歌のレクリエーションが介護施設で人気!脳トレになるアレンジ方法は?
歌を使ったレクリエーションは、介護施設などでも人気です。歌うことで心肺機能が高まることはもちろん、気持ちを明るくしてくれる効果も期待できます。また、歌と一緒に体を動かせば、脳のトレーニングにもなることも。この記事では、歌のレクリエーションを行う際のポイントやレクリエーションのアレンジ方法について紹介していきます。歌のレクリエーションを取り入れたい介護職員の方は、ぜひご覧ください。
目次
歌のレクリエーションは幅広い介護施設で人気!
声に出して歌を口ずさむことは、心肺機能を高めたり維持したりする働きがあります。また、懐かしい歌を聞くと、その時代を思い出すきっかけになるもの。若々しい気持ちを取り戻したり、気持ちを安定させたりする効果があると言われています。歌や音楽がもつ特徴を活かしたレクリエーションは、さまざまな介護施設で人気です。
さらに、かつて親しんだ歌を思い出して口にすることは脳を活性化し、認知症の予防やリハビリにもつながるといいます。空気をたくさん吸い込んで大きな声で歌えば、抑うつ的な感情の発散にもなるでしょう。歌がきっかけとなり、利用者さん同士のコミュニケーションが弾むようになれば、孤独感を和らげる助けにもなるはず。さまざまな効果が期待できる歌のレクリエーションを、ぜひ介護施設で活用してみましょう。
歌のレクリエーションを行うときのポイント
ここからは、歌のレクリエーションを行う際のポイントについて見ていきましょう。
誰もが明るく楽しめる歌がおすすめ
歌のレクリエーションを行うときには、誰もが聞いて楽しめる歌を選ぶことがおすすめです。同じ介護施設の利用者さんであっても、年齢は70代~90代頃までとバラバラなことも少なくありません。昭和の時代に流行した歌であっても、世代によっては知らないという利用者さんもいるはずです。年代によっては戦時中の軍歌しかなじみがないという方もいます。
こうしたことから、世代を意識しすぎると曲選びが難しくなってしまうことがあるでしょう。そのため、選曲を行うときにはあまり年代を意識しすぎず、誰もが明るく楽しめるような歌を選ぶことがおすすめです。
新しい歌を選曲してもOK
高齢者の方だからといって、古い時代の曲ばかりを選ばなければいけない、というわけではありません。テレビをよく見ている方などは、近年流行した歌やCMに使われている曲をよく知っていることも多いもの。少し前に流行した歌などをあえて加えてみると、意外に喜ばれることもあるでしょう。
こうしたことを踏まえて、次からは歌を用いたレクリエーションや介護施設におすすめのアレンジ方法を見ていきましょう。
季節や行事に合わせて「わらべ歌や童謡を歌う」
歌のレクリエーションの基本は、大きな声で歌うこと。1人では恥ずかしいという利用者さんでも、みんなで歌えば声を出しやすいという方もいるでしょう。全員で一緒に歌うときに使いやすいのが、「わらべ歌」や「童謡」です。季節や行事に合わせて、次のような歌を利用者さんと一緒に歌ってみましょう。
<季節や行事に合わせた歌>
- 春:「春の小川」「さくらさくら」「茶摘み」「みかんの花咲く丘」
- 夏:「炭坑節」「われは海の子」「あめふり」「夏の思い出」
- 秋:「紅葉」「七つの子」「赤とんぼ」「うさぎうさぎ」
- 冬:「雪」「お正月」「まめまき」「たき火」
タイトルだけでは思い出せないものでも、曲が始まると不思議と口ずさめる歌が多いのがわらべ歌や童謡です。歌のレクリエーションの導入などで活用してみてもよいでしょう。
流行したあの曲のタイトルは?「イントロクイズ」
