介護職が知っておきたい!利用者さんの「昭和語録」
「ご不浄に行きたい」と言われて、あなたはすぐに対応できますか?不意に出てくる昔の言葉に、意味を聞き直した経験が誰しも一度はあるはず。そこで、この記事では70代以上の利用者さんがよく使う「昭和語録」をご紹介します!記事の最後では昭和のギャグも紹介しているので、普段の会話で使ってみるのも良いでしょう。介護現場で働いている方、昭和語録に興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
人を表すときの言葉
人を表す言葉は次のようなものがあります。
① じゃりんこ・じゃり
やんちゃな子供や子供全般を意味する「じゃりんこ(じゃり)」。「じゃりんこが外で遊んでる」とは、「やんちゃな子供が遊んでいる」という意味です。
②アベック
カップルや夫婦、男女の組み合わせを意味する「アベック」。「あの2人はアベックなんだよ」と言われたら「あの2人はカップルだ」と伝えたいのでしょう。
③細君(さいくん)
「細君」は「自分の妻」や「後輩の妻」を指す言葉です。「あんたのとこの細君はきれいだね」と言われたら、「あなたの奥さんはきれいな人だ」と褒められています。
④ハイカラ
流行を追ったり、新しいものを好んだりする人や、様子を指す言葉です。「ハイカラな着物を着ている」とは「流行のおしゃれな着物(服)を着ている」と指しています。
⑤器量(きりょう)よし
「器量」とは能力や人徳、顔立ちなどを意味する言葉です。「器量よし」は主に顔立ちに対して言う言葉で、「彼女は町一番の器量よし」は「彼女は町一番の美人」であると意味します。
物の名前を表すときに使う言葉
物を表すときの昔ながらの言葉は、次のようなものがあります。
①ご不浄(ふじょう)
「ちょっとご不浄に行ってきます」の「ご不浄」とはトイレのこと。雪隠(せっちん)、厠(かわや)、憚り(はばかり)と言うこともあります。
②舶来物(はくらいもの)
海外で購入したものや輸入品を意味する「舶来物」。外国に行ったことのある利用者さんが使うことがあるでしょう。
③誂物(あつらえもの)
頼んでおいた物、注文して作らせた物を意味する言葉です。「誂物の服を着るのが好きじゃった」とは、「注文して作ってもらった服を着るのが好きだった」ことを意味します。
④汽車
「汽車に乗って東京まで行ったのよ」の「汽車」には、JR、電車、蒸気機関車などのさまざまな意味が含まれています。
⑤メリケン粉
料理の場面で耳にする「メリケン粉」とは、小麦粉のこと。「そこのメリケン粉を取って」と言われたら、小麦粉を渡してあげましょう。
衣類に関する言葉
衣類に関する言葉は日常会話でよく使いますので、ぜひ理解しておきましょう。
①オーバー
コートを指す言葉で、外套(がいとう)と呼ばれることもあります。
②別珍(べっちん)
綿ビロードの通称。綿やポリエステルが使われた織物で、柔らかい手触りが特徴です。
③シミーズ
胸元から太ももまでを覆う長いキャミソールのような下着。今ではスリップと言うことも。
④ももひき
腰から脚部を覆う男性用の下履き。脚にぴったりとくっついた防寒用のズボン下を意味します。
⑤トックリセーター
とっくりのように長い襟のある服。今で言うタートルネックセーターです。
昭和のギャグ
最後に、昭和時代から平成初期に流行ったギャグをご紹介します!
① 「あたり前田のクラッカー」
「当たり前」を意味するジョークの1つ。前田製菓のCMで流行した言葉です。「そんなのあたり前田のクラッカーですよ」と言ってみると、笑いが取れるかもしれませんね。
②「冗談はよしこちゃん」
「冗談はよしこちゃん」とは、「冗談はやめてよ」を意味するギャグ。普段の会話の中に入れてみるのも良いでしょう。
③「いくつになっても甘えん坊」
お笑い芸人・間寛平さんのギャグの1つ。2022年の吉本新喜劇でも使われ、根強い人気を誇るギャグです。
④「聞いてないよォ」
1993年に流行語大賞を受賞したほどの人気ギャグ。ダチョウ倶楽部が生み出したギャグの1つで、「聞いてないよォ」とぼやく姿がお茶の間に笑いを届けていました。
⑤「よっこいしょういち」
利用者さんが立ち上がるときに「よっこいしょういち」と呟いていませんか?実は、残留日本兵・横井庄一さんの名前をきっかけに生まれた言葉。重い物を持ち上げるときに使ってみても良いですね。
昭和語録を理解して利用者さんの心を掴もう!
今回は昭和語録の単語やギャグをご紹介しました。衣類や物の名前に関する言葉は、日常生活で使う機会も多いので、ぜひ覚えておきましょう。昭和語録を理解すれば、利用者さんの発言が理解できず困ることも減るはずです。昭和語録を使って、利用者さんと楽しく会話ができると良いですね。