香川県の介護事情について知りたい!求人や給与についても解説

香川県は、瀬戸内海に面した四国の東北部に位置し、四国地方で愛媛に次いで2番目に人口の多い県です。そんな香川県の介護事情についてご存じでしょうか?高齢化が進む現代において、各自治体はその地域の高齢者事情に合わせ、さまざまな対策をとっています。この記事では、香川県の介護事情にスポットを当てて、高齢者事情や介護職の求人・給与などについて解説していきます。香川県で介護職の求人をお探しの方は参考にしてください。

香川県の高齢者事情とは?

最初に、香川県の高齢者事情について、全国平均との比較や県独自の取り組みなどを解説しましょう。

香川県の高齢者事情

2020年に行われた国勢調査によると、香川県の総人口は約95万人で、前回の調査時(2015年)に比べると約2.6万人減少したという結果となっています。香川県の人口は、1999年をピークに減少傾向にあり、今後も増加することなく減少が加速度的に進む見込みです。

人口を年齢別にみると、15歳未満は約11万人、15~64歳は約53万人、65歳以上は約30万人でした。65歳以上の高齢者が占める割合は31.8%で、前回より2.0ポイント増加しており、これは過去最高の高齢化率です。総人口が減少傾向にある一方、65歳以上の高齢者人口は2040年までの間に30万人前後での推移が予測されています。内閣府の「高齢社会白書」によると、香川県の2045年の高齢化率は38.3%で6.5ポイントの伸び率と予測。高齢化は今後ますます進んでいくでしょう。

香川県と全国平均の比較

内閣府の「高齢社会白書」(2020年)によると、2019年時点で全国の総人口に占める高齢化率は28.4%でした。香川県の高齢化率は31.8%なので、全国平均と比較しても香川県のほうが上回っています。

香川県の高齢者に対する取り組み

香川県では2021年に、高齢者の現状や将来の展望を踏まえて「第8期香川県高齢者保健福祉計画」を作成し、方向性や取り組む施策を明らかにしました。この計画では、「住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができる香川の実現」を基本理念とし、さまざまな施策の展開を目指しています。まず、医療・介護・住まい・生活支援などが包括的に確保される『地域包括ケアシステム』の構築を推進。生きがいづくりや健康づくり、介護サービスの充実、介護業界の人材確保及び業務の効率化なども行うことが明記されています。
また、香川県では、若者の都市圏への流出や出生率の減少など、15~65歳未満の生産年齢人口の減少が大きな課題となっています。この人口減少問題に取り組むため、現状を分析し、将来的に目指すべき方向性を提示したのが「かがわ人口ビジョン」です。住みやすく魅力的な地域づくりの推進、出産・子育てしやすい環境づくり・高齢者の社会参加の促進など、子供から高齢者まで幅広い世代が笑顔で暮らせる香川県を目指しています。

香川県の介護職員数・離職率

続いて、香川県の介護職員数や離職率はどのくらいなのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

厚生労働省が公表している「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」によると、2019年度の香川県の介護職員数は17,621人でした。この資料には今後の推計も記載されており、2023年度に必要となる職員数は19,238人なのに対し、現状推移シナリオによる介護職員数は18,249人と予測されています。2040年度には、その差はさらに広がると予測され、今後も人手不足が大きな課題となっていくでしょう。

続いて、離職率についてです。介護労働安定センターが公表している「介護労働実態調査結果」の香川県版によると、2019年10月1日~2020年9月30日までの1年間調査したところ、香川県の介護職員の離職率は13.6%でした。全国の介護職員の離職率は14.7%なので、比較すると香川県のほうが離職率は低いという結果になります。離職の理由は、『結婚・出産・育児のため』『職場の理念や運営に不満があった』が同率でもっとも多い回答です。早期離職防止や定着促進のため方策に取り組んでいると回答する事業者も多いですが、結果としてさらなる改善が必要なのかもしれません。一方で、『今の勤務先で働き続けたい』と回答した香川県の介護職員は全体の63.4%、全国値は60.2%でした。勤続意欲は、全国と比較しても高いことがうかがえます。

香川県の介護職の有効求人倍率

ここでは、香川県の介護職の求人はどのくらいあるのか見てみましょう。
香川労働局が公表している「労働市場情報(2022年2月分)」によると、介護サービスの職業の有効求人倍率は3.23倍でした。常用的パートタイムに絞ると、有効求人倍率は3.91倍となり、パートタイムのほうが求人率は上回っています。いずれにしても、介護サービスの職業は求人数のほうが多いのが現状です。今後の高齢化を考えると、需要は続き、転職先としても仕事を見つけやすい業界と言えます。

香川県の介護職の平均給与・時給などは?

転職や就職先を探すとき、給与を基準とする方も少なくないでしょう。「介護労働実態調査結果」(2020年度)によると、香川県の介護職員の平均月給は227,080円、平均時給は997円でした。全国の平均月給は221,555円なので、香川県の平均給与は全国値とほぼ同水準ということが分かります。賞与に関しては、約85%の事業所が『賞与あり』と回答しており、平均賞与は631,266円で、全国値より約20,000円上回っているという結果でした。
給与に関しては、職種や経歴、勤務形態などによって変わってきます。介護福祉士など国家資格を持っていれば、手当が付く場合もあるため、雇用条件などしっかりチェックすることが重要です。

高松市や坂出市など香川県内の介護施設数と市町村別の割合

日本医師会総合政策研究機構の「地域医療情報システム」によると、香川県の介護施設数は1,820(2021年9月時点)です。
市町村別にみると、もっとも施設数が多いのは高松市で810施設。これは、全体の約44%を占めています。次いで、丸亀市が162施設で約8%、さぬき市が116施設で約6%、三豊市が112施設で約6%、坂出市が109施設で約5%という結果でした。もっとも施設数が多い高松市は、香川県の県庁所在地であり人口も約42万人と総人口の約44%を占めています。施設数はおおよそ人口に比例しており、ハローワークや介護施設専門求人サイトである介護求人センターなどで仕事を探す場合は、施設数の多い場所を中心に探すと良いでしょう。

香川県の介護求人は今後も需要あり

香川県では、今後人口減少が懸念されており、高齢化だけでなく人口増加に関する取り組みもいろいろ施策されています。介護職に関しても需要が高まっており、仕事を探しやすい環境と言えるでしょう。介護施設には、デイサービスや特別養護老人ホームなど、さまざまなタイプがあります。有効求人倍率は高いため、自分の働き方にあった求人をしっかり見つけることが大切です。

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