【愛媛県の介護事情】有効求人倍率や平均給与などをくわしく解説!

愛媛県の高齢者人口がピークを迎えるのは、2025年と予測されています。高齢化率は全国平均よりも高く、今後も介護職のニーズは高い見込みです。こうした状況から愛媛県は、高齢者の健康維持や介護人材の確保など、さまざまな取り組みを推進しています。この記事では、そんな愛媛県の介護事情をくわしく解説。有効求人倍率や平均給与などもお伝えしていきます。愛媛県の介護事情を知りたい方や就業を希望する方は、ぜひご一読ください。

愛媛県の高齢者事情とさまざまな取り組み

愛媛県が公表する「高齢者人口等統計表」によると、2021年4月1日時点の同県の60歳以上の人口は53万689人。そのうち65歳以上の人口は44万3,576人で、高齢化率は32.84%と示されています。日本全体の高齢化率は2021年1月1日時点で28.24%のため、愛媛県のほうが高い状態です。高齢化率は年々高まっており、今後も上昇傾向が続くと見込まれています。

全国的には2040年ごろにピークを迎える高齢者人口。しかしながら愛媛県のピークは、国立社会保障・人口問題研究所が公表する「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」によると2025年だと推計されています。ピーク時の高齢者人口は約44万6,000人まで増加する見込みです。また、65歳以上の認知症高齢者数も増加が見込まれており、2020年には5万4,284人でしたが、2025年には5万8,098人、さらに2040年には6万3,014人になると予測されています。

住み慣れた地域で「愛顔」で暮らす共生社会へ

全国平均よりもやや早いスピードで高齢化が進む愛媛県では、高齢者に対する施策として「愛媛県高齢者保健福祉計画及び介護保険事業支援計画」を策定。2021年度から2023年度までの方針を示しています。政策目標は「住み慣れた地域で安心して、自分らしく愛顔(えがお)で暮らせる共生社会づくり」とのこと。これらの実現に向け、高齢者の社会参加の促進や生きがいづくりに取り組み、訪問介護などの介護サービスの充実にも力を入れています。

愛媛県の介護職員数や離職率はどのくらい?

「愛媛県高齢者保健福祉計画及び介護保険事業支援計画」によると、2019年度の介護職員数は 3万1,567 人。今後は、愛媛県内の働き手人口が減っていくと予測されており、2040年には1万741人の介護職員が不足する見込みです。そのため、今後も求人を行う企業の増加が見込まれます。また、公益財団法人 介護労働安定センターが公表する「事業所における介護労働実態調査」によると、2020年度の愛媛県の離職率は14.2%とのこと。全国の離職率平均は14.9%のため、同じ程度の数値と言えるでしょう。

愛媛県の介護職の有効求人倍率は?

愛媛労働局が2022年3月4日に公表した「雇用失業情勢(令和4年1月分)」によると、介護職員(常用新規)の有効求人倍率は、4.59倍。フルタイム勤務ではない、常用パートタイム新規は7.76倍でした。これらの数値から、とくにパートタイム勤務者の需要が高いことが分かるでしょう。

在宅介護を身近にする取り組み「愛媛県在宅介護研修センター」

愛媛県では、県民の誰もが介護を分かりやすく学べるようにと、全国的にも珍しい研修施設「愛媛県在宅介護研修センター」を2004年に設置。松山市末町にある同施設では、介護に関するさまざまな情報の公開や体験学習が行われています。介護予防や認知症ケアなどの出前授業、在宅介護を続けるための家屋の改修説明など、幅広い研修を開催していることも特徴です。愛媛県で介護職に就きたいけれど、すぐに求人に応募するのは気が引けてしまう方は、こうした施設を活用してみると良いでしょう。

愛媛県の介護職の平均給与や時給は?

愛媛県の介護福祉士の平均月給は、17万3,591円(2022年3月14日時点)。同時点での平均時給は、1,036円です。いずれも、求人検索システムの「Indeed(インディード)」の調べを参考にしました。地域ごとに見ると、四国中央市・伊予市・今治市などが県の平均給与よりも高くなっています。

介護職の再就職支援や介護助手の募集なども実施!

愛媛県では、介護分野での就職を支援する制度も導入されています。愛媛県社会福祉協議会が運営する「介護福祉士等修学資金貸付事業」もその1つ。これから介護福祉士を目指す方や介護職として再就職したい方、他業種から介護分野への転職を目指す方などに一定額の貸付を行っています。該当する方は、これらの制度を確認しておくと良いでしょう。

また、介護人材就労支援事業として、「介護助手育成事業」も展開。介護助手とは、介護施設で食事の準備や片付け、居室の清掃などの介護の周辺業務を行う仕事です。就業対象者は、就労意欲の高いシニアや子育てがひと段落した方、介護職に興味のある方など。資格や経験の有無は問われません。2021年度の募集はすでに終了していますが、今後も事業が継続される可能性があるため、興味がある方は続報を随時チェックしてみましょう。

愛媛県内での介護施設の割合は?

日本医師会総合政策研究機構が2020年4月に公表したデータによると、愛媛県内の介護施設は以下のような割合で設置されています。

二次医療圏総高齢者施設・住宅定員数県内シェア
松山12,36047%
新居浜・西条3,94015%
八幡浜・大洲3,25312%
今治2,79211%
宇和島2,3379%
宇摩1,5046%

県内で47%とほぼ半数に近いシェアを占めるのが、松山市などを含む「松山医療圏」です。続く「新居浜・西条医療圏」の施設数と大きな開きがありますが、ほとんどのエリアで高齢者人口に対する介護施設数は充足しています。2025年までは現在と同数程度の介護施設があれば、同様のサービスを続けることの可能なエリアが多いでしょう。一方、四国中央市が含まれる「宇摩医療圏」では、2025年に現在と同程度の介護サービスを提供するためには介護施設の増設などが必要です。新規オープンの介護施設がより求められるエリアと言えるでしょう。

なお、二次医療圏の各該当地域は、以下のとおりです。

二次医療圏該当地域
松山松山市・伊予市・東温市・久万高原町・松前町・砥部町
新居浜・西条新居浜市・西条市
八幡浜・大洲八幡浜市・大洲市・西予市・内子町・伊方町
今治今治市・上島町
宇和島宇和島市・松野町・鬼北町・愛南町
宇摩四国中央市

愛媛県で介護職として働こう!求人情報もチェックを

愛媛県は、今後も高齢化率が上昇し、介護職のニーズが高いと見込まれています。介護施設数はほとんどのエリアで充足していますが、人材は2040年に1万741人不足する見込みです。そのため、今後も愛媛県で介護職の求人を行う企業は増えると予測されます。愛媛県で介護職を目指す方は、就業を希望するエリアの求人情報をチェックしておきましょう。

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