潰れる介護施設には特徴がある!?介護職のためのチェックポイント
介護施設や福祉施設が倒産するときには前兆があるといわれていることをご存知でしょうか。本記事では、潰れる介護施設にみられる特徴をご紹介し、その前兆に気付いた場合に介護スタッフはどう行動したらいいか解説していきます。「うちは大丈夫」と思っている方も、備えて対応を心得ておくことは無駄にはならないはずです。職場の万が一で慌てないよう、ぜひご確認ください。
介護施設は潰れるケースがある?!
東京商工リサーチの集計によると、介護施設や福祉施設の2022年1月~9月の倒産件数が前年と比較して増加しているそうです。
2022年は過去最多の倒産件数?
2021年1月~9月の倒産件数51件に対して、2022年の同期間の倒産件数は100件。2000年以降、この期間の倒産件数が100件に達した例はないそうです。ちなみに、2020年の倒産件数は過去最多で118件。2022年はこの件数を超す勢いともいわれています。
売上不振が大部分を占めている
介護施設が潰れる理由としては、売上不振が大部分を占めています。大手介護施設との競争激化や介護報酬のマイナス改定で経営が厳しいなか、コロナ禍の影響で負担が増えて倒産するケースも少なくないのが現状です。スタッフ数の不足や高齢化により、存続が難しくなる施設もあります。
いち早く察知したい!潰れる介護施設の特徴
ここからは潰れる介護施設の特徴をチェックしていきましょう。ポイントを4つ解説していきます。潰れる前兆が分かれば、前もって対策を講じることも可能です。
潰れる介護施設の特徴4つ
- 利用者さんが減る・空室が目立つ
- 設備の修理や修繕が行われていない
- 介護職員の賞与などが急になくなる
- 退職者が目立つ
利用者さんが減る・空室が目立つ
潰れる介護施設の特徴のひとつが、利用者さんが減ることです。利用者さんがいるからこそ、介護施設は成り立ちます。利用者さんが激減すると施設の収入も減少し、潰れる可能性が上がると考えられるでしょう。
入居型の施設の場合、明らかに空室が目立つときは警戒を。空室時でも賃借料や設備の維持費はかかります。稼働率が下がると経費的な負担は大きくなり、資金繰りが厳しくなると考えて良いでしょう。
設備の修理や修繕が行われていない
介護施設の修理や修繕が行われず放置されているケースも、潰れる介護施設の特徴といえるでしょう。介護施設に、設備の修理や修繕に費やす資金的な余裕がない可能性が考えられます。ほかにも、度が過ぎるほど経費削減をしている場合は気をつけておきましょう。
介護職員の賞与などが急になくなる
介護職員の賞与が急になくなる、報酬が下がるといったケースも、潰れる介護施設の特徴です。運営において採算をとるために賞与を少なくしている可能性や、賞与や報酬が十分に支払えないほど経営が難しくなっている可能性があります。
退職者が目立つ
退職者が増え、介護スタッフが不足しているときも注意です。賞与のケースと同様に、採算をとるために人員削減している可能性があります。介護スタッフが不足すると、利用者さんへ満足のいくサービスを提供することが難しくなり、利用者さんが離れてさらに経営が厳しくなる場合もあるでしょう。
前兆に気づいたらどうする?
潰れる介護施設の特徴から前兆を察知した場合、どうしたら良いのでしょうか。
潰れる前兆を察知したらしておきたいこと
- 失業保険を確認する
- 転職先を検討しよう
失業保険を確認する
介護施設が潰れそうなときは、失業保険の確認を。パートやアルバイトでも失業給付の対象となる場合があります。ハローワークでの手続きが必要となるため、必要書類なども含めて調べておきましょう。
転職先を検討しよう
介護施設が潰れるケースを想定して、次の仕事を探すことも重要です。失業給付を受ける場合は、求職活動中であることが条件のひとつ。失業給付を受け取りながら転職先を探すか、失業給付を受け取らずにすぐ就職できるよう転職活動をするか、なども検討しましょう。
潰れる介護施設の特徴を知って危機回避
潰れる介護施設には、利用者さんが減少する・空室が目立つ・経費削減が顕著になるといった特徴があります。前兆を察知したら早めに失業保険の確認や転職の見通しを立てておくと、いざというときに動きやすいでしょう。「今は関係ない」という方も、潰れる介護施設の特徴を把握しておくといざというときに役立ちます。備えあれば患いなしです。