鳥取県の介護職の求人事情とは?離職率や平均給与などを調査
鳥取県における介護職の求人事情についてご存知ですか?地元で就職を考えている方やUターンで転職を考えている方にとっては、重要な情報ではないでしょうか。そこで今回は、鳥取県での高齢者事情を把握した上で、県内の介護職員数や離職率・有効求人倍率など、求職中の方などにとって必要な情報をまとめました。鳥取県内で介護職の求人を探している方は、ぜひ参考にしてください。
全国と比べる鳥取県の高齢者事情
まずは、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した調査結果をもとに、全国と鳥取県の高齢者事情について見ていきましょう。
全国における高齢者事情
2045年の日本の総人口は1億600万人ほどとなり、すべての都道府県で2015年より減少すると予測されています。
反対に高齢者人口は増加傾向にあり、2040年頃をピークに減少するという予測です。高齢化率のピークは公表されていませんが、2025年に30%を超え、2045年には36.8%になる可能性があるというデータがあります。
鳥取県の高齢者事情
鳥取県の場合は、総人口が減り続けており、2045年には2015年比の78.2%に相当する44万9,000人まで減少すると考えられています。これは大正時代の鳥取県の人口と同じくらいの人口です。一方、鳥取県内の高齢者の人口に関しては、2025年にピークを迎え、2045年には17万4,000人まで減少すると予想。
鳥取県の高齢化率は2030年に35%となり、2050年代に40%弱でピークが来るだろうと予測されています。鳥取県での進行スピードは全国の高齢化率よりも10年ほど早まると考えられているようです。全国における高齢化率のピークはまだ公表されていませんが、鳥取県では全国よりも早く高齢化が終息する可能性があるといえるでしょう。
そのため、高齢化率の増加を抑え、少子化対策や県内の人口減少施策を推進することで、将来の人口構造はバランスがとれたものになると考えられています。
鳥取県では、認知症高齢者が増加傾向にあることをふまえ、認知症の早期発見・早期治療体制を整備。認知症を抱えた高齢者への介護に精通した介護専門職を養成したり、在宅生活が続けられる体制づくりをしたりしています。
また、日本財団や鳥取大学などと連携し、2017年に鳥取県独自の「とっとり方式認知症予防プログラム」を確立。地域の介護予防教室や自宅でプログラムに取り組めるよう、YouTubeで動画を公開しています。この他にも鳥取県では認知症サポーター養成講座を開催しており、受講する企業や団体を募集しているのも特徴です。
また、加齢による身体活動量や気力の低下などを指すフレイル状態にならないための普及啓発活動も行っており、介護予防の推進に力を入れています。
さらに、高齢者施設における口腔健診を無料で実施しています。健診後に歯科衛生士を派遣しフォローを行う他、介護施設職員向けの講習会を開催。継続的な口腔管理が可能な体制作りをめざしています。
鳥取県の介護職員数・離職率はどうなっている?
ここでは、鳥取県の介護職員数や離職率について紹介します。厚生労働省が発表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」によると、2019年度の鳥取県における介護職員数は、1万1,061人でした。
介護職員の必要数に対して、現状推移シナリオを使って介護職員数を想定すると、2023年度は629人、2025年度は847人、2040年度は1,684人の介護職員が不足します。こういった状況を考えると、鳥取県では介護職員の求人が増える可能性が高いでしょう。
次に離職率についてですが、公益財団法人介護労働安定センターが行った2020年度の「介護労働実態調査」をもとに紹介します。離職率の全国平均が14.9%、鳥取県では14.8%で、全国平均とさほど変わらない結果です。一方、採用率の全国平均は16.0%、鳥取県の場合は14.3%となっており、採用が全国平均よりも少ないものの、離職率が若干高くなっています。
鳥取県の介護職の有効求人倍率とは
鳥取県の介護職の有効求人倍率は、全国と比べてどうなのでしょうか?社会保障審議会が2018年に公表した「介護人材の処遇改善について」を参考にすると、2018年8月の介護職全国平均有効求人倍率は3.97倍、鳥取県は2.72倍でした。
全職業の全国平均は1.46倍となっており、全国的に見ても鳥取県だけで見ても、介護職に携わる人材が必要とされていることがわかるはずです。今後も介護職への需要が高まることが予想されているため、求人数も増える可能性があるでしょう。
鳥取県の介護職の平均年収・時給は全国と比べるとどう?
介護職の全国平均年収は約318万円から330万円。国税庁が調査した2020年の「民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は433万円だったため、介護職の平均年収は比較的低い傾向にあります。
鳥取県の介護職の平均年収は260万円前後です。アルバイトだと時給は約900円で、派遣社員であれば1,100円ほどになります。派遣社員として働けば全国の平均時給とさほど変わりませんが、アルバイトの場合は若干低くなるでしょう。
鳥取県内での介護施設の割合について
最後に、鳥取県の介護施設の割合について紹介します。日本医師会の地域医療情報システムによると、2021年9月時点の鳥取県の介護施設数は1,337です。75歳以上1,000人あたりの施設数は14.46で、全国平均が11.31のため、平均よりは施設が多いことがわかるでしょう。
鳥取県のエリアを3つに分けて説明すると、施設数が最も多いのは鳥取県東部(鳥取市・岩美町・若桜町・智頭町・八頭町)で559施設。次に多い地域が鳥取県西部(米子市・境港市・日吉津村・大山町・南部町・伯耆町・日南町・日野町・江府町)で、551施設となっています。3つ目が鳥取県中部(倉吉市・三朝町・湯梨浜町・琴浦町・北栄町)の227施設です。
鳥取県は介護職への需要が高まり求人が増える可能性がある
日本人の平均年収や介護職の全国平均年収と比べると、鳥取県における介護福祉士などの介護職の平均年収は低めです。しかし、鳥取県の介護施設数や将来の高齢者人口の増加による介護業界の人手不足を考えると、今後、介護職の求人数が増え、採用枠が増える可能性もあります。
鳥取県で介護職求人への応募を考えている方は、応募施設の選択肢が広がるというメリットが考えられます。ハローワークなどで雇用条件や介護施設の評判などを確認して、自分らしく働ける職場を見つけましょう。