【介護施設】夜勤の仮眠どうしてる?眠れないなどの悩みをなくすコツ
利用者さんを24時間体制で見守り・サポートする、特養や老健などの入居系介護施設には、夜間~翌朝まで勤務する「夜勤」があります。夜勤専門のスタッフを除いて、多くの介護スタッフは日勤と夜勤を交代で担当するため、不規則な生活リズムで体調を崩す方も少なくありません。そこで今回は、夜勤の際に仮眠を上手にとる方法や、「眠れない」「起きられない」などの悩みをなくすコツについて見ていきましょう。
夜勤に仮眠がある理由
現場では、その施設の方針や状況に応じて、夜勤の仮眠についての決まりが定められています。そのため、夜勤だからといって仮眠時間が確保されているわけではありません。ただし、長時間の夜勤を行うと集中力低下につながり、注意力散漫になることも。
まずは、夜勤にて仮眠がある理由について紹介します。
介護職や利用者さんの安全のため
夜勤において仮眠時間がないと、勤務開始時刻あたりは元気でも、早朝あたりで強い眠気に襲われることも。夜勤によって疲れが出てきたときに眠気に襲われやすいため、事故やトラブルが起こりやすくなります。
そのため、注意力を保つためにも、夜勤における仮眠は大切だと考えられているのです。例え、短時間の睡眠であっても、仮眠をとった方が疲労回復につながり、介護職の方や利用者さんの安全につながると考えられています。
生体リズムを維持するため
本来人間は、日中活動する生き物のため夜間は寝るように、体温調整を通じて生体リズムが維持されています。そのため夜勤を行うと、生体リズムが崩れることで、生活習慣が崩れやすくなってしまうのです。
そこで、夜勤にて仮眠をとれば、生体リズムが崩れる原因を排除して昼型の生活スタイルを維持できるようになります。
夜勤明けに疲労を持ち越さないため
その他には、夜勤明けに疲労を持ち越さないという理由も。仮眠がとれれば、夜勤中の疲労を少し取り除けますが、仮眠がなければ夜勤明けやその後の休日にも疲労が残ってしまいます。
疲労が残ると、休日の自由な時間を有効に使えず、介護職の方のためになりません。以上のようなことから、夜勤における仮眠はとても重要だと考えられているのです。
夜勤前の過ごし方
夜勤における仮眠の重要性を知っていただいた上で、ここからは夜勤における仮眠を上手に行うコツについて紹介します。
寝だめはNG
夜勤で眠れないのであれば、寝だめしようと考える方もいるでしょう。しかし寝だめはおすすめしません。なぜなら生活リズムが崩れて、かえって身体が疲れやすくなるためです。基本的には、いつもの生活リズムで過ごす方が良いでしょう。
寝ないで夜勤はNG
「どうせ眠れないのであれば、寝ないで出勤しよう」と考える方もいるかもしれません。実はこれも危険です。睡眠不足での勤務は、ストレスやミスの原因になることに。
自身の健康や安全を考えても睡眠は不可欠ですが、ミスやトラブルが起きてしまうと利用者さんに危険が及ぶため、くれぐれも気をつけてください。
消化の良い食事を選ぶ
夜勤にて仮眠をとれる方の場合、食事も大切です。夜勤前にこってりとしたものやたくさんの量を食べてしまうと、消化が悪くなり寝つきが悪くなることも。
また、満腹になって眠気がきてしまうこともあるでしょう。夜勤前は、胃を刺激しないような消化の良い食べ物を選ぶのがおすすめです。
夜勤中の過ごし方
夜勤における仮眠の悩みポイントはいくつかあります。例えば「眠りたいけど眠れない」、「寝てしまうとなかなか起きられない」などです。ここでは夜勤中の過ごし方について見ていきましょう。
無理に眠らない
健康や安全のために夜勤の仮眠は必要だとわかっているものの、自分の家ではないから眠れないという方もいるはずです。この場合「寝なければならない」と感じると、さらに眠れなくなるため悪循環に。
眼を閉じて布団に横になるだけでも身体の疲労はとれるため、無理に眠ろうとせず身体や頭を休めるような意識でいると良いでしょう。
自分専用の快眠グッズを持ち込む
せっかくの夜勤の仮眠を質の高いものにするために、自分専用の快眠グッズを見つけてみてはいかがでしょうか?自分に合った枕や布団を持参する、好きなアロマオイルを近くに置くなどの工夫で眠りやすくなり、質の高い睡眠になる可能性が高まります。
仮眠したら起きられない場合は少量のカフェインを
夜勤中に眠たくなったら、覚醒させるためにコーヒーを飲む方もいるでしょう。コーヒーや緑茶にはカフェインが含まれているため、眠気解消につながります。
この作用を応用すると、仮眠前に少量のカフェインを摂ることで、仮眠したら起きられないという悩みを解決できるしょう。少量のカフェインが、寝起きをスッキリさせてくれるのです。
夜勤明けの過ごし方
夜勤明けは疲れがたまっていますが、脳が覚醒して眠れないということも。そのため、夜勤明けの過ごし方を間違ってしまうと、時差ボケのようになってしまい、かえって疲れがとりにくくなってしまうこともあります。
そこで最後に、夜勤明けの過ごし方について見ていきましょう。
眠れない場合は入浴や運動を
人間は体温の上昇と下降を利用して眠気を作ることができます。眠れない場合は、入浴やシャワーで体温を上げると自然と眠気がやってくるはずです。また、軽い運動によって体温を高めたり適度な疲労感を得られたりするため、ぜひ試してみてください。
眠り過ぎない
「夜勤だったから、しっかり寝よう」と考える方もいるはずです。しかし、寝だめの効果と同じく、夜勤明けの寝過ぎは生活リズムを乱すきっかけになります。夜勤明けの仮眠は、午前中だけにするなど眠りすぎない工夫をしましょう。
夜勤の仮眠を上手に利用しよう
夜勤だからといって必ずしも仮眠時間があるとは限りませんが、仮眠時間がある場合は、ぜひ有効活用してください。なかなか夜勤に慣れないという方は、今回のポイントを試すことで少し変化するかもしれません。ただし、根本的に夜勤が向いていない方もいます。そういった場合には無理をせず、日中の勤務に変えてもらったり他の施設へ転職することを考えたりするのもおすすめです。