【あと会グループ】凍結含浸法を介護施設に世界初導入!脳の活性化にもつながる食事とは?
広島市を中心に介護施設を運営する「あと会グループ」。利用者さんに“食べることの楽しみ”を提供するため、食の改革を進めてきました。中でも代表的な取り組みが、2001年の「真空低温調理法」や2007年の「凍結含浸法」の導入です。特に「凍結含浸法」は、「あと会グループ」が世界に先駆けて介護施設に導入した技術としても知られています。
今回は、食の改革第二弾となった「凍結含浸法」導入の経緯やメリットとともに、求人・採用情報もあわせてご紹介します。
目次
先進的な技術の導入&イベント企画でハイクオリティな【食】を提供
「あと会グループ」では『人生の最後まで輝きと感動を』をモットーに、利用者さん第一のさまざまな取り組みが行われています。例えば、福祉先進国スウェーデンのケア方法の導入や、海外の福祉施設の考え方を取り入れた住環境の整備など。そして、利用者さんが快適に、心豊かに過ごせるよう、食事にも力を入れているのが特徴です。
「真空低温調理法」や「凍結含浸法」などの先進的な食品加工技術を導入
「あと会グループ」では、利用者さんに安心かつ安全な手作りの食事を提供すべく、先進的な食品加工技術を導入しています。その代表的なものが、素材本来のうま味や風味はそのままに軟らかく仕上げられる「真空低温調理法」や、酵素の力で食材の形を崩さずに硬さを調整する「凍結含浸法(とうけつがんしんほう)」の2つです。
また、食品の仕入れの際には品質や産地までしっかりと吟味する、保存料や添加物のより少ないものにこだわるなど、美味しさだけでなく“食の安全”を提供するための工夫も随所に見られます。
▽「あと会グループ」食の改革第一弾「真空低温調理法」についてまとめた記事はこちら
【食】の質を向上させるユニークなイベントが満載!
季節に合わせた食材や献立で食事を提供している介護施設はたくさんありますが、「あと会グループ」の食の企画はひと味違います。
その1つが、食事をお弁当に詰めて駅弁風に提供する駅弁企画。食事で楽しんでもらいたいとの思いから立案されました。いつもと違う見た目の食事に心が躍り、普段より食が進む利用者さんも多いそうです。
また、若手調理員の育成をかねた企画として、年に1度の「ふかわ・くにくさの秋祭り」にて「ごちそうグランプリ」が開催されます。「あと会グループ」の施設ごとに分かれ、テーマに沿った料理を披露するチーム対抗戦です。秋祭りの来場者からより多くの票を獲得したチームが勝利。若手調理員の登竜門となっているそうです。
このように「あと会グループ」では、食の質を高め、利用者さんにいつまでも食べる喜びを提供するためのさまざまな企画が実施されています。
▽「あと会グループ」の概要をまとめた記事はこちら
「あと会グループ」が世界初導入!「凍結含浸法」で“形あるまま軟らかく”を実現
今回は、「あと会グループ」が世界で初めて※1介護施設に導入した「凍結含浸法」という食品加工技術に注目。どんな技術なのか、どんな経緯で導入に至ったのか、詳しくご紹介します。
※1…あと会記念誌p.122凍結含浸法開発者・坂本宏司氏(元広島県・食品工業技術センター次長)の発言に基づく。
「あと会グループ」食の改革第二弾!「凍結含浸法」との出会いから導入まで
「あと会グループ」では、2001年に食の改革第一弾として「真空低温調理法」を導入。これにより、素材本来の風味やうま味を逃さず軟らかくて美味しい食事を提供できるようになりました。そして、食の改革第二弾となったのが、2007年に導入した「凍結含浸法」です。
事の始まりは、2006年9月に開催された「日本摂食嚥下リハビリテーション学会・学術大会」にあと会グループのスタッフさんが参加されたこと。そこで、広島県の食品工業技術センターが開発した「凍結含浸法」に出会ったそうです。「凍結含浸法」とは、酵素の力を使って、食材の形を崩さずに硬さを調整する技術。舌で押しつぶせるほど軟らかいのに、普通食とほぼ変わらない見た目に仕上げられることが特徴です。同学会に参加していた当時の管理栄養士さんが、タケノコがスプーンで押しつぶせることに衝撃を受けたことが導入のきっかけとなったそう。
通常、食事形態は、普通食・刻み食・極刻み食・ミキサー食などがありますが、極刻み食・ミキサー食は食材の形が残らないため、「何を食べているか分からない」という問題点がありました。当時、「真空低温調理法」の導入によって肉も軟らかくできるようになってはいましたが、極刻み食・ミキサー食の方には硬かったそう。そこで、食材の形をそのまま残し、彩りにも配慮することで満足感や喫食(きっしょく)※2量を高めたいとの考えから、2007年4月より同センターと「凍結含浸法」の共同研究をスタート。試行錯誤を重ね、2007年10月に利用者さんへ提供可能な凍結含浸食を「あと会グループ」の施設厨房で完成させました。
