介護・医療用語「か~く」で始まる言葉をまとめて解説!

介護の現場では、体に何らかの不調があったり持病を抱えたりといった利用者さんもたくさん。利用者さんにしっかり寄り添ったサポートを提供するためにも、医療機関との連携は必須です。そんなとき、聞きなれない言葉を耳にする機会もあるかもしれません。そこで今回は、「か~く」で始まる介護・医療用語について、詳しく解説していきます。今一度理解しておきたい介護用語や覚えておきたい医療用語を、まとめて確認していきましょう。

「か」から始まる介護・医療用語一覧

まずは、「か」から始まる介護・医療用語について解説していきます。

介護アテンドサービス士(かいごあてんどさーびすし)

介護が必要とされる方に対し、食事や排泄の介助、着替えの手伝い、体位交換、移動補助などに加え、簡単なリハビリ機器を使った介護も行う仕事。厚生労働省管轄、介護労働安定センターの実施する技能試験に合格後、資格取得となります。

介護移住(かいごいじゅう)

介護のために住居を変わること。高齢者が子供や孫のもとに移住するケース、もしくは高齢者のもとに子供や孫が住居を移すケースが多いようです。

介護休業(かいごきゅうぎょう)

育児・介護休業法に基づき、要介護状態にある家族の介護を理由に、仕事を休むことができる制度のこと。一定期間、無給もしくは有給で休暇を取得し、仕事に復帰します。期間内に仕事と介護が両立できるよう体制を整えてもらうことが目的の制度です。

介護拒否(かいごきょひ)

介護が必要な状態にもかかわらず、介護を嫌がり、受け入れようとしない状態のことを指します。その理由は、認知機能の低下や羞恥心の強さ、自立心の高さ、環境や習慣の違いなどさまざまです。

介護サービス計画(かいごさーびすけいかく)

介護保険を使ったサービスを利用するために、ケアマネジャーを中心に作成される利用計画書のこと。ケアプランとも呼ばれるものです。利用者さんの状況や希望に基づき、サービスの種類や内容、時間配分、限度額を考慮して組み立てます。

介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)

介護が必要な方が介護保険サービスを受けられるよう、ケアプランを作成したり、保険や医療、福祉の各サービス事業者との調整をしたりする職業。別名、ケアマネジャーとも称されます。老人ホームや地域包括支援センターのほか、介護サービスを提供する民間企業でも活躍できる職業です。

介護付き有料老人ホーム(かいごつきゆうりょうろうじんほーむ)

24時間介護スタッフが常駐し、身の回りの世話や介助サービスを受けることができる介護施設のこと。民間企業が運営している施設が多く、費用や入居要件は施設によりさまざまです。

介護認定審査会(かいごにんていしんさかい)

要介護認定・要支援認定の審査判定業務を行う業務機関。市町村によって設置され、訪問調査とかかりつけ医、もしくは指定された医師の意見書を基に判断します。

介護保険施設(かいごほけんしせつ)

要介護認定を受けた方が利用できる居住型施設で、介護保険サービスのひとつ。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(療養病床)の3種類があります。

介護老人保健施設(かいごろうじんほけんしせつ)

病気やケガで入院し症状が安定した高齢者が、在宅復帰を目指すために入居する施設。看護や介護、機能訓練、日常生活の世話などを行う。老健という略語で呼ばれることもあります。

ガイドヘルパー

一人での外出が難しい方のサポートや介助を行う仕事。移動介護従事者とも呼ばれます。自立と積極的な社会参加の促進が目的となるため、生活に必要な外出だけでなく、買い物や旅行、コンサートなどに付き添うことも。

カテーテル

検査や治療などのため、体内に入れる柔らかく細い管。体内の貯留水の排出や薬液注入に用いられます。

カマ

下剤のこと。酸化マグネシウムの略語です。

Ca(カルチ)

上皮細胞由来の悪性腫瘍のこと。カルシノーマの略語となります。

含嗽(がんそう)

うがい、口をすすぐこと。

患側(かんそく)

麻痺や障害を持つ方の、不自由である側のこと。反対に、障害のある側は健側(けんそく)です。介護において、健側と患側を考慮しながら介助することが適切とされています。

浣腸(かんちょう)

