介護施設でもSNS活用が常識?!集客や採用に運用のコツをチェック
近年、民間の企業やブランド、サービスなどの専用SNSページを目にする機会がグッと増えました。介護施設も例外ではありません。そこで本記事では介護施設におけるSNS活用のコツや事例を紹介。「公式SNSを立ち上げるメリットは?」「介護施設のPRにSNS活用を促進したいけど、コツは?」といったお悩みや疑問にお答えしていきます。SNSページの導入を検討している介護施設の方々にチェックしていただきたい内容です。
介護施設の集客や採用でSNS活用
介護施設でSNS活用をすると集客や採用などさまざまな面で戦力となります。まずはSNSがどのような活躍をするのか、SNSの種類にはどのようなものがあるのか、概要を紹介していきましょう。
SNSで何ができるの?
SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略。社会的なネットワークをつなぐサービスのことで、伝えたい情報を広く発信できます。リアクション、コメントやダイレクトメッセージ機能などを通して発信者と利用者が相互コミュニケーションをとれるのが魅力です。
介護施設でSNS活用をすれば、施設の様子や採用情報などを文章だけでなく画像や動画で広めることができます。介護施設のファン作りや、施設利用者さんやそのご家族への情報発信、人材の採用などで導入する施設が増えているのが現状です。
SNS活用のメリット4つ
介護施設におけるSNS活用のメリットには次の4つが挙げられます。
- リアルな雰囲気を伝えやすい
- 幅広い年代へアピールできる
- DMなどで直接連絡をとることができる
- 社内で運用できれば宣伝費など出費が少なく済む
まず挙げられるのが、リアルな雰囲気を伝えやすいという点です。介護施設の様子や出演者が話す様子を画像や映像で発信できるため、臨場感ある内容を届けることができます。
さらに、幅広い年代にアピールできるところもメリット。SNSは利用者数が多く、利用するSNSサービスによってさまざまな年代にアプローチできるツールです。発信内容やターゲットごとにSNSを使い分ければ、より効果的に情報を拡散できます。
また、コメント機能やダイレクトメッセージ機能を通して介護施設や投稿内容に興味を持ってくれた方と直接連絡をとれる面もSNS活用のメリットです。
SNSの利用は基本的に無料。施設の宣伝や採用を費用負担の心配なく行えるのは大きな魅力でしょう。
SNSの種類
SNSにはさまざまな種類があります。介護施設で利用されることが多い代表的なものをピックアップして特徴をご紹介していきましょう。
若者へのアプローチに強い「Instagram」
Instagram(インスタグラム)は写真や動画、文章の投稿ができるSNS。総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると若い世代の利用者が多く、20代の78.6%が利用しています。
集客性の高さが魅力で、施設の雰囲気を多くの人に発信したい、ファンを作りたい、といったケースで便利です。定期的に更新して施設利用者さんやその家族に楽しんでもらうといった使い方もできます。
拡散力に優れた「X(旧Twitter)」
X(エックス)は140文字の短文と、画像や動画を投稿できるSNSです。リアルタイムで情報を拡散したいときに活躍します。次から次につぶやくユーザーが多く、情報更新のスピードが速いのが特徴。
インスタグラムと同様に若い世代のユーザーが多く、介護施設で活用するなら新卒を対象とした採用での導入がおすすめです。
音楽やエフェクトが充実した「TikTok」
TikTok(ティックトック)は、15秒、60秒、3分の短い動画を音楽やエフェクト(効果)をつけた編集で拡散できるSNS。10代の利用者が多いところが特徴です。
人気が出ると、一気に他のSNSを通して広まりやすい特徴もあります。介護施設で働く方や利用者さんの様子を伝えたいときなどに活用している例もあるようです。
多くの方にアピールできる「YouTube」
YouTube(ユーチューブ)は自由に動画を投稿できるSNS。数分単位の動画から数十分に及ぶ動画までアップできるため、情報をじっくりと伝えることに特化しています。同上の総務省の調査によると、10代~40代で90%以上、50代で80%以上、60代でも60%以上の利用率で、幅広い年代の方へアピールできるのが強みです。
介護施設では採用を目的とした投稿で活用させることが多いツールです。経営者からのメッセージや介護スタッフへのインタビューなどをアップする例などがあります。
介護施設でのSNS活用のコツは?
