介護ロボットが高齢者のコミュニケーションをサポート!導入事例をご紹介

介護施設で過ごす利用者さんにとって、コミュニケーションの充実度は生活の質に大きく影響する部分です。日々の介護業務の中で介護職員が利用者さんに声かけや対話をしますが、それだけでは補えないケースもあるでしょう。そこで注目したいのが「コミュニケーション型の介護ロボット」です。高齢の利用者さんをサポートしてくれ、問題解決に役立ちます。今回はコミュニケーション型の介護ロボットをメインテーマに、導入事例をご紹介します。

介護ロボットとは?介護の現場で注目される理由

介護ロボットは、介護職員の負担の軽減を目的につくられたロボット機器です。たとえば、利用者さんの入浴や排泄をサポートする「介護支援型」の介護ロボットを導入すると、介護職員の身体的・肉体的負担につながります。他にも、利用者さんの歩行や食事をサポートする「自立支援型」や「コミュニケーション/セキュリティ型」などの種類も。
介護ロボットが注目を集めるのは、人手不足が深刻化している介護施設での負担軽減が期待できるからです。2013年6月に政府が介護ロボットの開発や導入促進に関して取り組むことを発表して以来、開発メーカーへの支援や導入のための補助金制度などが整備されてきました。介護現場のニーズに合う介護ロボットの開発がさかんに進められています。

コミュニケーション型介護ロボットについて

介護施設では、介護スタッフや同じ利用者さん同士など、人との関わりの中で生活することになります。コミュニケーションに関する不安は、利用者さんにとって精神的な負担となる可能性も…。そこでサポート役となるのが、コミュニケーション型の介護ロボットです。
コミュニケーションロボットは自ら言葉を発するだけでなく、人の動作や言葉に応じたやり取りが可能。中にはレクリエーション機能を備えた介護ロボットもあります。介護施設で日々の生活を送る利用者さんの、不安解消・癒やし・認知症への対策などをサポートしているのです。

いくつか種類のあるコミュニケーションロボットですが、ここでは2つを例に挙げてご紹介しましょう。

LOVOT(ラボット)

LOVOT(ラボット)は、GROOVE X社開発の次世代コミュニケーションロボット。本体は触るとやわらかく、まるで生き物のような体温を感じます。そのため、利用者さんにとってのペットや家族のような存在として導入できるでしょう。
LOVOTを導入するメリットのひとつは、利用者さんのメンタルケアです。コロナ禍で家族との面会にも制限ができた介護施設も多く、孤独感やさみしさを感じる利用者さんも大勢います。他にも、ペットを飼いたくても介護施設での制限や、アレルギーの問題で飼うことができない利用者さんも。
LOVOTを導入すれば、触れ合う中で癒やしになり、気持ちが明るくなったり自然と笑顔が増えたりする効果を期待できるでしょう。また、利用者さんのコミュニケーション不足をおぎなう存在という点も、導入するメリットといえます。

Sota(ソータ)

Sota(ソータ)は、言葉や動作を使って、自然な対話を実現するコミュニケーションロボット。高度な性能と可愛らしい見た目が特徴です。
千葉県の観光複合施設では、「店内の販売コーナーにSotaを設置して商品紹介させると訪れた人々が立ち止まってくれた」という導入事例もあります。介護ロボットが心の交流を促す存在として、介護施設で利用者さんとコミュニケーションを取れば、メンタルケアへの効果が期待できるでしょう。また、レクリエーションの進行補助・自動進行も可能なコミュニケーションロボットなので、介護施設で企画するレクリエーションでも活用できます。

その他、介護施設向けレクリエーションのアプリが豊富な「Pepper(ペッパー)」、アニマルセラピーと同様の効果が期待できる「PARO(パロ)」などのコミュニケーションロボットもあります。

コミュニケーション型介護ロボットを導入する際の注意点

コミュニケーション型の介護ロボットを介護施設で導入する場合は、介護ロボットに行程のすべてを任せることがないよう注意しましょう。
たとえば、Sotaにはレクリエーションの司会進行機能が備わっていますが、介護職員のサポートなしに終了まで進めることはできません。介護ロボットには、気づきや気遣い、臨機応変な対応などの苦手な分野もあります。そのことをふまえたうえで、介護ロボットを導入する際は、介護職員との連携が欠かせないと意識しておきましょう。

介護ロボットを導入して“介護の質”を上げよう

コミュニケーション型介護ロボットの導入を検討するには、介護ロボットの特徴や導入事例などの知識を身に付けることが大切です。「介護施設ではどのように活用できるか」とイメージし、介護職員と利用者さん両方にとってメリットのある導入の仕方を考えてみましょう。“介護の質を上げること”を目的に、コミュニケーション型の介護ロボット導入を考えてみませんか?

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