高齢者の熱中症対策の要は水分補給!こまめに行うコツ5つ

熱中症が心配となる季節がやってきました。高齢者の熱中症は室内で起こりやすく、重度になると命に関わることもあるため、しっかりと予防・対策をしていきましょう。そこで今回ご紹介したいのが、高齢者の方々へこまめな水分補給を促すコツです。どのようなタイミングで、どれくらいの量の水分を摂取したら熱中症の対策となるのでしょうか。そして、水分補給を習慣づけるにはどうしたらいいかなど、具体的なポイントをお伝えします。

高齢者の熱中症対策には定期的な水分補給が大切

高齢者は脱水症状や熱中症を引き起こしやすい特徴があり、意識的に水分補給することが大切です。まずは脱水症状や熱中症になりやすい理由を解説していきましょう。

<高齢者の脱水症状や熱中症が多い理由3つ>

  • 日頃から体内の水分が不足しがち
  • 暑さや喉の渇きを感じにくい
  • 体温調節機能の低下

高齢者は、若い方と比べて体内の水分量が少なく、老廃物を排出するために尿の量は多め。日頃から体内の水分が不足しがちです。また、感覚機能が年齢とともに低下し、暑さや喉の渇きを感じにくくなっています。このため、高齢者は脱水症状を起こしやすいのが特徴です。さらに、体の調節機能の衰えで汗をかきにくく、体内の熱を体の外に放出しにくい特徴も…。高齢者は、若い方と比較して熱中症のリスクが高いため注意が必要です。

これらが原因となり、高齢者は、自分では気がつかないうちに脱水症状や熱中症に陥ってしまうことがあります。予防策としては、水分補給が大変重要です。高齢者が暑さで体調を崩さないためには、定期的に必要な水分量を補うことがポイント。次の項では具体的な水分補給の量やタイミングの目安をご紹介していきましょう。

【高齢者の水分補給】目安の量とタイミング

高齢者の熱中症対策として必要な水分量と、水分補給のタイミングを解説していきます。

高齢者が1日に必要な水分量の目安は1リットル~1.5リットル

脱水症状や熱中症を予防するために重要なポイントは、排出された水分量を効果的に補うこと。体は呼気・汗や排泄で1日に約2.5リットルの水分を排出すると言われています。バランスをとるため、体は1日に約2.5リットルの水分の摂取が必要です。

「1日2.5リットルが必要」と聞くと多く感じますが、すべてを飲み物から摂取する必要はありません。食事から摂取できる水分や、体の中で作られる水分もあり、それらを考慮すると、1日に飲み物から摂取が必要な水分量は1リットル~1.5リットルです。汗をかいた日はやや多めを心がけるなど、体調や環境によって調節しましょう。

水分補給のタイミングは?

1回で多くの飲料を飲むのは大変です。「喉が渇いた」と感じてからの水分補給はタイミング的に遅いとも言われています。水分補給はこまめにすることがポイント。目安としては1回200ミリリットルの飲み物を1日に6~7回に分けて摂取するイメージです。

タイミングとしては、「起床時・朝食時・昼食時…」など、こまめに飲み物タイムを設定しましょう。庭仕事やリハビリなど、体を動かす予定がある場合は、その前後のタイミングでの水分補給も大切です。

こまめな水分補給を促すには?5つのコツを紹介

高齢者にとっては、1日に1リットル~1.5リットルの飲料を飲むこと簡単ではないかもしれません。飲み忘れてしまうことや、負担に感じることもあるでしょう。そこで、高齢者のこまめな水分補給のコツを5つご紹介します。

コツ1:水分補給の時間をあらかじめ決めてルーティーンにする

飲み忘れを防いでこまめに水分補給するには、あらかじめ「時間を決めて飲む」ことが大切です。起床時・朝食時・午前のティータイム・昼食時・おやつの時間・夕食時・就寝前…といったように、ルーティーンにしてしまえば忘れにくいでしょう。

コツ2:水やお茶以外のラインナップで飽きない工夫をする

「毎回同じ飲料では飽きてしまう…」という高齢者の方もいるかもしれません。そのようなときはお茶やお水だけでなく、好みの味のジュースなども取り入れて、楽しみながら水分補給できるよう工夫しましょう。幅広いラインナップから選べば、飽きることもないはずです。

ただし、コーヒーや紅茶といった利尿作用がある飲み物は水分補給にはあまり向きません。お茶類であれば麦茶などのノンカフェインのものがおすすめです。また、汗を多くかいたときは、適度に塩分と糖分を含む飲料を飲むことが大切です。脱水に備えて、スポーツドリンクや経口補水液などもうまく活用していきましょう。

コツ3:スープや味噌汁など体が冷えないものも取り入れる

「水分補給はお腹が冷えるから嫌…」という方は、お湯や温かいお茶はもちろん、スープや味噌汁などで水分を摂取するのも良いですね。水分補給は毎回冷たい飲み物でなくても構いません。「温かい飲み物」の選択肢を設けて、水分補給の際のストレスを解消していきましょう。

コツ4:ゼリーなど水分が多いおやつもおすすめ

「飲む」ことが負担であれば、水分が多い食べ物を代わりにしても良いでしょう。たとえばフルーツゼリーや牛乳寒天をおやつに取り入れるなどです。みずみずしい果物を積極的に食べる、食事のごはんをお粥にするなどでも摂取水分量を増やすことができます。

暑い日であればかき氷を取り入れるのもおすすめです。季節感のある食べ物だと喜ばれるでしょう。

コツ5:トイレのストレスを軽減する

高齢者の中には「自分でトイレに行くのが大変」「介助が必要で申し訳なさがある」といった理由から、飲み物を我慢してしまう方も…。トイレのストレスを減らすことも、こまめな水分補給を促すために重要です。

ポータブルトイレを身近な場所に準備しておく、家族や介護者がこまめにトイレの声がけとサポートを行う、といった工夫もこまめな水分補給を促すために欠かせません。

高齢者の熱中症はこまめな水分補給で予防・対策!

高齢者は脱水症状や熱中症を引き起こしやすいため、日頃から意識して水分補給タイムを作ることが大切です。水分補給をこまめに行い、暑い日も元気に過ごしてもらいましょう。高齢者好みの飲料や、温かい飲み物、デザートなどをうまく取り入れて、暮らしの中で自然に水分補給ができるといいですね。汗をかいた日はスポーツドリンクや経口補水液などもぜひ活用してくださ

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