テレビ番組などでも行われることが多い「イントロクイズ」は、利用者さんと盛り上がれる歌のレクリエーションの1つ。ルールは簡単で、曲の冒頭であるイントロを流し、その曲のタイトルを利用者さんに答えてもらいます。1番早く曲のタイトルを当てた方が勝利となるレクリエーションです。イントロクイズでは、1度は耳にしたことがある、次のような曲を選んでみましょう。
<イントロクイズにおすすめの曲>
- 365歩のマーチ
- リンゴの唄
- 川の流れのように
- 青い山脈
- 少年時代
- ズンドコ節
- 上を向いて歩こう
イントロクイズでは、いち早く正解した方にみんなで拍手を送ると、レクリエーションも一層盛り上がります。間違えた場合でも介護職員が「惜しかったですね」「次こそは頑張りましょう」などの声をかけると、利用者さんの恥ずかしさも軽減されるでしょう。
頭と体を同時に使う「もしもし亀よ 肩たたき体操」
童謡の「もしもし亀よ」を口ずさみながら、自分の肩をリズムよくたたく体操が「もしもし亀よ 肩たたき体操」です。童謡を歌うだけでなく、体も同時に動かすため、脳のトレーニングにもぴったり。次の手順で行ってみましょう。
<もしもし亀よ 肩たたき体操の手順>
- 「もしもし亀よ」を口ずさみながら、リズムに合わせて右肩を8回たたく
- 右肩をたたき終えたら、続けてリズムに合わせて左肩を8回たたく
- 以降も右肩、左肩の順番でそれぞれ「4回→2回→1回」の回数で左右の肩をたたく
- 歌い終わりと同時に、胸の前で両手を「パンッ」と合わせる
一見簡単そうにも見えますが、実際に行ってみると意外と難しいのが肩たたき体操です。利用者さんがルールを覚えるまでは、レクリエーションを担う介護職員が手本となりながら行っていきましょう。
みんなで一緒に歌って踊る「リズム体操」
歌を口ずさみながら、足や手を音に合わせて動かす「リズム体操」も、たくさんの利用者さんが一緒に楽しめるレクリエーションの1つ。リズム体操は、高齢者の方もよく知っている曲を中心に考案されたものが動画投稿サイトなどで閲覧できます。次のような曲のリズム体操がありましたので、それぞれの介護施設の利用者さんに親しまれそうなものを活用してみてくださいね。
<リズム体操>
- 北国の春
- 青い山脈
- 川の流れのように
- ズンドコ節
- 春が来た
- ふるさと
曲のテンポがゆっくりなものから、ノリのよいものまで幅広くあるため、利用者さんに合わせたリズム体操を選びましょう。
懐かしい歌を口ずさみながら「思い出カルタ」
童謡や懐かしの歌の歌詞が書かれた「思い出カルタ」を使って、歌のレクリエーションを行うこともできます。事前にカルタの準備が必要ですが、少人数の利用者さんで歌のレクリエーションを楽しみたい介護施設にもぴったりです。次の手順で行っていきましょう。
<準備するもの>
- 童謡や懐かしの歌の「最後の歌詞」を書いた札
<思い出カルタの手順>
- テーブルに準備したカルタを並べ、読み手が歌を歌う
- 読み手が歌った曲の最後の歌詞が書かれた札を利用者さんがとる
基本的な手順はカルタと同じですが、利用者さんは曲を聞きながら、最後の歌詞を思い出すことが必要です。札の裏側に点数を書いておけば、枚数をたくさんとるだけが勝利の要素にならないため、ゲーム的な楽しみも増えるでしょう。
歌のレクリエーションを介護施設で活用しよう!
歌を使って行うレクリエーションは、大きな声で歌うだけでなく、リズムに合わせて体も動かすことで脳のトレーニングにもなります。また、歌が好きな方も多く、人気のレクリエーションです。歌詞を書いたカードを使うなど、さまざまなアレンジができることも魅力の1つ。この記事も参考に、歌のレクリエーションを介護施設で活用しましょう。