便を出すため、肛門に薬液を入れること。腸の壁面を滑りやすくしたり、腸を刺激し動きを活発にしたりします。

カンファレンス

ケアプラン作成のため、利用者さん本人や家族、各担当者などがチームを組み、情報共有や検討を行う場です。よりよい支援方法を検討するのが目的で、各施設が自発的に行います。

「き」から始まる介護・医療用語一覧

続いて、「き」から始まる介護・医療用語を押さえていきましょう。

機械浴(きかいよく)

寝たきり、座位ができないなどといった方が、寝た姿勢や座った姿勢のまま入浴できる装置のこと。機械浴には、専用の椅子と浴槽を使うチェアー浴と、横になったまま入浴できるストレッチャー浴の2種類があります。設置されているのは、特別養護老人ホームや身体障害者施設といった施設です。

義肢(ぎし)

病気やケガで手や足を失った方が装着する器具のこと。元の手や足の機能を復元するために用いるものと、外見を回復させるものがあります。

基底面積(きていめんせき)

体を支えるために必要となる床面積とその範囲を示す言葉です。介助するときは両足を適度に開き、基底面積を広く確保することで、安定して動くことができるといわれています。

気道(きどう)

肺につながる細長い管で、空気を取り入れて肺に送る空気の通り道。鼻腔もしくは口腔から入った空気は、喉頭、気管、気管支へと運ばれます。

キャリア

感染しても症状が現れず、自覚なしに感染源となる恐れのある保菌者のこと。抵抗力が低下すると、発症する可能性があります。

仰臥位(ぎょうがい)

あお向けで横になっている体位。背臥位(はいがい)と称されることもあります。エネルギー消費が少なく最も安定した体位ですが、長時間続けていると褥瘡(床ずれ)の原因にもなるといわれています。

居宅介護サービス(きょたくかいごさーびす)

要介護・要支援の方が自宅で生活しながら受けることができる介護保険サービスのことです。訪問介護や訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーションなどがあります。要介護・要支援度ごとに利用料の限度額が決められており、サービスを受けられるのは、限度額の範囲内。1割が自己負担となります。

禁忌(きんき)

状態の悪化が予測される治療や、危険な薬物の投与など、行ってはならないこと。

「く」から始まる介護・医療用語一覧

最後に、「く」から始まる介護・医療用語です。

クオリティ・オブ・ライフ

人間が生きていくうえでの幸福や満足を表す言葉。生活の質や人生の質と訳されるのが一般的です。英語ではQuality Of Lifeとなり、頭文字からの略語でQOLと称されることも。介護分野においては、自分らしく充実した生活が送れることを目指すことにより、QOLを高める取り組みが求められています。

グリーフケア

近親者との死別や離別などにより、大切な人やものを失った方に寄り添い、乗り越えていくためのサポートをすること。看取りまで請け負うことのある介護や医療の現場では、グリーフケアの心構えや知識も求められます。

クリニカルパス

病気の治療の流れを各段階に分解し、タイムスケジュールを示した治療計画書のことです。作成する目的は、医療内容の標準化やチーム医療の推進、インフォームドコンセントなど。患者さんにとっても過程が分かりやすく、治療に参加しやすいというメリットがあります。

クレブス

癌を表す医療用語。本来は癌腫だけを指す言葉ですが、悪性腫瘍、悪性新生物とほとんど同義語として使われています。由来はドイツ語です。

グループホーム

認知症の高齢者を対象とした、少人数で共同生活を送る介護施設。グループホームの定員は、最大9人で構成されるユニットと呼ばれる単位で表し、上限は最大4ユニットです。家事などを分担しつつ、家庭的な共同住居の形態で、生活しやすい環境とケアサービスを提供します。

介護と看護の知識をストックしておこう

介護と看護の両方が必要な利用者さんも多く、看護の知識はどうしても必要になります。介護はもちろん、看護についての基本的な知識を身に付けておくことで、より利用者さんに寄り添ったサポートの提供につながることもあるでしょう。今回ご紹介した「か~く」の介護・医療用語をきちんと理解して、日々の業務の中で活用してみてはいかがでしょうか。

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