【山口県の介護事情】 有効求人倍率や平均給与などをくわしく解説!

山口は、全国的に見ても高齢化率の高い県です。一方で、高齢者人口は2020年ですでにピークを迎え、今後は緩やかに減少に転ずると予測されています。しかし、少子化に伴い働き手も減るため、2040年には高齢化率が上昇する見込みです。この記事では、そんな山口県の介護事情についてくわしく解説。介護職の有効求人倍率や平均給与、介護施設が多いエリアなどについてもお伝えしていきます。これから山口県で介護職に就きたい方は、ぜひご覧ください。

山口県の高齢者事情とさまざまな取り組み

総務省が公表する「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によると、山口県の2021年1月1日時点の65歳以上の老年人口は46万5,780人高齢化率は34.35%です。同日での日本全体の高齢化率は28.24%のため、山口県は平均以上。さらに、全国でも3番目に老年人口の割合が高い県と示されています。

しかし、山口県の高齢者人口はすでに2020年にピークを迎えたとのこと。今後は緩やかに減少に転ずると予測されています。ただし、高齢者人口だけでなく、子供や働き手の人口減少も大きいことから今後も高齢化率は上昇。国立社会保障・人口問題研究所が公表する「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」によると2040年の高齢化率は38.6%と予測されています。

地域包括ケアを目指す「やまぐち高齢者プラン」

全国的に見ても高齢化率の高い山口県では、3年ごとに見直す「やまぐち高齢者プラン」を策定。2021年度から2023年度は「第七次やまぐち高齢者プラン」が適用されています。基本目標は、「だれもが生涯にわたり、住み慣れた家庭や地域で、安心していきいきと暮らせる社会づくり」。訪問介護や通所介護などの介護サービスの充実や、認知症施策の推進などさまざまな取り組みを行っています。

また、「第七次やまぐち高齢者プラン」によると高齢者の就業者数は増加傾向とのこと。75歳くらいまで働きたいと考える方が87.0%いるなど、就業意欲は高まっています。山口県でもその傾向を伝えるデータを発表。2019年度の「中高年及び高齢者の社会参加等に関する県民意識調査」によると、社会活動に参加する高齢者の割合は79.0%と年々増加しています。

山口県の介護職員数や離職率はどのくらい?

山口県が公表する「第七次やまぐち高齢者プラン」によると、同県の介護職員数は、2019年に2万7,421人。人材は不足傾向で2023年に2,135人、2025年には2,420人の人手が足りなくなると予測されており、今後も求人を行う企業の増加が見込まれます。また、公益財団法人 介護労働安定センターが公表した「事業所における介護労働実態調査」によると、2020年度の山口県の離職率は14.6%とのこと。全国の離職率平均は14.9%のため、同程度の数値と言えるでしょう。

山口県の介護職の有効求人倍率は?

山口労働局が公表する「求人・求職 バランスシート」によると、2022年1月時点での介護職員(常用フルタイム)の有効求人倍率は2.22倍。フルタイム勤務ではない常用的パートの有効求人倍率は4.09倍です。これらの数値から、山口県では介護職に就きたい方よりも求人を行う企業のほうが多く、人材が不足していることが分かるでしょう。

介護業界を活性化!「やまぐち働きやすい介護職場宣言」

山口県では、介護業界への就職を目指す方と、求人を行う介護サービス事業所をつなぐ制度も創設されています。その1つが「やまぐち働きやすい介護職場宣言」です。これは県内の介護サービス事業所が、働く環境の改善を通じて、より良い職場づくりに取り組むと宣言する制度。山口県が認証しており、認められると同制度の公式ホームページで紹介されるほか、紹介リーフレットにも掲載され、介護福祉士養成施設などへ配布されます。認定事業所には、認定書ロゴマークステッカーが配布されるため、求職者が働く施設を探すときにも目印となるでしょう。

山口県の介護職の平均給与や時給はどのくらい?

山口県の介護福祉士の平均月給は、18万1,422円(2022年3月13日時点)。同時点での平均時給は、1,083円です。いずれも、求人検索システムの「Indeed(インディード)」の調べを参考にしています。地域ごとに見ると、萩市・山口市・下松市などが県の平均給与よりも高いでしょう。

資格取得や再就職を支援する制度も!

山口県では、介護の資格取得や再就職を支援する制度が設けられています。山口県福祉人材センターが行う「介護福祉士修学資金等貸付」もその1つ。介護福祉士の資格を目指して養成施設に通う学生に対し、学費や入学準備金などの貸付を行う制度です。山口県内の介護事業所などで5年間(県内過疎地域では3年間)従事すると、貸付金の返還が全額免除されます。

また、介護職として1年以上の実務経験のある有資格者には「介護人材再就職準備金貸付」も実施。所定の要件を満たす方に対し、再就職に必要な準備金の貸付を行っています。こちらも山口県内で介護事業所などに再就職し、継続して2年以上従事すると貸付金の返還が免除される制度です。

このほか、他業種からの転職を支援する「介護分野就職支援金貸付」や、介護福祉士の資格取得を応援する「介護福祉士実務者研修受講資金貸付」もあります。山口県で介護職を目指す方は、こうした制度も確認してみましょう。

山口県内での介護施設の割合は?

日本医師会総合政策研究機構が2020年4月に公表したデータによると、山口県内の介護施設は以下のような割合で推移しています。

二次医療圏総高齢者施設・住宅定員数県内シェア
山口・防府4,36520%
宇部・小野田4,12019%
下関3,96218%
周南3,26215%
岩国2,48711%
柳井1,9549%
9084%
長門6513%

山口県内の介護施設は、「山口・防府医療圏」が県内シェアの20%を占めています。しかし、続く「宇部・小野田医療圏」「下関医療圏」とそこまで大きな開きがないことも特徴的です。2025年の介護施設需要予測では、「岩国医療圏」「柳井医療圏」「長門医療圏」は現状と同程度の施設数で対応可能とのこと。一方、それ以外の地域では、介護施設などの増設や在宅のインフラ整備が必要です。とくに、上位4エリアではより多くの介護施設が求められるでしょう。

二次医療圏ごとの該当地域は、以下のとおりです。

二次医療圏該当地域
山口・防府山口市・防府市
宇部・小野田宇部市・美祢市・山陽小野田市
下関下関市
周南下松市・光市・周南市
岩国岩国市・和木町
柳井柳井市・周防大島町・上関町・田布施町・平生町
萩市・阿武町
長門長門市

山口県で介護職として働こう!求人情報などもチェックを

山口県は、介護職として働きたい方に対し、さまざまな支援を行っています。また、求人を行う事業所が差別化を図れる「やまぐち働きやすい介護職場宣言」などの取り組みも特徴的です。2020年に高齢者人口のピークを迎えましたが、少子化に伴い、今後も高齢化率は上昇していきます。今後も山口県の介護職のニーズは高まっていくため、就業を希望する方は求人情報をチェックしておきましょう。

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