利用者さんのお葬式に出るべき?お悔やみの言葉は?介護現場別に解説
介護現場は利用者さんの最期を看取る場面が多い職場です。だからこそ、他の職場と違って特別な作法や葬儀対応があるのか心配になってしまいます。そこで今回は、介護現場別に利用者さんが亡くなった後、ご家族へのお悔みの言葉や葬儀対応はどうするべきなのかをまとめて解説。自分の職場の規則や雰囲気と照らし合わせながら確認してみましょう。
介護現場で利用者さんが亡くなったとき葬儀までの流れは?
まずは介護現場で利用者さんが亡くなったときの葬儀までの流れを確認していきましょう。例として、施設入居者さんが亡くなった場合から解説します。
死亡宣言、エンゼルケア
医師による死亡宣告があった後、ご家族の方へ亡くなった経緯の説明と処置対応の希望をお聞きします。スタッフがエンゼルケアを行い、医師から死亡診断書が発行されるという流れです。
ご遺体の搬送・安置
次に、ご家族が指定した安置場所へご遺体が搬送されます。
葬儀
通夜・葬儀が行われます。参列は施設・事業所による判断で、施設長が参列するか、弔電・供花を送るのが一般的な流れです。
【介護現場別】利用者さんご家族へのお悔みの言葉、葬儀対応
利用者さんが亡くなられたときにご家族へかけるお悔やみの言葉は、介護現場であっても違いはありません。「ご愁傷さまです(ございます)」「お悔み申し上げます」など一般的に使う言葉を使用しましょう。なお「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は、宗派によっては使えず、そもそも故人本人へかける言葉なので安易に使うのは禁物です。
以上を踏まえて、ここからはケアマネジャーや訪問ヘルパーなど、介護現場それぞれの立場・利用形態ごとの葬儀対応をご紹介していきます。
【ケアマネジャー】利用者さんご家族への葬儀対応
利用者さんが亡くなられたとき、今後の流れについてもご説明が必要な立場のケアマネジャー。ご訃報を聞いたとき、心身ともにお疲れのご家族へどこまで伝えるか迷うものです。
最初の電話ではご家族へ労いの言葉をかけ、福祉用具の引き上げや、サービス事業者などの関係機関へご訃報を伝えてよいかなどの事務的なことも取り急ぎお伝えするという方が多いよう。通夜・葬儀への参列は事業所の方針によって違いますが、個人としては参列しないケースが一般的なようです。参列しない場合は後日ご焼香に訪問する、福祉用具引き上げの際に同行してご焼香するというケースもあります。
【訪問ヘルパー、訪問看護師】利用者さんのご家族への葬儀対応
訪問ヘルパーや訪問看護師の場合も、個人の裁量に任せるという事業所がほとんど。しかしながら、訪問ヘルパーや訪問看護師は利用者さんと家族のような信頼関係で強く結ばれていることから、個人的に通夜か葬儀のどちらかに参列する方が多い傾向です。通夜・葬儀に参列しない場合、後日ご焼香へ訪問する方もおられます。
【入居型施設】入居者さんご家族への葬儀対応
入居型施設で入居者さんが亡くなった場合、まずは他の利用者さんへ配慮することが必要です。ご家族が荷物を取りに来られて遺品の整理をされる場合などがあるため、パーテーションで仕切ったり、同室の方が不在の時間帯にお通ししたりなど工夫しましょう。ただし、亡くなったことを隠しすぎると悪い噂話として広まってしまう場合があるため、他の入居者さんに聞かれたら答えるなど、亡くなったことを伝える対応も場合によっては必要です。
葬儀については、施設の代表者が参列する場合が多いよう。スタッフがするのは故人が施設を出られる際のお見送り程度です。
【デイサービスのみ】利用者さんご家族への葬儀対応
最後に、デイサービスのみ利用されていた方が亡くなった場合も確認していきましょう。
訃報が入るのは利用を休止してからの場合がほとんどで、休止前の利用状況や休止期間の長さで葬儀への対応を判断する傾向です。また、葬儀には参列せず施設として弔電を送ったり、ご家族が落ち着いてからご焼香に訪問したりするケースもあります。スタッフが参列することは個人的な思いが強いとき以外は少ないようです。
介護現場特有の作法はない!お悔みの気持ちが伝わればOK
利用者さんが亡くなった際の葬儀までの流れと、介護現場別の葬儀対応をご紹介しました。介護現場だからといって、特別な作法があるわけではありません。施設や事業所の対応として葬儀に出向くのは基本的に施設長のみの場合、利用者さんに関わったスタッフとして後日お悔みの気持ちをご家族にお伝えすると丁寧な印象になるでしょう。この記事をきっかけに、今一度所属施設・事業所の決まりを確認してみても良いかもしれませんね。