常用型派遣と正社員との違いは?メリットやデメリットを押さえよう

常用型派遣という言葉をご存知ですか?派遣の形態の1つで、この働き方は介護現場でも利用されています。さまざまな働き方があると、人材不足を解消したりライフスタイルに合わせた働き方が選べたりと、経営者からも介護職側から見てもメリットが大きいと言えるでしょう。そこで今回は、常用型派遣と正社員との違い、他の派遣形態との働き方の違いやメリット・デメリットについて紹介します。

常用型派遣とはどんな働き方のこと?

常用型派遣とは派遣という働き方の中にある1つの形態のことを指します。派遣会社の正社員として直接雇用関係を締結して、その上で、派遣先で介護職として就業する働き方です。

派遣先の契約期間が終了しても、派遣会社との雇用関係は継続するため、次の派遣先(介護施設など)が決まっていない待機期間中でも、給料や福利厚生を受けられます。

希望する派遣会社に応募して面接を受け、採用されたら研修などを受けて希望する介護施設に派遣され働くのが基本的な流れです。この点では、他の種類の派遣形態とさほど大きな違いはないでしょう。

登録型派遣や紹介予定派遣との違いとは?

派遣には常用型派遣の他に、登録型派遣や紹介予定派遣という形態もあります。常用型派遣との違いはどういった点にあるのでしょうか?

登録型派遣との違い

登録型派遣とは、派遣会社に登録し、派遣先が決定した場合にのみ派遣会社と雇用契約を締結する形態の派遣です。契約期間終了に伴って派遣会社との雇用契約も終わりますが、登録のみは継続します。

契約終了後すぐに次の派遣先が見つからなければ、就業していない間の給料は出ません。派遣会社が意向を確認して次の派遣先を探してくれますが、空白期間ができるため注意が必要です。

ただし、ライフスタイルに合わせた働き方ができるというメリットがあります。「2年後に県外に転勤する予定だからその期間だけ働きたい」や「子供が進学したからできるだけ家の近くの介護施設で働きたい」など、希望がある方にはおすすめしたい派遣形態です。

一方、常用型派遣は登録型派遣のような空白期間がありません。次の派遣先の介護施設が決まっていなくても給料が支給されるため安心感があるでしょう。福利厚生に関しても同じことが言えます。

紹介予定派遣との違い

紹介予定派遣とは、派遣先で正社員として働く前に派遣として一定期間働いてみるという働き方です。契約期間終了後、双方の同意があった場合にのみ直接雇用契約を締結します。紹介予定派遣の契約期間は平均3ヶ月です。長い場合には6ヶ月という条件の所も。

常用型派遣とは違い、将来派遣先の正社員になれる可能性が高いことが特徴です。「正社員で働ける介護施設を探しているがどんな職場か知りたい」や「その職場が自分と合っているのか確認したい」と思っている方におすすめの働き方です。

常用型派遣と正社員の違い

常用型派遣と正社員は給与やボーナス・福利厚生などの面は同じですが、どこで働くのかという点が違います。

正社員は派遣会社の社員として派遣会社で仕事を行います。仕事上必要であれば、部署の異動や転勤が考えられるでしょう。他にやりたい仕事がある・就きたい職種があるのであれば、正社員として働いている会社を退職する必要があります。

常用型派遣は派遣先の介護施設で勤務するため、派遣会社内にとどまって仕事をするわけではありません。派遣先を選ぶことで、自分の希望する仕事内容や、興味のある職種で働ける可能性が高くなります。

常用型派遣のメリット・デメリット

最後に、介護職において常用型派遣を選択するメリットやデメリットを見ていきましょう。

常用型派遣を選択するメリット

  • 安定して介護職の仕事に就ける
  • 給料が高い可能性がある
  • 自分で次の介護職の仕事を探さなくても良い
  • さまざまな施設で働けるためスキルアップできる

常用型派遣であれば、先ほど紹介したように、次の派遣先が決まっていなくても契約解除されません。給料の金額は減るかもしれませんが、引き続き給料が支払われるため、金銭面・待遇面で安定した環境だと言えます。

常用型派遣に限らず、派遣という働き方をすると派遣会社と派遣先との契約になるため、時給単価が正規職員より高いケースもあるようです。

通常、仕事を見つけるためには、自分で履歴書を作成して面接などを受けなければなりません。希望する介護施設の給与面や福利厚生などの情報は誰でもチェックできますが、職場環境や自分の適性に合った職場かどうかの判断は難しいものです。

常用型派遣であれば、派遣会社が自分の適性と希望に鑑み、派遣先の介護施設を提案してくれます。派遣会社では、これまでの実績から派遣先の職場環境について情報収集していることがあります。どんな職場環境なのかといった質問にも答えてくれるでしょう。

介護職で常用型派遣を選択するデメリット

  • 一定のスキルが必要
  • 同じ職場でのキャリアアップが難しい
  • 新しい職場に適応しなければならない

介護職の場合、利用者さんのサポートを行う必要があるため、派遣の場合は一定のスキルが求められます。即戦力となる人材を求められる傾向があるため、常用型派遣を考えているのであれば、スキルを積んでおいた方が良いでしょう。

常用型派遣は同じ派遣先での契約期間に定めがあり、契約期間が終了すればまた違う派遣先に行くことになります。同じ介護施設内でのキャリアアップを希望するのであれば、派遣を辞めて正規職員として採用してもらうか、常用型派遣で勤務した上で、派遣会社と派遣先の施設に自分の希望を伝え話し合ってもらう必要があるでしょう。

さまざまな介護施設で勤務するため、介護に関する知識や技術向上という面ではメリットが大きいかもしれません。しかし、慣れたかと思ったら契約期間が終了してしまった…というケースもあります。新しい職場で仕事を覚えることはもちろん、他のスタッフや利用者さんとの人間関係も再構築しなければなりません。派遣を選択するのであれば、新しい環境に柔軟に対応するスキルも必要になってくるでしょう。

常用型派遣はさまざまな介護施設でスキルを積みたい方におすすめ

常用型派遣であれば、「契約期間が終わったらどうしよう…」と考える機会が少なくなるため、精神的にも安定できる働き方です。また自分の適性に合った職場を派遣会社が紹介してくれるため、介護施設選びもスムーズでしょう。さまざまな職場でスキルを積みたい方は、常用型派遣という働き方を検討してみると良いかもしれません。

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