【介護施設の調理補助スタッフ】仕事内容は?どんな人に向いている?

介護施設で調理補助スタッフとして働く場合、どんな仕事をすることになるのでしょうか。有料老人ホームやグループホームなどの介護施設で働くのは、利用者さんの介護を担当する介護職員だけではありません。

利用者さんの食事作りをサポートする調理補助スタッフも、欠かせない役割を担っています。

今回は調理補助スタッフの仕事に関する情報をご紹介しましょう。「どんな方に向いている?」「働くときの心得は?」などの疑問解決に役立ててください。

【介護施設の調理補助スタッフ】仕事内容は調理作業や配膳など

調理補助スタッフの仕事には資格が必要ありません。調理師として働くには調理師免許が必須なので、資格の有無が大きな違いと言えます。調理補助スタッフの立ち位置は“サポート役”。調理師がメインで調理を行い、調理補助スタッフがサポートを行います。

指示に沿って調理作業を行う

調理師や管理栄養士の指示を受け、調理作業を行います。基本は“決まったメニューを決まった量だけ作ること”。調理作業のなかでも、食材や調味料の計量は調理補助スタッフに任されることがほとんどです。指示された通りにメニューを完成させるだけでなく、正しく計量することも仕事に含まれます。
また、食事の形態を変える調理作業も仕事のひとつです。たとえば、嚥下機能が低下している利用者さん向けに食材を細かく刻む、ミキサーにかけるなど。利用者さん一人ひとりに合わせた形態を指示されることもあります。

配膳、盛り付け

調理補助スタッフが食事の配膳を手伝うこともあります。配膳は介護職員が担当するのが基本ですが、人手が足りない場合は調理補助スタッフのサポートも必要です。規模の大きい介護施設で調理補助スタッフとして働くと、配膳が仕事内容に含まれることもあるでしょう。
また、簡単な盛り付け作業は調理補助スタッフの仕事です。利用者さんが安全に、安心して食べられることはもちろん、おいしく感じるような盛り付けを心がけましょう。

食材の在庫チェック、掃除

食材の在庫チェックも欠かせない仕事のひとつです。介護施設によっては発注作業も仕事に含まれます。
掃除については、調理補助スタッフに任されることがほとんどです。食中毒のリスクを考えると、調理場を清潔に保つのは大切なこと。

また、調理師のサポート役である調理補助スタッフが調理師のために調理環境を整える、という意味も含まれています。

【介護施設の調理補助スタッフ】こんな方におすすめの仕事

続いて、介護施設の調理補助スタッフに向いているとされる要素をご紹介します。

正確さを求められる作業が得意

調理補助スタッフの仕事には正確さが求められます。指示通りに動くことはもちろん、レシピ通りに調理作業を進めなければいけません。

特に、調味料の計量ミスは利用者さんの健康に影響を及ぼす可能性があります。決められた量をきちんと測ったり、時間に合わせて作業を終わらせたり、正確さを求められるシーンの多い仕事です。

効率良く作業を進められる

調理場では、食材を切る、鍋の様子を確認するなど、複数の作業が同時に進んでいます。そのため、調理補助スタッフには効率良く作業を進める能力が求められるのです。一度に複数の作業を割り振られる可能性もあること知っておきましょう。

体力に自信がある

調理場では立ち仕事が基本です。さらに、介護施設によっては利用者さんの数が多く、調理する量が多いこともあるでしょう。また、早朝から朝食の調理作業が始まることもあり、体力面の負担は大きいと言えます。

チーム作業が得意

調理補助スタッフは、調理師や管理栄養士とコミュニケーションを取りながら仕事を行います。

そのため、指示をきちんと聞き、実行する素直さが必要です。調理場で働くスタッフの人数が多いほど協調性が必要になるでしょう。

調理の仕事に興味がある

調理補助スタッフとして働くと、調理師の“プロの仕事ぶり”を間近で見ることができます

調理のスキルを磨きたい方はもちろん、将来的に調理師免許を取りたいと考える方に向いていると言えるでしょう。

【介護施設の調理補助スタッフ】働くときの心得は?

調理補助スタッフの心得としてまず意識したいのが、調理師や栄養士の指示に従うことです。サポート役である調理補助スタッフの基本であり、安全面において欠かせない要素になります。

たとえば自己流で調理作業を進めたり、盛り付けを行ったりすることで、利用者さんが料理をのどにつまらせるきっかけになるかもしれません。“人の命に関わる仕事”という意識を持って取り組み、わからないことはその都度質問・相談するようにしましょう。

また、利用者さん一人ひとりに合わせた調理に対応することも心得のひとつです。利用者さんによって、糖尿病で食事制限がある、アレルギーがある、嚥下機能が低下しているなど、身体の状態はさまざま。嚥下機能の低下だけを見ても、“どの程度の調理で食べられるのか”は一人ひとり異なります。

利用者さんが“楽しくおいしく食べられること”も意識しながら、利用者さんごとの調理にきちんと対応していきましょう。

【介護施設の調理補助スタッフ】キャリアプランについて

調理補助スタッフのキャリアプランとしては、調理師を目指すのがおすすめです。

調理師になるには調理師免許の資格を取得することになりますが、合わせて2年以上の実務経験も必要になります。介護施設で調理補助スタッフ経験を積み、資格取得を目指しましょう。

雇用形態がパート・アルバイトの場合は、勤務日数や時間に条件があります。

【介護施設の調理補助スタッフ】やりがいは?

介護施設で調理補助スタッフとして働くと、利用者さんに食事をおいしく食べてもらえたり、感謝されたりすることがやりがいにつながります。利用者さん一人ひとりに合わせた調理に対応するのは負担も大きいですが、介護施設で働く調理師や調理補助スタッフの腕の見せ所でもあるのです。

また、利用者さんによっては食事時間を日々の楽しみにしている方もいるので、「喜びや生きがいにつながるお手伝いをしている」と考えて仕事に取り組むとやりがいを実感できるでしょう。

調理補助スタッフとして働くことには、社会的にニーズのあるスキルが身に付くというメリットもあります。高齢化により人手不足が深刻化する介護業界では、介護職員だけでなく調理スキルを持つスタッフへのニーズも高まるでしょう。

メリットも念頭において仕事に取り組めば、介護施設の調理補助スタッフの仕事により大きなやりがいを見出せるかもしれません。

利用者さんの食事に欠かせない役割を担う仕事

介護施設の調理補助スタッフは、調理師の指示に沿って調理作業を進めることをメインに、配膳や掃除など複数の仕事を担当します。立ち位置は調理師のサポート役になりますが、利用者さんに安全でおいしい食事を提供するための大切な仕事です。

将来的に調理師の資格取得も目指せる職種なので、キャリアアップを考えている方にもおすすめと言えるでしょう。

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