介護レクリエーションの注意点とは?楽しいレクを行うためのポイント

デイサービスや老人ホームなどの介護施設で、利用者さんが日々の生活に楽しみや生きがいを持てるよう実施されているレクリエーション。レクリエーションは、娯楽としてだけでなく、心身機能の維持や向上、脳の活性化、利用者さん同士の交流などさまざまな目的を持って行われます。企画するときには、ただ楽しめる内容にするのではなく、さまざまな点に配慮することが大切です。この記事では、レクリエーションを行う上での注意点をご紹介します。

体操など体を使ったレクの注意点

体操やダンスなど体を使ったレクリエーションは、運動不足解消になるため、身体機能の維持・向上を目的に実施する介護施設も多いでしょう。体操というと立ち上がって全身を使って行うイメージがありますが、介護レクリエーションでは、車いすの方も楽しめるように、座ったままできる体操も多数あります。たくさんの方が参加できるよう、誰でも取り組めるような無理のないプログラムを組むことが重要です。

体を使ったレクリエーションの注意点は、安全面への配慮を第一に考えて実施すること。レクリエーションを行う上でもっとも大切なことは、安全な環境かどうかということです。ケガや体調の悪化があっては、安心してレクリエーションに参加できなくなってしまうため、安全への配慮は第一に考えなければいけません。特に体を使ったレクリエーションは注意が必要で、利用者さんに負担はないか、ケガにつながる可能性はないかなどを細かくチェックする必要があります。

また、体調不良や体の状態が悪いときに無理は禁物。体を使ったレクを行う際は、健康状態や身体状況によって参加できるかどうか変わってきます。利用者さんの健康状態を確認した上で実施することが大切です。

集団で行うレクリエーションの注意点は?

集団でゲームをしたり、みんなで同じものを作成したり、集団で楽しめるレクリエーションも人気があります。クイズや連想ゲームをする際にも、グループ分けすることで集団レクとして成立させることが可能です。集団で行うレクリエーションにグループで参加することはコミュニケーションのきっかけとなり、仲間づくり・社会参加も目的となります。

集団で行うレクの注意点は、参加を無理強いしないこと。利用者さん同士のコミュニケーションは重要ですが、中には集団行動が苦手な利用者さんもいらっしゃいます。得意なことや趣味など好きなことは人それぞれ。無理にレクリエーションに参加させては、利用者さんにとってストレスとなってしまう可能性もあります。レクリエーションには、心身機能の向上とともにストレス解消という目的もあるため、利用者さんの意思を大切にし、余計なストレスとならないよう配慮することが大切です。

集団が苦手な利用者さんには、個別で楽しめるパズルやトランプなどがおすすめ。介護スタッフがつくことで、コミュニケーションも取ることができます。また、集団に入れなくても、同じ空間にいるだけでもみんなと同じ雰囲気を楽しむことができるため、無理強いしない範囲でそれぞれの利用者さんに合わせた楽しみ方を模索すると良いでしょう。

アイテムを使用したレクの注意点

アイテムを使用したレクリエーションには、ペットボトルを使ったボウリング、新聞紙を丸めてカゴに入れる玉入れ、風船を使った風船バレーなどさまざまな種類があります。みんなで盛り上がることができ、座ったまま楽しめるため、実施している介護施設も多いでしょう。アイテムを用いたレクリエーションは、体や手先を使うため、認知機能や脳機能の向上やリハビリ目的で行われます。

アイテムを使用したレクリエーションの注意点は、難しいルールにしないこと。ゲームにルールは必要であり、クリアして達成感を得ることで、利用者さんのやる気につなげることも可能です。
しかし、レクリエーション本来の目的は、達成感や難問のクリアではありません。レクリエーションを通し心身の健康を維持するためには、難しいルールを設定せず誰でも楽しめる内容にすることが重要です。

歌を歌うなど、音楽に関するレクの注意点とは

歌を歌ったり、音楽を聞いたり、リズムに合わせたゲームを楽しんだり、音楽に関するレクリエーションも人気があります。音楽に関するレクリエーションは、気持ちのリフレッシュになり、不安や緊張感を解消し、ストレスの軽減に効果的です。利用者さんの中には、思うように体が動かせないことや、介護してもらうことにストレスを感じている方も少なくありません。音楽レクリエーションを通して気持ちのリフレッシュをすることで、ストレスを解消し、心身の健康を目指すこともできるでしょう。歌を歌う・聞くことは脳への刺激にもなるため、脳の活性化にもつながります。

音楽に関するレクリエーションの注意点は、選曲の際に多くの方が知っている音楽を選ぶこと。偏った選曲をすると、楽しめる方とそうでない方が出てきしてしまいます。多数の方が知っている曲を複数選ぶと良いでしょう。アンケートを取って、選曲をするのもひとつの方法として良いかもしれませんね。

外で活動するレクにおける注意点は?

気候が良いときには、介護施設の庭に出たり、可能なら施設外へ散歩に行ったりするレクリエーションを企画することもあるでしょう。介護施設から一歩出て外の空気を吸うだけでもリフレッシュになりますし、肌で季節を感じることはQOLの向上にもつながります

外で活動するレクリエーションの注意点は、利用者さんから目を離さず安全に最大の配慮をすることシミュレーションを重ね、プログラムに不備などがないか細かくチェックすることが重要です。介護施設の外で行うレクリエーションは、開放的な気持ちになり、中には気分が高揚してしまう利用者さんもいらっしゃるかもしれません。介護施設内で行う以上の気配りと安全管理を徹底した上での実施が不可欠です。

外での活動を行う際には、いつどこでどんな目的でレクリエーションを実施するのか、ご家族に向けて案内文などを出しておくと安心です。

注意点に配慮し、楽しめるレクリエーションを企画しよう

介護施設で行うレクリエーションは、利用者さんが楽しめるだけでなく、心身機能の向上や脳の活性化などさまざまな目的のために実施されています。そのためには、さまざまな注意点に気をつけながらレクリエーションを企画しなければいけません。企画するのは大変ですが、利用者さんに喜んでもらえ、レクリエーションが成功したときには大きな喜びを得られるはずです。

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