訪問歯科の求人が増加中?外来診療とは異なるその役割とは

訪問歯科診療とは、歯科医師・歯科衛生士が対象者の元へ訪問して診療を行う制度です。「一人で外出することに不安がある」「要介護で外出が難しい」といった悩みを抱える高齢者が増えている近年では、訪問歯科に力を入れる歯科医院も増えています。訪問歯科の求人については、外来診療と訪問診療を兼務するパターンだけでなく、訪問歯科専門の求人も少なくありません。本記事では、現役・求職中の歯科衛生士の方に向けて、訪問歯科の仕事内容ややりがいなどの情報をお届けします。

訪問歯科の求人をチェックする前に!訪問歯科診療とは?

<訪問歯科の診療内容>

  • 虫歯や歯周病の治療
  • 抜歯
  • 入れ歯や義歯の調整と作成
  • 被せ物や詰め物の作成
  • 嚥下リハビリ
  • 口腔ケアや衛生指導

訪問歯科診療は、通院が難しい高齢者を対象に、歯科医師・歯科衛生士が自宅や介護施設、医療機関を訪問して診療を行う制度のこと。歯や口腔内に何らかの悩みを抱えていても、通院できないからと診療を諦める高齢者もいます。そんな高齢者にとって、“自身で診療に行くのではなく、診療に来てもらう”という診察方法の訪問歯科は強い味方です。訪問歯科の求人に注目が集まる理由のひとつと言えるでしょう。

訪問歯科の対象者・利用条件

訪問歯科は保険診療なので、対象者は“疾病・傷病による通院困難者”と定められています。

<訪問歯科の利用条件>

  • 要介護状態区分のみに基づいて形式的に判断されない
  • 医科の外来診療を受けている患者でも可能な場合あり

これらの条件を元に、歯科医師が患者さんに合わせて適正な判断を行います。なお訪問歯科は原則保険適用ですが、歯科医院から患者さんのいる診療場所までが半径16km圏内であることが条件です。16kmを超える場合は保険診療ではなく自費治療となります。

訪問歯科での歯科衛生士の仕事内容は?

訪問歯科での歯科衛生士の仕事は、一般的な外来診療と同じ内容です。歯科衛生士資格以外に必要なものは特にありませんが、歯科衛生士が患者さんの元へ車で訪問するケースを考えると、運転免許証を持っていることが推奨されます。

歯科衛生士の仕事その1:患者さんと医院をつなぐ

患者さんの自宅や介護施設へ訪問する際に、依頼を受けたりやり取りを行ったりするのは歯科衛生士の仕事です。歯科医師の指示で訪問準備をする、必要な道具をそろえる、なども仕事に含まれます。介護施設からの依頼では担当のケアマネジャーを通じてやり取りすることが多く、施設の利用者さん全体の診察を行うケースもあるでしょう。

歯科衛生士の仕事その2:訪問先での診察の補助

外来診療と同じく、歯科医師の補助を行います。スムーズな診察のための補助をはじめ、器材の洗浄、事務作業も歯科衛生士の仕事です。

歯科衛生士の仕事その3:急患対応

訪問歯科では、急患対応が必要なことも少なくありません。突然歯が痛くなったり、詰め物が取れたりと、イレギュラーなスケジュールをこなすこともあるでしょう。急患対応は、訪問歯科が終わった後など予定外のタイミングに発生することが多いので、夕方や夜間に対応するのが一般的です。

訪問歯科の求人チェックに欠かせない“やりがい”

訪問歯科の求人をチェックする際は、外来診療とは異なる訪問歯科ならではの仕事のやりがいを知っておくことをおすすめします。
やりがいとしてまず挙げられるのは、仕事を通じて幅広い経験ができることです。訪問歯科では患者さん一人ひとりのお悩みに応じた対応が求められます。イレギュラーな診療が発生することもあり、外来診療にはない経験を通してやりがいを感じられるでしょう。
また、常に新しい環境で仕事をできるところも訪問歯科ならではのやりがいです。外来診療では歯科医院に患者さんが訪れるため、歯科衛生士は日々同じ環境で仕事をこなすことになります。異なる依頼先を訪れて診察する訪問歯科は、常に新鮮な気持ちで働きたいという歯科衛生士にとって魅力と言えるでしょう。
他にも、患者さんの元へ出向いて診察するため深く関わりを持てる点など、訪問歯科だからこそ味わえるやりがいもあります。

訪問歯科の求人に注目が集まる今、選択肢のひとつに

高齢者にとって、訪問歯科は自身の歯の健康を維持するためのひとつの手段です。さまざまな悩みを抱える高齢者のサポート役として、“訪問歯科を行う歯科衛生士”を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。「訪問歯科の求人に興味がある」「歯科衛生士としての新しい働き方を探している」そんな方の参考になれば幸いです。

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