介護施設でのSNS活用は、やみくもに始めると運用が負担になったり有意義な内容をアップできなかったり、うまくいきません。ここからは介護施設におけるSNS活用のコツを分かりやすく解説していきましょう。
目的を持って活用する
介護施設でのSNS活用は、目的を持つことがポイントです。目的によって相性が良いSNSは異なります。介護施設のファンを増やすため、新卒採用のため、中途採用のため、など、目的を定めてターゲットを設定して運用していくとうまく進めやすいでしょう。
たとえば
- 新たな入居者さんや施設のファン獲得を目的としてInstagramで施設の魅力を発信していく
- 採用を目的として、YouTubeで実際に施設内のスタッフの1日の様子を発信していくなどです。
目的が明確になると、求職者や入居希望者などターゲットにとって魅力的な内容で効果的に運用していきやすくなります。受け手側がアカウントをフォローすることで自身のニーズに合った有意義な情報を得られるので、フォロワーも増えやすいでしょう。
定期的に更新する
介護施設でのSNS活用のコツとして、定期的に更新することも大切。SNSを立ち上げたまま更新しない、たまにしか更新しない、といったアカウントにはフォロワーがつきにくいものです。
定期的に更新することで、介護施設に興味を抱いたり、次の更新もチェックしたいとフォローしてくれたりするユーザーが増えるでしょう。
更新者を決める
介護施設でのSNS活用では、更新者を決めることもポイント。日々の業務が忙しい中で充実した内容のSNSを更新するのは簡単ではありません。できればSNS更新をひとつの仕事として、担当者を決めて内容を吟味して更新できる環境を整えましょう。
介護施設でのSNS活用例をチェック!
SNSを活用してスムーズに求職者と連絡をとったり、入居者数を伸ばしたりしている介護施設もあります。介護施設でのSNS活用例を見ていきましょう。
兵庫県の介護老人福祉施設Yでは、採用を目的に数年間かけてSNSで情報を発信しています。Instagramのフォロワーは2万人を超えていてTikTokも人気。出演している入居者さんのファンも多く、スタッフと入居者さんとの微笑ましい関わりが垣間見え、興味を抱く求職者もいるのだそうです。
京都府のデイサービスKでは、施設のファン作りのために社長がInstagramを更新しています。介護と田舎暮らしを絡めた発進には多くの関心が寄せられ、8万人以上のフォロワーがついているのがすごいところ。フォロワーが実際に施設へ足を運ぶこともあり、こうした交流を大事にされているそうです。
介護施設でのSNS活用の注意点は?
介護施設でのSNS活用には、注意しておきたいポイントもあります。
SNSは施設に興味を持ってもらうためのツール
SNSは介護施設の雰囲気や情報を伝える他、介護施設のイメージ作りにも大きく貢献します。しかし、実際に足を運んでくれた利用希望者さんや求職者のなかにはイメージと現実のギャップでガッカリしてしまうケースもあるのだとか。SNSはあくまでも興味を抱いてもらうためのツールです。イメージ戦略だけにとらわれず、施設の環境を整えることも重視しましょう。
炎上に注意しよう
SNSは、否定的な内容や一般的な価値観から逸脱した内容を投稿することで非難や批判が殺到し「炎上」するケースもあります。小さなつぶやきやひとつの動画が施設への信頼を失うキッカケとなるリスクもあることを念頭に置き、更新の際は常に細心の注意を払いましょう。
介護施設の魅力をSNS活用で広めてみよう
楽しい画像や動画がキッカケとなり、介護施設や介護職に興味を抱く若い世代がいます。「SNSに出ていたあのスタッフさんにお世話になりたい」と、施設を選んでくださる高齢者の方やそのご家族の方もいるかもしれません。介護施設でのSNS活用で、新たな可能性が生まれることがあります。運用を検討している施設では、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。