【座ってできる運動】介護レクリエーション14選

介護施設で働く職員にとって、レクリエーションの内容を考えることも重要な仕事です。利用者さんには車いすの人や体を自由に動かせない人などがおり、それぞれの状況は異なります。そこで、今回ご紹介するのは、多くの利用者さんが参加できる、座ってできる運動。椅子に座った状態なら転倒するリスクも少なく、安心して取り組むことができるはず。介護施設で座ってできる運動を取り入れて、利用者さんが元気に過ごせるようサポートをしていきましょう。

椅子に座ったままできる運動はどんな施設におすすめ?

椅子に座ったままできる運動は、車いすや足元がおぼつかない利用者さんでも参加でき、座っている安心感から集中して取り組むことができるのが大きな特徴。レクリエーションを楽しめることで、活力にもつながるはずです。またスタッフ目線で考えても、レクリエーション中のケガや転倒のリスクが少なく、見守りに注力しすぎることもありません。

座ってできる運動は、

  • 老人保健施設(老健)
  • グループホーム
  • 介護付有料老人ホーム
  • 通所介護
  • 通所リハビリテーション

と、どんな介護施設でもおすすめです。

また、個人単位でできる体操であれば、訪問リハビリテーションや在宅介護支援事業所など、自宅に赴くような介護施設においても、座ってできる運動をレクリエーションとして、気軽に取り入れることができるでしょう。

座ってできる運動1.グーパー体操

「手を前に突き出したときはパー、胸元に置いたときはグーにする」これを合図とともに入れ替えて繰り返すのが、グーパー体操です。慣れないうちは上手くできない利用者さんも多いはず。慣れてきたらパーとグーを入れ替えたり、歌のリズムに合わせたりすると、難易度が高くなり盛り上がるでしょう。

座ってできる運動2.ボールを使ったストレッチ

椅子に座ったままできるストレッチもたくさんあります。今回ご紹介するのは、ボールを使って内ももの筋力を鍛えるストレッチです。ボールはバレーボール大の柔らかいもの。椅子に浅く座って膝にボールをはさみ、ボールを中心に向かって押すように力を入れて5秒キープしたら、ボールを落とさないように両膝の力を抜きます。これを数回繰り返してもらいましょう。

座ってできる運動3.旗揚げゲーム

号令に合わせて紅白の旗を上げ下げする旗揚げゲームは、反射神経や判断力を養うことにつながります。旗は新聞紙とテープを使って簡単に作ることもできますよ。色の違いがはっきり分かるのであれば、旗でなくても構いません。利用者さんに旗を配ったら、「赤上げて、白下げて」と、指示を出していきましょう。はじめはゆっくりと指示を出し、徐々にテンポを早めていきます。ひっかけるような指示を加えると、盛り上がるはず。失敗したら脱落して、最後の1人になるまで続けると、ゲーム性が高まります。

座ってできる運動4.輪投げ

単純だけど盛り上がるのが、輪っかを投げる力と目標物を狙う集中力が必要になる輪投げです。用意するものは、輪っかと目標物。目標物はペットボトルや洗濯バサミ、人形など、何でもOKです。目標物を並べ、輪っかが入った数をみんなで競います。目標物の距離に応じて、あらかじめ点数を振っておくのもいいでしょう。難易度を上げて、輪っかを投げる手を右手のみ、左手のみと、制限をつけるのもおもしろいかもしれません。

座ってできる運動5.風船バレー

風船を使ったバレーボールは、適度な運動にもなりケガのリスクも少ないおすすめの運動。用意するものは風船のみ。利用者さんに円になって座ってもらい、その状態で風船を落とさないように打っていきます。風船はゆっくり落ちてくるため、元気な利用者さんには物足りないこともあるかもしれません。難易度を上げるため、しりとりをしたり風船に書かれた文字を当てたりと、脳トレを交えてみるのもおすすめです。

座ってできる運動6.ボーリング

レクリエーションの定番ボーリングも、座ったまま行うことができます。水を入れたペットボトルをピンとして並べ、その直線状に置いた椅子に座ってもらいましょう。座ったままボールを転がし、倒したピンの数を競います。椅子とピンの間に障害物としてさらに椅子を置いたり、ピンごとに点数を決めたりするのもいいでしょう。ペットボトルなら、水の量で重さを調節できるのもポイント。利用者さんのレベルに合わせて調節してください。

座ってできる運動7.玉入れ

運動会でおなじみの玉入れも、レクの定番です。チームごとに円になって座ってもらい、その中央にカゴを設置。そのカゴをめがけて玉を投げてもらい、入った数を競います。カゴを逆さに持った傘にするのもいいでしょう。傘を動かすことで、難易度もアップします。カゴや傘を大きくしたり小さくしたりと、バリエーションに変化を持たせることもできます。

