フリーランス介護士とは?個人事業主になるメリットや注意点
高齢者の生活をサポートする仕事の介護職。老人ホームや介護施設、訪問介護など、さまざまな現場で活躍できる職種です。幅広い活躍の場があるなかで、フリーランス介護士という働き方が登場し、注目を集めています。そこで今回は、一般的な介護士との違いや具体的な働き方、フリーランス介護士になるメリットなどを詳しくご紹介しましょう。フリーランス介護士として働く際の注意点もまとめたので、今後の働き方の参考にしてみてください。
目次
フリーランス介護士とは?
フリーランス介護士とは、老人ホームや介護施設といった特定の施設や会社と雇用契約を結ばず、業務委託や個人として介護サービスを提供する働き方です。つまり、会社員やパート、アルバイトなどではなく、個人事業主として働くことになります。これまで培ってきた介護のノウハウを活かし、自由な働き方が叶うとして注目を集めているのです。
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フリーランス介護士の主な働き方
フリーランス介護士は、施設や会社などに属さずに働くため、介護保険制度を活用して仕事を行うのが難しくなります。そのため、介護保険制度外のサービスを提供することが一般的です。すると、制度に縛られない、自由な働き方を実現できます。ここからは、フリーランス介護士が具体的にどのような働き方ができるのかを詳しくチェックしていきましょう。
施設と業務委託契約を結ぶ
まずひとつめにご紹介するのは、介護施設と業務提携を結んで働く方法。自分の条件とマッチする施設を探し、直接業務委託の契約を結びます。業務委託先を探すには、介護求人サービスに相談する、介護を依頼したい方と介護職のマッチングを行うプラットフォームを活用するといった方法が代表的です。
利用者さんと直接契約する
特定の施設や会社と業務委託を結ばず、利用者さんやその家族と直接契約を結ぶ方法もあります。
例えば、高知県在住の高松ひとみさんは、近所に住んでいる高齢夫婦の介護を始めたことがきっかけでフリーランス介護士として活動をはじめたのだとか。
▼高松ひとみさんのブログはこちら
また、関東を中心に活動するフリーランス介護福祉士アルゴさんは、自身で会社を立ち上げ、介護保険外サービスなどを提供するかたわら、フリーランス介護士としての働き方の情報発信を行っています。
▼フリーランス介護福祉士アルゴさんのnoteはこちら
他にも、SNSを活用して介護を必要としている方を探す、知り合いのソーシャルワーカーやケアマネージャーから依頼を受けて契約を結ぶ方法も選択肢のひとつ。自分で直接利用者さんと契約を結ぶ場合には、その自由度の高さから副業をすることも可能です。
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フリーランス介護士のメリット
ここからは、フリーランス介護士になることで得られるメリットをご紹介しましょう。
働く時間や場所が自由に選択できる
フリーランス介護士は、特定の施設や会社に所属しないため、働く場所や時間を自由に選択できる点がメリットです。自宅から近い場所だけ、子供が保育園や学校に行っている時間だけなど、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。そのため、仕事と家庭の両立がしやすいでしょう。また、働く場所が選べる点から、職場の人間関係に悩まされる機会も減るはずです。
きめ細やかな介護の提供ができる
フリーランス介護士は、自分で働く環境や時間を選択できるため、ゆとりをもった介護サービスの提供がしやすい立場です。そのため、利用者さん一人ひとりに寄り添った、きめ細やかな介護サービスが提供できます。介護保険外の要望にも応えやすく、柔軟な対応ができる点もメリットといえます。介護施設ではできなかった利用者さんの細かい要望に応えられることで、仕事に対するやりがいも増すでしょう。
収入アップが目指せる
フリーランス介護士は、会社から給料をもらうのではなく、利用者さんやその家族から直接料金をもらいます。そのため、自分が頑張ったぶんだけ収入アップができる仕事です。また、フリーランス介護士としてスキルを高めると、選ばれる介護士として成長でき、リピーター獲得などによって収入アップが見込めます。
フリーランス介護士として働く際の注意点
フリーランス介護士として働く際に、覚えておきたい注意点もチェックしておきましょう。
待っているだけでは仕事が得られない
一般的な介護施設や会社に所属していれば日々一定の仕事がありますが、フリーランス介護士はそうはいきません。ただ待っていても仕事は得られないため、自ら営業活動をする必要があります。
また、今まで利用していた方が入院した、亡くなったといったケースなどで、仕事がゼロになってしまう可能性があることも覚えておきましょう。ほかにも、自分が体調不良となり仕事ができない状況になると、収入が減ることも考えられるため注意が必要です。
事務作業や確定申告を自分で行わなければならない
フリーランス介護士は個人事業主として働くこととなるため、収入や経費の管理、確定申告といった事務作業を自分で行う必要があります。また、委託業務元への請求書や利用者さんへの領収書発行なども、自分で行うのが基本。忘れないように実施しましょう。税理士にお願いできる項目もありますが、費用が発生するため、収入とのバランスを考えなければいけません。
トラブルも自分で対応する必要がある
利用者さんからクレームがあった、けがをさせてしまったなど、何らかのトラブルが発生した際、フリーランス介護士の場合は自分で対応する必要があります。ある程度のトラブルを想定して対応方法を考えておく、助け合える介護士同士のつながりを作っておくといった対策が必要です。ほかにも、トラブルを見据えて保険に加入しておくのも良いでしょう。
フリーランス介護士に向いている方の特徴
どのような方がフリーランス介護士として向いているのかをチェックしていきます。
自己管理が得意
施設や会社に所属している場合には、決まった時間に出勤して与えられた仕事をこなします。しかし、フリーランス介護士は勤務場所や勤務時間などは自分で決めるため、自己管理能力が重要なポイント。うまく自己管理できる方ほど、自分にマッチしたワークスタイルを確立しやすいのです。サービス料金も自分で設定するため、お金の管理が得意な方もフリーランス介護士として向いています。
フットワークが軽い
フリーランス介護士は、自らアクションを起こして顧客を獲得する必要があるため、フットワークの軽さも求められます。また、介護事業所や利用者さんの元にすぐに駆けつけることで、業務委託先や利用者さんとの信頼関係が築きやすくなり、今後の活躍の場を広げられるでしょう。さらに、フットワークが軽いことで、より広範囲の利用者さんの元へ行くことができ、多くの顧客獲得が目指せるはずです。
ワークライフバランスやワークスタイルの変化が気になりにくい
フリーランス介護士は、場所や時間を自由に選択して働くことができますが、自らの営業努力やスキルによって、日々収入が上下しやすい傾向に。つまり、仕事量や収入に幅があり、ワークライフバランスやワークスタイルが変化しやすいのです。こういった変化が、ときにストレスになる場合もあります。そのため、ある程度環境の変化を気にしない考え方を持っている方が向いているでしょう。
フリーランス介護士も視野に自分にぴったりな働き方を見つけよう
フリーランス介護士は、働く場所や時間を自分で選べる自由度の高い仕事です。また、介護保険外サービスをメインで提供できることで、きめ細やかなケアができる点も魅力。一方で、自分で営業活動や事務作業を行う、トラブル対応能力を身に付けるといった注意点もあります。こういったフリーランス介護士というワークスタイルを視野に入れ、自分にぴったりな働き方を見つけてみてください。