高齢者の冬の皮膚トラブル!乾燥・かゆみ・あかぎれ・しもやけの対処法

秋から冬にかけては、皮膚トラブルが起きやすい季節です。利用者さんの肌の状態が気になる介護スタッフの方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、冬場、高齢者に起こりやすい皮膚トラブルの種類を解説!日常生活で取り入れられるスキンケアの方法についてもご紹介します。利用者さんの皮膚トラブルを悪化させないためにも、介護スタッフとして正しい知識を身につけましょう。

冬、高齢者に皮膚トラブルが起きやすいのはなぜ?

皮膚のバリア機能は、年齢を重ねるほど低下します。
さらに冬場は、気温が低く空気が乾燥するため、皮膚トラブルが起きやすくなるのです。気温が低くなると血液の巡りが滞り、血行障害を引き起こし、しもやけなどになります。

また、寒い時期に屋外で皮膚が冷たい風にさらされると、脂腺や汗腺などのはたらきが低下。その結果、皮膚が乾燥し、かさつき・かゆみ・あかぎれなどが起きやすくなります。

冬はこんな皮膚トラブルに要注意!

冬場、高齢者に多い皮膚疾患は、以下のとおりです。

しもやけ

代表的な冬の皮膚疾患です。原因は、寒さによる血行障害。おもに手や指、足などの四肢の末端にできます。また、一見するとしもやけのようでも、膠原病(こうげんびょう)など、ほかの疾患が隠れている場合も。対策をしても改善が見られないようなら、医療機関に早めに相談しましょう。

あかぎれ

乾燥によるひび割れが重症化した状態です。深い亀裂が入り、赤く腫れ、何もしていなくても強い痛みを感じます。

皮脂欠乏性湿疹

皮膚のバリア機能の低下により起こる疾患です。乾燥した肌の角質がはがれ、皮膚がガサつき、粉をふいた状態に。進行すると、かゆみや痛みを伴うこともあります。

こんな生活習慣の方は皮膚トラブルに要注意!

日頃の何気ない習慣が、皮膚トラブルを引き起こす場合があります。注意すべき生活習慣とその理由・対策を以下にまとめました。

お湯で手を洗う/熱いお風呂や長風呂が好き

熱いお湯は、皮膚の表面を覆う油脂をはがし、皮膚のバリア機能を低下させる原因となります。高齢者の方の中には熱めのお風呂を好む方もいますが、特に寒い時期は、皮膚トラブル予防のためにも、熱すぎるお風呂を避けましょう

食器を洗うとき、お湯を使う/食器を素手で洗う

食器洗いで使うお湯や洗剤も、皮膚トラブルの一因になります。熱いお湯が皮脂を失う原因となるのは、前述のとおりです。また、洗剤が手につくと、皮脂が失われてしまいます。食器を洗う際は、手袋を使用するようにしましょう。

手先や足先が冷えやすい

身体が冷えやすい方・冷え性の方は、皮膚トラブルが起きやすくなります。血行が滞ると、皮膚に栄養が十分に行き渡らないためです。特に冬場は、身体を冷やさない・身体を動かす・マッサージをするなど、手先の血流を促すよう意識しましょう。

ストレスが多い/食事が不規則/睡眠不足

ストレスフルな生活や、食事・睡眠が乱れた生活は、身体の抵抗力を弱めます。皮膚の回復力が弱まるほか、そのほかの病気を引き起こすことも。利用者さんには、バランスの取れた食事や十分な睡眠をとってもらい、ストレスの少ない生活を心がけてもらうようにしましょう。

冬場の皮膚トラブルを防ぐには?

高齢者の方を冬場の皮膚トラブルから守るために、以下の4つのポイントを意識しましょう。

こまめに保湿する

手を洗ったあとや入浴後は、皮脂が落ち、肌が乾燥しやすくなります。保湿剤で皮膚の乾燥を防ぎましょう。入浴時、保湿効果のある入浴剤を使うのもおすすめです。

お風呂で身体を洗うときはやさしくていねいに

ナイロンタオルなどでゴシゴシ身体を洗うのはNGです。皮膚を守り炎症を防ぐには、固形石鹸をしっかり泡立て、やわらかいタオルや素手でなでるように洗いましょう

加湿を忘れずに

冬は、エアコンの温風で室内が乾燥しやすくなります。加湿器を使って、皮膚が乾燥するのを防ぎましょう。部屋の湿度を上げると、風邪・インフルエンザなど感染症予防にもつながりますよ。

肌着は綿100パーセントがおすすめ!

肌着類は、刺激の少ない綿100パーセントのものがおすすめです。ポリエステルやナイロンといった化学繊維の肌着は、丈夫で保温効果が高い一方、長時間着ると摩擦で皮膚が傷ついてしまうことも。皮膚トラブルに悩んでいる利用者さんやご家族にもお伝えし、品質表示を確認していただくなどの対応をしてもよいでしょう。

寒い冬、高齢者を皮膚トラブルから守るには日頃のスキンケアが大切!

寒さと感想が厳しい季節、高齢者の方の皮膚を守るためには、こまめな保湿や屋内の加湿、肌着の選び方など、日頃の生活でできることがたくさんあります。しっかりと予防策を行いましょう。また、利用者さんの皮膚に気になる症状があれば、早めに医療機関に相談するなど、適切に対応してくださいね。

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