座ってできる運動8.タオル綱引き

足指の筋力は、普段なかなか鍛えるのが難しい箇所。足で引っ張る、たぐり寄せる運動ができるのが、タオル綱引きです。長めのタオルを用意し、事前準備としてタオルと床の中心に印をつけておきます。2人ずつペアになって向かい合い、床に置いたタオルを足で引っ張り合って、制限時間の合図でタオルの中央が近い利用者さんの勝ちです。椅子から転倒しないように注意しながら進行してください。

座ってできる運動9.棒サッカー

用意するものは、柔らかいボールと利用者さん全員分の新聞で作った棒、そしてゴールになる箱2つ。蹴るのではなく、棒でボールを打ってゴールを狙います。利用者さんを2つのチームに分け、向かい合うようにいすを並べ、列の端に箱を置きましょう。一番端がキーパー役となります。どちらのゴールを狙うのかを説明し、真ん中にボールを置いてゲーム開始!箱にボールが入れば1点獲得で、時間内にどちらのチームが多く点を獲れるかを競います。座って棒を振る動きは、腕の力に加えて、反射神経や動体視力を刺激することにもつながるそう。

座ってできる運動10.バタ足ボール

足をしっかり動かすバタ足ボールは、下半身のいい運動になります。用意するのは、両足が入る大きな箱と、たくさんのカラーボール。箱の中にカラーボールを入れ、利用者さんに両足を入れてもらい、準備完了。合図とともに足をバタバタと動かし、カラーボールを箱の外に出してもらいます。制限時間の間に、できるだけ多くのボールを出すのが目標。みんなで競うレクリエーションにして、ゲーム性を持たせるのもおすすめです。

座ってできる運動11.ティッシュあおぎ

うちわを使ってティッシュペーパーをあおぎ、自分の近くで落ちないようにするゲームです。使うものはティッシュとうちわだけなので、簡単にできますよ。机を囲い個人戦で戦うのもいいですし、机の真ん中に線をひき、チーム戦で相手の陣地に入れ合って戦うのも楽しいでしょう。ティッシュあおぎは、座位バランスの向上と腕の筋肉強化の効果が期待できるゲームです。

座ってできる運動12.ピンポン玉リレー

利用者さんたちに、椅子に座って横一列に並んでもらいます。そして、一人ひとりに紙コップを渡しましょう。先頭の利用者さんにピンポン玉を渡し、スタートの合図で自分の紙コップから隣の利用者さんの紙コップにピンポン玉を送ってもらいます。この工程を繰り返し、ピンポン玉が最後の利用者さんにたどり着いたらゴールです。いくつかチームを作り、ゴールまでのタイムを競い合うときっと盛り上がるでしょう。紙コップを料理で使う“おたま”に替えると難易度があがりますよ。ピンポン玉リレーは、手の運動と共に、利用者さん同士のコミュニケーションをとるきっかけにもなるレクリエーションです。

座ってできる運動13.スリッパ飛ばし

いくつか並べたペットボトルに向け、座った状態からスリッパを飛ばして倒すというゲームです。スリッパは軽く足を動かすだけで飛び、空のペットボトルは少し触れただけでも倒れるので、脚の筋力が低下している利用者さんでも楽しめるでしょう。ゲームを行うことで、脚の筋力向上の効果が期待できるので、リハビリとして取り入れるのもおすすめ。利用者さんとペットボトルの距離を遠くしたり、ペットボトルに水を入れ重さを加えたりすることによって、難易度を上げることもできます。一人ひとりの利用者さんに合わせて、難易度を変えてみてくださいね。

座ってできる運動14.割りばし掴み

フェルトやコットンを丸めたものをいくつか皿にのせ、割りばしで掴んで違う皿に移動させるレクリエーションです。タイムを計り、自己記録を更新させて遊んだり、2人同時に行いどちらが早く移し終わるか競い合ったりするのがおすすめ。競争方式なら勝つためにより素早く動こうとするので、器用さや脳の活性化につながるでしょう。慣れてきたら、移動させるものを豆やビー玉などに変えてみるのもいいかもしれません。

DVDやYouTubeの動画も参考にして!

座ってできる運動やレクリエーションはたくさんあり、多くの介護施設でも取り入れられています。座ったままでもしっかり体を動かす機会を作り、介護施設で過ごす利用者さんが元気に過ごせるようサポートしていきましょう。また、座ってできる運動やレクリエーションは、流れや動きが分かりにくいこともあるかもしれません。そんなときは本だけでなく、DVDやYouTubeの動画を活用するのがおすすめです。

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