介護施設の利用者さんやご家族からのクレーム?!適切な対処法とは
介護施設は利用者さんを預かる施設のため、ご本人を含め、ご家族からのクレームを受ける機会が少なからずあります。大切な家族を預ける場所だからこそ、対応が不十分だと感じてクレームになるケースは多いです。そこで今回は、介護施設におけるクレーム内容の特徴や、利用者さんやそのご家族からのクレームの対処法について解説します。介護施設で受けやすいクレーム内容や対処法を知りたい方は、ご一読ください。
介護施設で受けやすい利用者さんやご家族からのクレームとは?
介護施設で受けやすい利用者さん、ご家族からのクレームは以下の4つです。
- 費用が高い
- 優先的に大切に扱ってほしい
- 損害を受けたから賠償してほしい
- 機能や品質が不足している
介護スタッフとして一生懸命対応していたとしても、利用者さんや、ご家族が不満足と感じればクレームになってしまいます。大切な家族を預けているからこそ求められることも多くなりがちということを念頭に置き、まずは真摯に対応することを心がけましょう。
クレームは初期対応が肝心!
クレーム時は初期対応が肝心です。とくに介護スタッフが誤って利用者さんにケガをさせてしまったというときは安易に対応せず、まずは事実確認を行います。ご家族への説明は、現状把握できていることのみにし、ほかの介護スタッフと伝える内容が異なるという事態を避けるようにしましょう。不十分な情報は、ご家族に不信感を抱かせる要因になるため注意する必要があります。
また、クレーム時はすぐにお詫びの言葉を求められることもありますが、クレーム内容そのものにすぐ謝罪する行動はNGです。明らかに介護スタッフの落ち度だと分かるケース以外は、以下のポイントを押さえてお詫びの言葉を述べましょう。
- 話を聞くのが遅くなってしまったこと
- 不快な思いをさせてしまったこと
嫌な思いに早く気づけなかったことに対する謝罪は、相手の気持ちに寄り添う効果もあるので、接遇的な視点で見ても良い対応といえます。
介護職なら知っておくべきクレームの対処法
ここからは、介護施設で働くうえで知っておいてほしい、利用者さんとそのご家族からのクレームに対処する方法をご紹介します。
訴えたい内容や興奮度合を把握する
クレームを聞くときは、何を伝えようとしているのか、興奮度合いも客観的に見ながら受け止めることが大切です。以下のポイントを押さえて、まずは聞く姿勢を持つようにしましょう。
- どんなところに不満を感じているのか
- どんな対処を望んでいるのか
- どのくらいの熱量でクレームを伝えようとしているのか
- どうしたら満足してもらえる対応ができるか
責任者と話をしたいという方もいるかもしれませんが、まずは最初に対応したスタッフが上記ポイントをおさえながら、傾聴しましょう。すぐに責任者が対応することで早期解決する場合もありますが、興奮状態が治まらないときの最終手段として、責任者を残しておくほうが良いケースもあります。
最後まで傾聴する
介護の現場では、相手の話に関心を向け、共感する「傾聴」の姿勢が重要です。介護施設における利用者さんやご家族からのクレーム対応においても傾聴することを忘れず、とにかく最後まで聴くようにしましょう。
会話のスピードに合わせた相槌やアイコンタクトを心がける
クレーム内容によっては、つい口を挟みたくなることもあるかもしれませんが、そこはぐっと我慢。相手が興奮状態で話しているときほど、会話に合わせた相槌やアイコンタクトのみを取り、話に割り込むことはしないようにしましょう。
中には、ボイスレコーダーなどに記録して、こちらの反応だけを切り取り、訴えに持ち込むようなクレーマーもいます。理不尽なクレーム内容でも反論はせず、まずは真摯に聴く姿勢を貫くことが大切です。
相手の立場になり、共感の姿勢を示す
一通り傾聴し利用者さんやご家族の興奮が治まったら、まずは相手の立場になり、共感の姿勢を示しましょう。そして、クレーム内容を把握したうえで、介護施設としてできること、難しいことなど説明し、できるだけ対応していくことを伝えます。利用者さんやご家族との関係性がよっぽど崩れていない限りは、介護施設側の事情も伝えることで理解を示してくれるケースも多いです。相手の立場になって共感の姿勢を見せつつ、介護施設側の事情も踏まえながら、できるだけ要望に応えるという姿勢を示すようにしましょう。
クレームを要望ととらえ、お礼の言葉を添える
クレームを言う側の心情には、介護施設に対するアドバイスや指導という意味合いを込めていることも少なくありません。より良い運営を目指せる内容のときは「業務改善のきっかけをくださり、ありがとうございます」といった言葉を添えることをおすすめします。
上司や責任者へクレーム内容を伝え、引き継ぎする
介護施設の利用者さんやご家族からのクレーム内容は、上司や責任者と共有しておくことが大切です。多くの介護施設では、クレームや苦情専用の記録様式があり、責任者などへ提出するようになっています。クレーム内容を正確に引き継げるよう、報告書にまとめて共有するようにしましょう。
クレームを受けても焦らずまずは傾聴しよう
介護施設における利用者さんやご家族からのクレームは、まずは傾聴することが大切です。理不尽な内容だとつい口を挟みたくなりますが、最後まで聴く姿勢を貫くようにしましょう。解決に向けて話し合いをするときは、相手の興奮が治まっているときが理想です。相手の感情につられて感情的にならないよう、注意して対応してくださいね。