【しめ縄・門松】利用者さんと作るお正月飾りで空間演出
介護スタッフが、空間演出の一環としてお正月飾りを用意することがありますが、利用者さんのレクリエーションにお正月飾り作りを取り入れるのもおすすめです。そこで今回は、お正月飾りの意味や利用者さんと作るメリット、お正月飾りの定番であるしめ縄や門松の作り方について紹介します。どれも利用者さんと一緒に作れる簡単なものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
お正月飾りを利用者さんと作るメリット
まずは、お正月飾りの意味や利用者さんとお正月飾りを作るメリットについて見ていきましょう。案外、毎年なんとなくお正月飾りを飾っていたという方もいらっしゃるはず。この機会にお正月飾りの理由を把握しておきましょう。
そもそもお正月飾りとは
お正月飾りとは、一般的にしめ縄や門松、鏡餅を指します。どうしてお正月飾りをするのかというと、年神様をお迎えするため。年神様は歳徳神やご先祖様、穀物の神など、さまざまな神様の総称で民間信仰の1つです。
しめ縄は神様が宿る場所であることの証で、災厄をはらってくれる役割があるとされています。また、神聖な場所と区別する境界線の意味もあり、しめ縄がある場所は安全で清らかな場所であることを意味しているのです。
門松は、年神様が迷うことなく家に訪れるための目印で、玄関先に飾ります。鏡餅は、年神様へのお供え物です。丸い餅は三種の神器である青銅鏡、串に刺した干し柿は剣、橙は勾玉をあらわしています。
丸い餅を二つ重ねているのは「円満に年を重ねる」という意味が込められているのだとか。そして、鏡開きをしてみんなで鏡餅を食べることで、年神様の力を分けてもらうというわけです。
お正月飾りは12月13日から12月28日までに飾り、1月7日から1月15日までに片付けると言われています。しかし期間については地域によって異なること、最近はクリスマス飾りをしていることもあるため、クリスマスが終わった12月26日以降にお正月飾りをする方が多いでしょう。
利用者さんと作るメリット
利用者さんとこういった季節の飾りものを作るメリットについて紹介します。主なメリットは以下の通りです。
- 脳が活性化する
- リハビリにつながる
- コミュニケーションが広がる
- 達成感を得られる
- 季節を感じられる
指先を使うと脳を刺激することになるため、認知症予防や脳の活性化につながるでしょう。また、指先のリハビリにもなります。利用者さんが集まってみんなでお正月飾りを作れば、自然と他の利用者さんとの会話につながりコミュニケーションが広がるでしょう。
その他には、作品が完成したことの達成感を得られたり、移りゆく季節を感じられたりするメリットもあります。
<しめ縄編>クラフト紙などでも作れる!
ここでは、しめ縄の作り方を見ていきましょう。必要な材料は、クラフト紙や飾りなどです。
クラフト紙で作るしめ縄
クラフト紙で作るしめ縄の作り方は以下の通りです。
1.長方形にしたクラフト紙を、円形にしやすいようくしゃくしゃにします。
2.縄のようにねじりながら円形にし、両端が重なった部分をひも状にしたクラフト紙で結べば完成です。
そのままでも良いですし、水引や松竹梅の飾りをつけても良いでしょう。ねじる作業が利用者さんのリハビリにもなります。
紙ひもで作るしめ縄
次に、紙ひもで作るしめ縄作りを見ていきましょう。必要な材料は、紙ひも、折り紙、新聞紙などです。
1.束にした紙ひもを2つに分け、ねじりながら編んでいきます。
2.編み終わったら円形にして紙ひもで結びましょう。
3折り紙や新聞紙で橙や扇などを作り、デコレーションして完成。
デコレーションアイテムは、介護スタッフが事前に作っておいても良いでしょう。利用者さんの身体能力に合わせて調整してください。
<門松編>ラップの芯で簡単に作れる
ここでは、門松の作り方を紹介します。必要な材料は、ラップの芯、紙コップ、フェルト、両面テープ、グルーガン、飾りなどです。
1.門松の形に切ったラップの芯に両面テープを貼り、緑のフェルトを巻きつけます。
2.1で門松を3本作ったらグルーガンで固定。
3.紙コップの外側に両面テープを貼り、好きな色のフェルトを巻きつけます。
4.紙コップに門松を入れグルーガンで固定。
5.笹に見立てたフェルトや前飾りなどをグルーガンで固定したら完成です。
ラップの芯を門松の形に切るのは、力がいり危険なため介護スタッフが用意しておきましょう。あとは、基本的には貼りつけていくだけなので、誰でも簡単に作れます。
日本の風物詩を共有しよう
介護施設内にいる利用者さんは、どうしても単調な生活になりがちです。レクリエーションを通じて季節に合った作品を作ることで、季節の変化を感じられるでしょう。レクリエーションで指を動かせばリハビリの効果が期待でき、完成した作品を見ることで視覚への刺激になります。利用者さんと共に日本の風物詩を共有しましょう。