実は、介護施設に「凍結含浸法」を導入したのは「あと会グループ」が世界初!その後、全国の介護施設から大勢が見学に訪れたそうです。
※2…食事を楽しんでおいしく食べること
「凍結含浸食」の三大メリット!レストランのようなメニューと味を可能に
介護施設における「凍結含浸食」の主なメリットを3つご紹介します。
2.箸でつまめるため脳の活性化を促せる
3.他の利用者さんと見た目が変わらない食事を摂れることで自信につながる
極刻み食・ミキサー食の方でも普通食とほぼ変わらないどころか、レストランのようなメニューと味わいの演出が可能になります。また、凍結含浸食は舌で潰せるほど軟らかいのに箸でつまみ上げられるのもメリット。箸を使うことで、脳の活性化にもつながるそうです。さらに、他の方と見た目が変わりない食事を摂れることによって、利用者さんの自信にもつながると考えられています。
【動画でチェック】凍結含浸食の見た目と軟らかさ
ここまで凍結含浸法の特徴を紹介してきましたが、中には「舌で潰せるほど軟らかいのに、箸でつまめるとはどういうこと?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。そんな方は、凍結含浸食を撮影した次の動画を観てみてください。
動画制作:株式社古川製作所(一部抜粋)
まさに、百聞は一見にしかず!箸で簡単に崩すことができるのに、つまみ上げることもできています。また、普通食と変わらない見た目に食欲をそそられることにも納得です。
実際に、凍結含浸食によって利用者さんの食欲を引き出すことに成功した事例もあるようです。
「以前、脳梗塞の後遺症で病状が悪化し、炭酸飲料しか摂取できない利用者さんがいらっしゃいました。その方に凍結含浸食の煮物を提供したところ、スプーンで自ら食べていただけたんです。食事への意欲を失われていた方の食欲を引き起こし、そのひと口につなげられたことに感動しました」
また、凍結含浸食導入後の利用者さんの変化について「あと会グループ」の介護スタッフさんにお聞きしたところ、次のような感想が届きました。
- ミキサー食と比較すると断然見た目が良いので、摂取量が増加し、食べるスピードも速くなったと感じました。また、摂取量増加により健康状態が向上したケースもあります。(介護職20年目)
- 栄養素を逃さない調理法であるため、肌ツヤも良くなり、活動量が増えた利用者さんもいました。また、利用者さんだけでなく、ご家族も自身の親が形あるものを口にしていることに感動される場面もありました。(介護職12年目)
- 利用者さんから「美味しい」と聞くことが多くなりました。食事中の笑顔を見られてとてもうれしいです!(介護職20年目)
利用者さんと直接ふれあう介護スタッフさんも、凍結含浸食導入によるメリットを実感されているようです。
「あと会グループ」は、「真空低温調理法」に加え、「凍結含浸法」を導入したことにより、“食のバリアフリー化”を実現できたといっても過言ではないでしょう。
【求人情報】「あと会グループ」はこれからも進化し続ける
「あと会グループ」では、利用者さんにやすらぎ・喜び・豊かさの3つのYを提供するため、さまざまな取り組みが行われています。「凍結含浸法」に関しても、介護施設への導入実績のない先進技術であったにも関らず、すぐさま研究・試作を開始し、導入に至りました。食に限らず、良いと思ったものは自ら積極的に行動へ移し、導入へと結びつける実現力の高さが「あと会グループ」の魅力といえるでしょう。
「あと会グループ」が運営する各施設では、介護スタッフや看護師、介護支援専門員など、さまざまな人材を随時募集しています。詳しくは、あと会グループ採用サイトよりチェックしてみてください。
利用者さんへ食べることの幸せと喜びを提供し続ける「あと会グループ」
「あと会グループ」では、「真空低温調理法」・「凍結含浸法」導入という食の二大改革が完了した今も、そのあくなき探求心のもと、より良いサービスの提供のため研究や取り組みを継続されているそう。もちろん食だけでなく、福祉先進国スウェーデンのケア方法導入や住環境の整備にも力を入れ、利用者さんやそのご家族、そして働くスタッフのクオリティオブライフをも向上できるよう全力で取り組んでいます。あなたも「あと会グループ」の一員として、一緒に働いてみませんか?
【医療法人社団あと会グループ本部】
所在地 | 広島市安芸区阿戸町418-1 |
電話番号 | 082-856-0222(代表) |
公式サイト | https://www.kunikusa.or.jp/ |
公式Instagram | @atokai_saiyo(あと会 採用担当インスタグラム) @atokai_eiyo(あと会 食事関連インスタグラム) |