高齢者介護で大切なこととは?介護スタッフとして心がけたいポイント5つ

高齢化の進む日本において、高齢者介護の仕事は必要不可欠なもの。そのため介護業界は常に売り手市場となっており、特別養護老人ホームやデイサービス、介護老人保健施設などさまざまな職場で活躍できることが介護職のメリットです。ただし、どの職場で働くことになろうと、介護に対する姿勢や求められていることに違いはありません。そこで今回は、高齢者介護を行ううえで心がけたい大切なことを5つご紹介します。

高齢者介護に求められる姿勢とは?

高齢者介護の目的は、高齢者の尊厳を守ること、そして介護を受ける方の能力に応じて自立した日常の生活をサポートすることです。つまり介護職は、介護施設の利用者さんのサポートをする仕事ですが、ただやみくもに介助すればよいわけではありません。

利用者さんの自立支援を目的とするため、まずは個々の身体能力や認知能力の現状を把握します。そして、それらを維持・向上させるためには、どのようなサポートが必要なのかを考える姿勢が求められるのです。

また、利用者さんの尊厳を守るという観点では、利用者さん自身の希望を叶えることも大切なことです。利用者さんができるようになりたいこと、人の手を借りずにやりたいことなどを聞き、それを実現させるための配慮も高齢者介護には必要とされます。

ポイント1:利用者さんへの思いやりの心を持つ

高齢者介護で大切なことは、利用者さんへの思いやりの心を持つこと。具体的には、以下の点を心がけることで、利用者さんに思いやりの心が伝わるはずです。

丁寧な会話を心がけ、利用者さんに寄り添う

高齢者介護では、利用者さん一人ひとりの状況や体調、思いをくみ取り、丁寧に会話をすることが大切です。忙しい場面でも、機械的な対応にならないよう寄り添う姿勢を心がけましょう。

利用者さんの尊厳を守り、対等な関係を築く

利用者さんの希望を尊重し、サポートのやり方や声のかけ方に配慮することも大切です。利用者さんは誰しも好んで介護を受けているわけではありません。更衣や入浴などの介助を受けることに羞恥心を抱く方も多く、介護スタッフに対して本音を言い出せないというケースもあります。そのため利用者さんが気兼ねなく話ができるよう、対等な関係を築くことが重要です。

共感する態度で接し、利用者さんを安心させる

高齢になると、年を重ねるにつれて、これまでできていたことができなくなったり、できることが少なくなったりするのは当然のこと。しかし当事者である利用者さんは、大きな不安や恐怖を感じている場合があります。利用者さんを安心させるために大切なことは、相手の意見をむやみに否定せず、共感することです。聞き上手になり、思いやりの心を持ちましょう。

ポイント2:前向きな姿勢で取り組む

高齢者介護において大切なことの2つ目は、前向きな姿勢で取り組むことです。前向きに仕事へ取り組むための具体的な方法をご紹介します。

仕事ができる人のスキルを参考にする

介護職は経験やスキルがものをいう職業といっても過言ではありません。そのため仕事ができる同僚のスキルを参考にしたり、効率のよい方法を教えてもらったりするのがおすすめです。介護経験の浅い方の場合は、ベテランの真似をするだけでも変わってくるはず。自分の経験やスキルに自信がつけば、仕事にも前向きに取り組めるようになるでしょう。

完璧主義になりすぎないようにする

介護の現場では想定外のハプニングがしばしば発生し、それに応じてスケジュールや考え方などを変えながら業務にあたる柔軟性が必要になります。もちろん丁寧に仕事に取り組むことは素晴らしいですが、あまりに完璧主義に固執しすぎると業務をスムーズに進められないこともあるでしょう。場面に応じたケアができれば利用者さんの満足につながり、仕事にも前向きに取り組めるようになるはずです。

ささいなことでもOK!成功体験を増やす

高齢者介護の仕事において自身のスキルに自信をつけ、前向きになるためには、成功体験を積み重ねるのも大切なことです。成功体験に大小はなく、ささいなことでも構いません。例えば、利用者さんが声かけに笑顔で返してくれた、利用者さんのご家族から感謝の言葉をもらったなど。このような成功体験を増やすことで、仕事へのモチベーションがアップするでしょう。

ポイント3:周囲に気を配り事故防止に努める

高齢者介護の仕事は、利用者さんの命を預かる仕事でもあります。そのため、常に周囲に気を配り、事故防止に努めるのも大切なことです。特に介護現場で注意が必要なのが、転倒事故・異食事故・誤嚥事故。これらを起こさない環境が整っているかを、常にチェックしましょう。

  • 転倒が起きないよう適切に家具を配置しているか、転倒の原因になるようなものが床に落ちていないか
  • 異食や誤薬の可能性があるものを利用者さんの手の届くところに置いていないか
  • 嚥下しやすい姿勢で食事ができるよう、サポートしているか など

できるだけ複数人のスタッフで確認し、事故を未然に防ぐ環境づくりをすることが重要です。

ポイント4:常に情報をアップデートする

介護業界の情報や技術は日進月歩で進化しています。そのため、高齢者介護に携わるスタッフも常に新しい情報を入手し、学ぶことを心がけましょう。

介護スタッフ向け情報発信サイトなどを閲覧する

介護に関する最新情報は、インターネットから入手するのもおすすめです。その際に大切なことは、厚生労働省・医学関連学会・介護関連協会のホームページなど、エビデンスの確かなサイトから情報を入手すること。そのほか、当サイト「中四国介護看護」などの介護スタッフ向けの情報発信サイトの情報も参考になるでしょう。

研修会や勉強会に積極的に参加する

高齢者介護の仕事は忙しく、自身の努力だけで情報を入手し、アップデートすることは難しいと感じる方も多いでしょう。施設内外を問わず、研修会や勉強会に参加し、情報を更新することがおすすめです。参加した際には、質疑応答タイムがあれば有効活用し、双方向での情報交換ができるよう努めましょう。

新たな資格取得を目指し、学習の中で情報を更新する

情報をアップデートする目的で、新たな資格取得を目指すのもおすすめです。当然のことながら、資格試験の内容は最新の情報に基づいて作成されます。そのため、試験勉強=情報のアップデートにほかなりません。また新たな資格取得は、キャリアアップや転職にも役立つでしょう。

ポイント5:仕事の価値観が合う介護施設を選ぶ

介護施設によって、運営方針や介護に対する考え方もさまざまです。だからこそ就職や転職をする際に大切なことは、まず施設の理念や方針を理解し、自身の考え方と照らし合わせてみること。価値観が合う施設を選ぶことで、トラブルや不満のない充実した介護スタッフ生活を送ることができるでしょう。

高齢者介護において大切なことを知り、実践することが成功のカギ

高齢者介護を行う介護スタッフとして、心がけたいポイントをご紹介しました。これらのポイントは現役介護スタッフの転職にはもちろん、これから介護職を目指す方の就職にもきっと役立つはずです。そして大切なことは、まず現時点でできていること、できていないことを整理すること。もしできていないことがあれば、ひとつずつ実践してみることをおすすめします。

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