【接遇5原則】介護の仕事で求められるマナーとは?スキルアップにもつながる
接遇とは、おもてなしの気持ちを重視した対人スキルのこと。おもてなしというとサービス業のイメージが強いかもしれませんが、最近は介護の現場でも重視されています。対人業務が主な介護の仕事は、思いやりがあってこそ。接遇を身に付けることで、提供する介護の質を高めることにもつながります。そこで今回は、介護の仕事における接遇5原則について詳しく解説。接遇5原則をきちんと身に付けて、利用者さんも介護スタッフも気持ち良く過ごせる環境作りを図りましょう。
介護の仕事でも接遇が求められる!その理由は?
接遇とは、相手の状況や気持ちを理解して行動する、思いやりのある行動を指します。介護の仕事で接遇が重視される理由には、以下のような点が挙げられるでしょう。
- 信頼関係の構築に役立つ
- 職場の雰囲気が良好になる
介護の現場は、利用者さんの生活の場です。毎日心地良く安心して過ごせる環境をつくるのが、介護スタッフの役目。接遇を意識することで、利用者さんとの信頼関係を構築しやすくなるでしょう。深い関係が築ければ、質の高い介護が提供しやすくなり、利用者さんもより快適に過ごすことができます。
接遇マナーが浸透した職場では、スタッフ同士のコミュニケーションもスムーズです。職場の雰囲気も良くなり、和やかな雰囲気の中で仕事ができるでしょう。協力関係が築きやすくなり、仕事の効率が良くなるという側面もあります。
知っておきたい!接遇5原則
接遇で具体的に意識したいのは、以下の5つです。接遇5原則を介護の仕事に照らし合わせて確認していきましょう。
挨拶や声かけ
挨拶はコミュニケーションの基本中の基本。相手と目を合わせ元気に挨拶できると、それだけで印象が良くなります。感じの良い挨拶は安心感を与えるため、話しかけやすい雰囲気になるでしょう。利用者さんに声をかけるときは、急に近づくと驚かせてしまうことがあります。ゆっくり、はっきりとした声かけを意識することが大切です。
言葉遣い
言葉遣いで重要なのは、相手に不快感を与えないこと。介護の現場での言葉遣いは、敬語が基本です。利用者さんは目上の方が多いため、どんなに仲良くなっても砕けた口調になるのは避けておきましょう。丁寧すぎると堅苦しくて距離感があり、反対に馴れ馴れしいと失礼になります。言葉遣いはもちろん、言葉選びも意識しましょう。専門用語は避け、誰にでもわかりやすく伝わりやすい言葉で話すことが大切です。
表情や笑顔
コミュニケーションにおいて、相手に与える印象を大きく左右するのが表情です。話を聞いたり話したりするときには、相手の目を見ながらにこやかに。マスクをしていると口元が見えないため、笑っているつもりでも無表情に見えてしまう可能性もあります。目を細め目尻を下げると目元まで笑っている印象になり、感じも良くなるでしょう。
また、話をしていないときの表情が硬いと、利用者さんが気軽に話しかけることができません。仕事中は話しかけやすい雰囲気になるよう表情を意識しておきましょう。
態度
利用者さんやその家族は、仕事をしているときの立ち振る舞いをよく見ています。周囲の方との接し方はもちろん、歩き方や立ち方、物の受け渡し方などが雑だと印象が悪くなってしまうでしょう。背筋を伸ばす、音をたてずに歩くなど、ひとつひとつの動作を意識しておく必要があります。
身だしなみ
介護スタッフは利用者さんとの距離が近いため、清潔感のある身だしなみが大切です。髪の毛やメイクはもちろん、利用者さんを不快にさせないよう、口臭や香水などのにおいにも注意しましょう。
また、身体に直接触れることを考え、事故防止の観点で身だしなみをチェックする必要があります。利用者さんに引っかかるなどすると危険なので、装飾のない動きやすい服装が基本。爪が伸びていないかどうかも必ずチェックしましょう。
介護の現場での接遇において意識したいポイント
介護の現場の接遇では、以下のようなポイントを意識しましょう。
目線の高さは利用者さんに合わせる
利用者さんは椅子に座っていたり車椅子に乗っていたりと低い場所にいることが多いため、普通にしていると目線が合いません。上から見下ろされると高圧的に感じてしまうなど、不快に感じる利用者さんもいるはず。会話するときは必ず利用者さんと目線を合わせるようにしましょう。
どんなときも傾聴の姿勢で接する
傾聴とは、相手の話にしっかりと耳を傾け、肯定的な態度で聞く会話の技術です。利用者さんや家族との信頼関係を築くには、傾聴の姿勢が大切。話を遮らず、否定せず聞くことで、利用者さんの存在価値を認めることにもなるでしょう。忙しくて難しいときもあるかもしれませんが、どんなときも傾聴の姿勢で接するのが理想です。
スタッフ同士の会話も接遇マナーを重視
スタッフ間でも接遇を意識すると、コミュニケーションがスムーズになります。スタッフ同士だからと砕けすぎず、職場では節度を持って接しましょう。連携が取りやすくなると職場の雰囲気も良くなり、より質の高いサービスの提供にもつながります。スタッフ同士の何気ない会話も利用者さんの耳に届いているため、話す内容にも気を配りましょう。
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接遇5原則を意識して質の高い介護を提供しよう
利用者さんとの距離が近い介護の仕事において、接遇は重要なマナーのひとつです。接遇5原則を念頭に置いて仕事に取り組むことで、提供する介護の質を高めることにもつながります。また、スタッフ全員が接遇を身に付けることで、施設全体の雰囲気を良くすることにもなるでしょう。利用者さんやスタッフとの関係性をより良くするため、接遇5原則の知識を役立ててください。