岡山県の介護事情について知りたい!求人や給与についても解説
岡山県は、中国地方の中で広島に次いで2番目に人口が多く、晴れの日が多いことから『晴れの国』と呼ばれています。県内には海・山・川を有し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれている地域です。この記事では、そんな岡山県の介護事情にスポットを当て、現在の高齢者事情とともに介護職員の求人や給与について解説していきます。岡山県で介護職に携わりたい、転職したいという方は参考にしてください。
岡山県の高齢者事情
まずは、岡山県の高齢者事情について、全国との比較や県独自の取り組みなどについて見ていきましょう。
岡山県の高齢者事情
総務省統計局の国勢調査(2020年)によると、岡山県の総人口は約188万人で、そのうち65歳以上は約55万人。割合でいうと30.7%と発表されています。総人口は、2005年の196万人をピークに減少傾向にあるものの、65歳以上の高齢者人口は年々増加しているのが現状です。将来推計では、高齢者の人口は2025年頃に最初のピークを迎えた後、2040年頃に再びピークとなることが予想されています。生産年齢である15~64歳の人口は減少が継続しており、2020年から2025年の5年間で3万人減少する見込みです。高齢者の人口はピークを迎えてからも減少することはなく、高止まりで推移すると予想され、今後も高齢化が進むことでしょう。
岡山県と全国平均の比較
岡山県が発表した2022年版「101の指標からみた岡山県」によると、全国の高齢化率が28.7%に対し、岡山県は30.7%(2020年10月時点)です。2016~2020年の推移をみると、岡山県と全国値はほぼ同率で増加傾向にあることがわかります。さらに、75歳以上の後期高齢者の割合で見ても、全国値は14.8%に対し岡山県は16.3%と少し高めで、全国的に見ても高齢者が多い県と言えるでしょう。
岡山県の高齢者に対する取り組み
後期高齢者が増加すると、これまで以上に介護サービスやそれを支える人材の確保、支援の必要な高齢者の方への対応が大きな課題となっていきます。岡山県では、高齢者の方が要介護になっても、可能な限り住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう、地域包括ケアシステムを地域の実情に合わせて構築してきました。地域包括ケアシステムを中核とし、地域住民がお互いに支え合い、生きがいや役割を持って助け合いながら暮らせる地域共生社会の実現を目指しています。
また、岡山県では県が取り組むべき最重要計画として、2021年に「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」を策定。県民が明るく笑顔で暮らせる将来の実現を目指したさまざまな施策が盛り込まれています。岡山県が将来目指すべき姿を描く長期構想と、実現に向け重点的に取り組む行動計画から成り立っている同計画。医療や福祉の分野においても需要の変化に対応しながら、元気な高齢者が働き手となり地域を支える側として、長く活躍できる社会を目指しています。
岡山県の介護職員数・離職率
ここでは、岡山県の介護職員数や離職率について見ていきましょう。
厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」によると、2019年度の岡山県の介護職員数は、34,453人でした。介護サービス見込み量などに基づき推計した介護職員の必要数は、現状推移シナリオによる介護職員に比べると数が多く、今後も人手不足が予測されていることが分かります。
離職率について、介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査結果 都道府県版」(2020年度)によると、岡山県の介護職員・訪問介護員の離職率は、14.3%でした。全国値は14.9 %なので、0.6ポイント下回っている結果となります。訪問介護員・介護職員・サービス提供責任者の3職種計の離職率でも全国値より下回り、岡山県の離職率は全国に比べて若干低いことが分かりました。離職の理由については、『人間関係の問題』が27.8%ともっとも多い回答が得られています。勤務先に関する希望では、『今の勤務先で働き続けたい』と回答した方は、57.5%と半数以上が現状に満足している結果となりました。
岡山県の介護職の有効求人倍率
続いて、岡山県の有効求人倍率について見ていきましょう。
岡山労働局が発表した「職業別(常用) 有効求人・求職の状況」によると、2022年1月時点での、介護サービスの職業に関する有効求人倍率は4.32倍でした。全国計の有効求人倍率は3.68倍なので、比較すると岡山県のほうが求人は多いことが分かります。一般的な職業と比較すると、全国的に介護サービスの職業は求人が多く、需要のある職業だと言えるでしょう。
岡山県の介護職の平均給与・時給など
仕事をする上で、気になるのはやはり給与のこと。「介護労働実態調査結果 都道府県版」(2020年度)によると、岡山県の介護職の平均月収は約23万円、時給は約1,000円です。全国の平均月収は約24万円なので、平均より少し低い給与となります。平均賞与は、岡山県が約63万円、全国値は約61万円と賞与に関しては全国平均より多い結果となりました。介護業界は、デイサービスや特養など施設が多数あるため職種も幅広く、経歴などによっても給与は変わってきます。給与面での安定性を重視するなら、パートよりも正社員としての求人を探すほうが良いでしょう。また、介護職は夜勤もある職種です。夜勤のある勤務形態を選べば、多少給与は高くなるでしょうし、もちろん日勤のみという働き方を選択することも可能です。ライフスタイルに合わせた働き方が選択可能な点も介護職のメリットのひとつ。給与面の改善がされれば、今後需要が増えていく職種ということもあり、さらに人気の職種となるでしょう。
岡山県内の介護施設数と市町村別の割合
日本医師会総合政策研究機構の地域医療情報システムによると、岡山県の介護施設数は3,531(2021年9月時点)です。これには、訪問型や通所型の施設、特定施設なども含まれます。
続いて、市町村別に介護施設数の割合を見てみましょう。岡山市がもっとも多く1,278施設。これは、全体の約36%を占めています。次いで倉敷市が760施設(約21%)、津山市が219施設(約6%)、真庭市が123施設(約3%)、玉野市が118施設(約3%)という結果でした。市町村別人口とほぼ同順位のため、人口が多い市ほど介護施設数も多いということが分かります。
岡山県の介護業界で働くなら都市部がおすすめ
岡山県でも、超高齢社会においてさまざまな策を検討・実施しています。有効求人率で見ても、求職者よりも求人数のほうが多いため、介護業界での仕事探しはあまり難しくないでしょう。より確実に仕事を見つけるなら、岡山市など介護施設が多い地域のハローワークなどで求人を探すといいかもしれません。