を満たすと無料で受講することも可能です。紹介したケースの対象者に当てはまる方は、ぜひ無料での受講も検討してみてはいかがでしょうか。

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