福祉ネイルで利用者さんの笑顔を引き出す!介護施設での取り入れ方
「福祉ネイル」という言葉をご存知でしょうか?福祉ネイルとは、介護施設などに訪問して利用者さんにネイルメニューやマッサージをしながら笑顔を引き出す、近年話題の技術です。本記事では福祉ネイルがどのようなものなのか分かりやすく解説し、介護施設で取り入れる方法をご紹介していきます。「働いている介護施設で福祉ネイルを導入したい」「福祉ネイルの資格に興味がある」といった方に読んでいただきたい内容です。
目次
福祉ネイルとはどのようなもの?
福祉ネイルでは、高齢者などサロンへ直接足を運べない利用者さんのもとに訪問して、ネイルメニューを提供します。具体的にはどのようなものなのか、まずは福祉ネイルの概要を分かりやすくご紹介していきましょう。
<福祉ネイルとは>
- 対象:高齢者や病気、障害を抱えている方
- 目的:ネイルなどの施術や会話を通して感動を届けること
- 施術者:一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会認定の「福祉ネイリスト」が多く活躍している
福祉ネイルの対象は高齢者や、病気・障害を抱えているなど、サロンに足を運ぶことが難しい方々です。そのため、福祉ネイリストは一般のネイリストと仕事スタイルが少々異なり、サロンでお客さんを待つのではなく、自らが利用者さんのもとに訪問します。
福祉ネイルの目的は、利用者さんの指先をネイル技術で美しく飾り、喜びや感動を届けること。さらにハンドケアやハンドマッサージ、会話、治療的介入技法を通してリラックスしたひとときを提供します。福祉ネイリストは、利用者さんの笑顔や元気を引き出すことができる素敵な仕事です。
福祉施設や介護施設でネイル技術を提供するだけの場合、特別な資格は必須ではありません。しかし福祉ネイリストとして活動するには、技術のほかに介護や高齢者に関する知識、対応方法を心得ておくことが重要です。実際に高齢者と接することを考慮すると、福祉ネイルに関わる資格を取得したネイリストのほうが、依頼の際は安心感があるでしょう。一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会では、講習や実地研修を実施し、一定の技術を習得したネイリストにディプロマ(認定証)を発行しています。
福祉ネイルは、現場やケースによっては介護ネイルと呼ばれることもあるので、覚えておくと良いでしょう。
福祉ネイルはどんなときにおすすめ?
福祉ネイルは、介護において高齢者の方々に元気をお届けしたいときにぴったり。たとえば、以下のようなケースで活躍します。
<福祉ネイルが活躍するケース>
- 美しいネイルで元気になってもらいたいとき
- 治療的介入技法で心のケアをしたいとき
- いつもと違うレクリエーションを取り入れたいとき
日頃から視界に入る手元や指先がきれいになると、ワクワクしたり嬉しい気分になったりするのは、若い方も高齢者も同じです。高齢者の方へ元気をお届けしたいときは、福祉ネイルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
福祉ネイルは、治療的介入技法で高齢者の方の心のケアをしたいときにもおすすめです。福祉ネイルは利用者さんの体調やコンディションを見ながら、コミュニケーションを大切に行います。マニキュアの色やデザインを考える時間や福祉ネイルストとの会話は、脳への刺激にもなるでしょう。認知症や疾患を抱えている高齢者の方にも受けていただくことができますよ。
福祉ネイルは、介護施設のレクリエーションとしても人気です。マニキュアに抵抗がある方も、ハンドケアやハンドマッサージなら気軽に受けてくださるはず。福祉ネイルをレクリエーションに導入すれば、男性女性問わず、充実した時間を過ごしていただけるでしょう。
介護施設で導入するにはどうしたらいい?
ここからは、介護施設における福祉ネイルの導入方法をご紹介していきます。介護施設に福祉ネイルを導入する方法は大きく分けて2つです。
<介護施設での福祉ネイル導入方法>
- 出張サービスを利用する
- 介護施設で働く介護スタッフが福祉ネイリストの認定資格を取得する
それぞれ解説していきましょう。
出張サービスを利用する方法
介護施設において、簡単に福祉ネイルを導入する方法が、「福祉ネイルの出張サービスを利用する」です。福祉ネイルに対応している高齢者の訪問美容サービス提供企業へ相談し、福祉ネイリストを派遣してもらうことができます。
福祉ネイルの出張サービスは、福祉ネイリストが個人単位で行っていることも。出張サービスを行っている福祉ネイリストに直接依頼して施設へ来てもらうことも可能です。
前項でご紹介したように、高齢者へのネイルは資格がなくてもできます。しかし、高齢者への接し方や治療的介入技法の講習を受け、技術を習得したネイリストへ依頼するほうが安心でしょう。介護施設で福祉ネイルを依頼する際は、福祉ネイルに関する資格を取得したネイリストに依頼することをおすすめします。
介護施設で働く介護スタッフが福祉ネイリストの認定資格を取得する
介護施設で福祉ネイルを導入する方法2つめは、「すでに施設で介護スタッフとして働いている方が、福祉ネイリストの資格を取得して福祉ネイルの施術をする」です。実際、介護現場で活躍する福祉ネイリストのなかには、介護系の資格を取得している方も多いようですよ。
福祉ネイルに関する資格を取得するには、ネイル関係の協会の講習や研修を受講しましょう。たとえば、一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会による福祉ネイリスト認定制度では、21時間の講義と実地研修を受講することでディプロマ(認定証)を取得できます。
福祉ネイリストは、介護スタッフとして働きながらワンランク上を目指す方や、介護スタッフを離職したケースを考慮し、新たな働き方を考えている方たちにもおすすめです。福祉ネイルに興味がある方は、自身のキャリアアップのために資格取得も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
福祉ネイルで高齢者を元気に!介護施設で取り入れてみよう
福祉ネイルは、利用者さんの指先を美しく彩ることに加え、ハンドマッサージやハンドケア、福祉ネイリストとの会話を通して心のケアも期待できます。介護施設に導入すれば、施設利用者さんに元気をお届けできるチャンスとなりますよ。いつもと違う指先にきっと喜んでいただけることでしょう。まだ福祉ネイルの導入例がないという施設では、出張サービスや、介護スタッフの福祉ネイリスト資格取得について、ぜひ前向きに検討してみてください。